洋食の店 ITADAKI
今年2021年(令和3年)の夏の終りは雨が多く、昨年と比べて過ごしやすい気温となりました。とは言え、暑がりの管理人にとっては朝であろうが夜であろうが冷房は必須。“熱中症になったら大変だから”と自分自身に言い訳をして、自宅ではクーラーをず〜っとつけています。ただ、原付で外出した際には、半袖だと肌寒く感じることも多く、湿度は高めながら残暑らしくない夏を感じるのも事実です。9月4日の土曜日も雨まじりの曇り空で、用事がなければ外出したくない天気でした。どうしても外せない用事で円町まで行き、終わったのが12:40。幸い雨は止んでいたため、帰宅がてらにどこでランチを食べようかと悩んでいたところ、北野白梅町で“そう言えばまだREPORTしていない洋食の老舗があった”と気づき、早速伺うことにしました。
西大路通と今出川通の交差点(北野白梅町)を南へ100mほど行ったところにある「洋食の店 ITADAKI(いただき)」。こちらは1921年(大正10年)から営業されているそうで、今年で100周年となる老舗洋食店です。京都市の洋食好きであれば知らない人はいないであろう1軒で、北野白梅町エリアではおそらく人気ナンバーワンの洋食店ではないでしょうか。現在、こちらだけでなく、円町と金閣寺にもお店を展開。管理人は本店格?と思われる北野白梅町のこちらしか伺ったことがないので他2店舗のメニューや味は知らないのですが、3店舗がそれぞれ比較的近い場所にあることから、同等のクオリティではないかと推察しています。時刻は13時、2階にあるお店へ伺ってみましょう。
階段を上るとお店の入口です。人気店であり、雨模様の天気ながら土曜日の、しかもランチタイムの13時ということで待つことも覚悟して突入します。
お客さんの入りは5割ほどで、すぐに2名テーブル席に案内していただけました。緊急事態宣言の影響なのでしょう、こちらほどの人気店であっても影響を受けられている様子。飲食店にとっても受難の日々が続いており、管理人の肌感覚ですが、2〜3割程度の飲食店が休業されているように感じます。こちらは万全のコロナ対策をして頑張って営業されていて、各テーブル席はパーテーションでしっかりと区切られており、ほぼ半個室状態。カウンター席もあり、このコロナ禍で一層、お一人様でも利用しやすい雰囲気となりました。学生のような女性客もお一人様で入店されるなど、近隣の方にとっては老若男女を問わず愛されている洋食店です。ではメニューを確認してみましょう。
ランチメニューと一部ですが夜のメニューを撮影しました。ランチメニューも充実していて、こちらで特筆すべきは、洋食店なのになぜか洋定食のオプションメニューとして提供されている「カツオのお刺身」(3切:プラス¥480・5切:プラス¥800)。管理人が知る限り、昔から提供されています。が、なぜ洋食店でカツオカツやマグロカツではなく「カツオのお刺身」なのか、そもそも洋定食のオプションメニューとして「カツオのお刺身」は有効なのか、などの疑問が残るメニューです。こちらは洋食店としてはビールやワインだけでなく、日本酒やハイボールも提供されていることから、多分飲む人のツマミとして提供されているのでしょう。管理人は飲まないのでこちらで「カツオのお刺身」を食べたことはありませんが、地元密着型の洋食店ですので、飲む人にとっては欠かせないメニューなのかも知れません。そして個人的にこちらでぜひ召しあがっていただきたいのが、「牛ヒレステーキ」です。管理人も来年1月で50歳を迎え若めのジジィと呼ばれる年齢になります。まだ、ステーキと言えばサーロインなどのロース系を選ぶ脂に負けない強靭な胃腸を持ってはいるものの、いずれそう遠くない時期に“最近、脂っこい肉は胃もたれがして…”とフガフガ言うのは確定です。ヒレ(関西ではヘレとも)は価格お高めではあるものの、柔らかで牛肉の旨味が凝縮されている部位であり、脂はほとんどなく、シニアでも食べやすいのが特徴。こちらはリーズナブルな価格で牛ヒレのステーキをいただけます。今回は「牛ヒレステーキランチ(100g)」¥1,510に、エビフライとエビクリームコロッケが付く「ミックスフライ」¥380を注文してみました。
「牛ヒレステーキランチ(100g)」と「ミックスフライ」が到着。これはもうテンションが爆上がりのビジュアルです。ダシの効いた麩の味噌汁、サラダボウルにたっぷり盛られたサラダ、ヒジキの煮物、柴漬けと、副菜も完璧な陣容。どれも間違いのない味で、特にサラダは醤油ベースのオニオンドレッシングと極細く千切りにされたキャベツとの相性が抜群です。日頃から野菜不足を気にしている管理人にとって、体感ですが1日分の野菜ぐらいはありそうなボリュームも高ポイント。カットトマトやポテトサラダもおいしい。さすがは100年続く老舗洋食店らしいクオリティです。ちなみにライスは小・中・大から同一金額で選べる親切設計。今回は中サイズとしています。ではメインの「牛ヒレステーキ」をいただきましょう。
中心部はロゼカラーの完璧な焼き加減で、パンチの効いたガーリック醤油が絶好の相性です。さっぱり、あっさりと食べたい方はガーリック醤油ではなく、おろしポン酢をお選びください。柔らかで牛肉の旨味が口の中であふれるヒレ肉らしいおいしさを堪能できます。ステーキに敷かれたキャベツやモヤシもガーリック醤油で立派な一品に。さらに食べごたえのあるアツアツのポテトフライまで添えられていて、文句のつけようがない一皿と言えるのではないでしょうか。
そして「ミックスフライ」です。大きめのエビフライに、おそらく余るぐらいに添えられているタルタルソースがうれしい。エビフライの甘みにこれでもか!とタルタルソースをベットリつけて食べる幸せは格別です。さらにトマトソースが敷かれたエビクリームコロッケは、ゴロゴロとした小エビがたっぷりと入った逸品。クリーミーで濃厚なベシャメルと小エビの旨味が堪りません。甲殻類アレルギーでもない限り、絶対に味わっていただきたい「ミックスフライ」です。コロナ禍でまだまだ京都観光などは難しいとは思いますが、状況が落ち着いたら北野天満宮への参拝がてらにでも、こちらで100年の歴史を誇る洋食を試してみられてはいかがでしょうか。どのメニューもリーズナブルにいただけますので、ランチやディナーでプチ贅沢を満喫してみてください。
[2021年9月4日訪問]
洋食の店 ITADAKI
●住所…京都市北区北野下白梅町44-2(Google マップ)
●TEL…075-461-5086
●定休日…火曜日(祝日の場合は翌日)および月1回不定休
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「洋食の店ITADAKI」をご確認ください。
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