いつでも気軽に本格的な味を楽しめる寿司店

和食編
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寿司政

“寿司と言えば握り寿司”というぐらいにメジャーな寿司となった握り寿司。近年では手頃な回転寿司が普及し、どこの店舗でもだいたい満員、お店によっては長蛇の列となっています。1貫¥100〜¥200前後とお財布を気にせず握り寿司をいただける回転寿司店は反面、握り寿司の利幅が薄いこともあり、サイドメニューの提供にも力を入れているようです。一方、回らない寿司店にはどうしても高いイメージがあるものの、街のお寿司屋さんなら特にランチであれば決して高くはありません。回転寿司と変わらない価格で寿司職人が握った寿司をいただけ、誰でも気軽に利用することができます。管理人のようにひとりで食事をする人にとって、お客さんがほぼほぼグループやファミリーの郊外の回転寿司店はちょっと入りづらい。街のお寿司屋さんならひとりでも落ち着いて食事ができます。回転寿司チェーンの勢いに押されて減少傾向にある街のお寿司屋さんですが、クオリティはもちろん、価格面でも回転寿司店に負けてはいません。そこで今回は、地元の方に人気の街のお寿司屋さんを求めて、京都市南区へ向かいました。

十条通(鳥羽通)と烏丸通の交差点(十条烏丸)を東へ150mほど行ったところにある「寿司政(すしまさ)」。地下鉄「十条駅」から徒歩2分と、アクセスも便利な寿司店です。外観は上品な街のお寿司屋さんでありながら、高級感があふれまくっていないのも高ポイント。管理人のような弱メンタルな庶民にとって、いかにもな高級風な店構えの寿司店だと例え手頃な価格であったとしても、ひとりで伺うのは二の足を踏んでしまいます。かといって鮮魚をいただく以上、清潔感がないお店も困りもの。こちらのようなスッキリとした清潔感はありつつ、仰々しくない外観のお店がベストです。時刻は13時、まずは店頭のランチメニューを確認してみましょう。

「盛り合せ」や「ちらし」、「にぎり」なら¥1,000ちょっとで本格的な寿司をいただけます。1貫あたり、だいたい¥150ぐらいでしょうか。しかも¥1,000以上のセットなら赤出し付き。サーモンだけをひたすら食べ続けたい人などは回転寿司店の方が何かと都合がいいのでしょうが、いろいろなネタを楽しむのも寿司の醍醐味です。さらに「巻寿司」や「箱寿司」ともに¥750などがおいしいのも街のお寿司屋さん。職人の技術を堪能できて、しかも安い街のお寿司屋さんは、もっと評価されるべきだと個人的には思います。では店内へ入ってみましょう。

シニアな大将と若い職人さん2名体制。そこにウエイトレスとしてシニアなオカアサンがスタンバイされています。手前にはカウンター席、奥には座敷があって、どちらかと言えば夜に混雑するお店でランチは穴場。ランチタイムは混み合い、待つこと必至の回転寿司チェーンよりも気軽に利用できるでしょう。では改めてランチメニューを確認します。

「特上にぎり」¥2,900といきたいところですが、無職がお昼に(夜も)食べていいものではありません。そもそも寿司なんて食べていい身分ではないような気がしないでもありません。先日、灯油を購入したのですが、昨年の倍近い値段になっていて気を失いかけました。しかも唯一の友であるブルーレイレコーダー内蔵テレビまで天に召され、管理人も連られて危うく昇天しそうに。涙を流しながらテレビとブルーレイレコーダー購入するなど、何かと物入りなので戦時中のように“贅沢は敵”の精神で暮らさなければいけません。そこで今回はできるだけリーズナブルに握り寿司をいただくため、「にぎり」¥1,300に決めました。「特上にぎり」は何かしらで大儲けしたときにでもコッソリ食べたいと思います。

「にぎり」が到着。イカ、マグロ、タイ、サーモン、ハマチ、ホタテ、エビ、煮穴子の計8貫に赤出し付きで¥1,300。1貫あたり¥160程度で、しかもネタが大きい!一般的な寿司店と比べてもかなり大きめのサイズで、コスパ的にも優れていると言えるでしょう。赤出しはアサリで、アサリの旨味と赤味噌の豊かな風味が素晴らしく、身体もじっくりと温まります。この赤出しだけで寿司への期待感が高まる逸品。では「にぎり」をいただきましょう。

どのネタも新鮮です。そして大きめなサイズだけでなく、厚めに切ってあるので、ネタそのものの味を堪能することができます。タイやサーモン、ハマチには脂がたっぷりと乗っていて、ホタテやエビのおいしさも完璧。マグロはねっとりとした赤身の旨味を味わえます。煮穴子も秀逸で、さっぱりめの煮ツメと柔らかく煮上げられたアナゴはプロの技術が光るクオリティ。寿司の味は職人の技量が大きく左右することを、当然ながら改めて実感することができました。

食後には果物のデザートまで付いて至れり尽くせりです。オレンジで口の中をリフレッシュしつつ、旬の柿が甘い!日本でいにしえより食されてきた数少ない果物であり、どこか郷愁を誘う旬の味覚です。寿司を食べた後のデザートは和菓子でも洋菓子でも杏仁豆腐でもなく、果物が最適だと感じました。寿司職人が握る本格的な握り寿司を気軽に味わえるお店です。お一人様でも入りやすいのも魅力ではないでしょうか。十条通へお越しの際には、ぜひこちらのランチやディナーでおいしい寿司を気軽にお楽しみください。

[2021年12月16日訪問]

寿司政
●住所…京都市南区東九条石田町41(Google マップ
●TEL…075-691-9062
●定休日…火曜日(祝日は営業)
●備考…禁煙
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