Gion Duck Noodles
クリスマスも終わり、年末年始の雰囲気が街中から漂い始めてきました。何となくワクワクする時期であり、コロナ禍でさえなければ忘年会に忙しい日々を過ごすことになっていた人も多いのではないでしょうか。そして京都市内では例年、いよいよ寒さが本格化する季節でもあります。くまさんならとっくに冬眠しているでしょう。管理人も冬眠したい。くまさんと同じ哺乳類でありながら、なぜ人間は冬眠しないのか。それは真冬のおいしいものを食べるためだよ。というワケで、毎年管理人の中で冬の定番となっているおいしいものの1つが鴨。いつもは年越し蕎麦代わりに鴨南蛮をいただくことが多いのですが、今年はちょっと風変わりな鴨を食べてみようと祇園へと向かいました。
東大路通と四条通の交差点(祇園)を北へ80mほど行き、富永町通を西へ60mほど行ったところにあるラーメン店「Gion Duck Noodles(ぎおん だっくぬーどる)」。近隣には八坂神社やよしもと祇園花月などがある観光スポットであり、おそらく京都イチの歓楽街でもあります。富永町通の街並みは、高級割烹やフレンチ、イタリアンから気軽に利用できる飲食店、オトナな飲み屋さんまで、多種多様な飲食店が立ち並ぶエリアです。管理人のように京都市民歴50年近くであっても入ったことがない飲食店も多く、イチゲンさんお断りや会員制のお店も少なくありません。時刻は11:30、こちらは建物の奥の方に店舗がありますので、この(鴨)(ラーメン)の絵文字の看板を目印に中へ入っていきましょう。
店頭の看板も(鴨)(ラーメン)の絵文字だけ。こちらは11時開店ですが平日にも関わらず、すでに行列ができている繁盛店です。管理人は本来、できるだけ並ばないスタイルで生きてきたものの、こちらは11時の開店と同時に伺っても行列ができているお店ですので今回は並びます。あまり広くはない店内のため、お一人様やカップルでの来店が多い印象です。グループでの来店は、バラバラに座ってものいいのであれば問題ありませんが、グループまとめて座席を確保するのは難しいため、あまりオススメはできません。並んでいる間にメニューを渡してもらえますので、早速確認してみましょう。
ワケがわかりません(泣)
メニューはすべて絵文字という斬新なメニュー表ですが、店員さんがしっかりと説明してくださいますので安心です。広告物のプロとして、この絵文字だけのメニューには目新しさと驚きがあり、後々まで印象に残るデザイン性は成功していると勉強になりました。ただ、やはりわかりにくいのがネック。店員さんが口頭で説明しないと理解できないようではメニューの機能面を考えれば厳しいと言わざるを得ません。ちなみに(鴨)(ラーメン)の絵文字は鴨チャーシュー2枚が付く「鴨ラーメン」を表し、Mサイズ¥990・Lサイズ¥1,100。(にっこり)の絵文字は鴨チャーシュー3枚と味玉、メンマがプラスされたものとなります。(鴨)(さくらんぼ)の絵文字は「鴨つけ麺 ベリーソース」、(鴨)(オレンジ)の絵文字は「鴨つけ麺 オレンジソース」のこと。(鴨)(肉)の絵文字は鴨チャーシューのトッピング、(鴨)(ごはん)の絵文字は「鴨ごはん」で、(目玉焼き)の絵文字は卵黄です。最後のメニューは持ち帰りやテイクアウト商品のページとなっています。訪問される場合は、事前に食べログのメニュー・コースページをご覧になられたうえで、メニューを把握された方がスムーズに注文できるでしょう。今回は年末という特別感もあり、ちょっと贅沢に(鴨)(ラーメン)(にっこり)の「鴨ラーメン トッピング付き」M:¥1,600と、(鴨)(ごはん)の「鴨ごはん」S:¥495、(目玉焼き)の「卵黄」¥55を注文。鴨チャーシューはモモ肉とロース肉を枚数で選べる良心的なシステムで、管理人の注文では鴨チャーシュー5枚となるため、モモ肉2枚とロース肉3枚としました。並ぶこと30分、入店が許されましたので、店内へ入ってみます。
カウンター席のみ9名程度が着席できる店内。ビストロのような内装で女性にも人気のお店です。各テーブルには冷水が入っている青いボトルとグラスが用意されており、オシャレなフレンチやイタリアンのよう。とてもラーメン店とは思えません。客層も比較的若めではあるものの、ミドルシニアのお客さんもいらっしゃいます。普段使いだけでなく、デートなど特別な日でも十分に利用できるラーメン店ではないでしょうか。観光地であり歓楽街でもある祇園という立地にふさわしい、特別な気分も味わえるお店だと感じました。
「鴨ラーメン トッピング付き」Mサイズが到着。提供時に店員さんからメニューを説明していただけるなど、もはやフレンチです。ラーメンとしてはお高めに感じるかも知れませんが、鴨料理と考えれば決して高くはありません。ビジュアルもラーメンというよりは鴨を使ったスープ料理のおもむきで写真映えもピカイチ。皿の周囲に配された粉山椒の良い香りが食欲をそそります。まずはスープからいただいてみましょう。
鴨ベースのダシの旨味が素晴らしい琥珀色のスープです。貝ダシのようなグルタミン酸コハク酸系の濃厚な味わいが口の中に広がります。これまで食べたことがないラーメンスープで、鴨南蛮のダシやフランス料理の鴨肉のスープとも異なる表現しづらい独特の味わい。上質なコンソメスープに少し醤油の風味が感じられる芳醇な味、といった感じでしょうか。味覚の鋭敏な人ならもっと適切な表現ができると思いますが、味オンチの管理人にはこれが限界です。“結局、どんな味かわからへんやないかい”と批判されても、わからないものはわからないので、興味がある方は並んででも味わってみるべきだと強く申しあげます。
麺はおそらく全粒粉を使われた中華麺で、濃厚なスープに負けていない風味がクセになる逸品。コシがある茹で加減も完璧です。自家製の手打ち麺とのことらしく、蕎麦のような品も兼ね備えた味わいとなっています。一般的なラーメンとは一線を画す上品な仕上がりになっていると感じました。
モモ肉の鴨チャーシューは鴨の旨味が濃く、合鴨の味をしっかりと堪能できます。ジビエらしい鶏肉にはない奥深い味わいが特徴。こちらの鴨チャーシューは低温調理をされているようで、柔らかく煮られているにも関わらずジューシーなおいしさです。フランス料理の鴨料理に近い、合鴨のおいしさを存分に楽しめる鴨チャーシューではないでしょうか。
ロース肉の鴨チャーシューは脂の甘さと風味が絶品。柔らかさの中にも歯ごたえがあり、贅沢なおいしさとなっています。野趣あふれる鴨肉独特の風味も楽しめ、しかもイヤなクセなどは一切感じられません。鴨を知り尽くしたお店ならではの、合鴨の実力を存分に発揮されている調理法だと感心させられました。
そして「鴨ごはん」のSサイズと卵黄のトッピングです。お店の方から“ある程度まで食べられたら追加の鴨ダシをお持ちしますので、お茶漬け感覚で召しあがってください”と教えていただきます。こちらの鴨チャーシューも文句のない味わいでご飯との相性も抜群。さらに卵黄のコクがワンランク上の味へと進化させています。管理人は鴨ラーメンのダシが余っていたので追加の鴨ダシは頼まず、余った鴨ラーメンのダシでお茶漬け風に食べてみたのですが、お茶漬けとしては最高レベルのおいしさを体験することができました。鴨ラーメン、鴨ごはんとも十分に満足できるクオリティです。鴨つけ麺もベリーソースやオレンジソースなど、フランス料理の鴨のローストでは定番の組み合わせであり、間違いのないおいしさだと思います。鴨を堪能されたい方は行列に並んででも、こちらの鴨料理をぜひご賞味ください。
[2021年12月24日訪問]
Gion Duck Noodles
●住所…京都市東山区祇園町北側329(Google マップ)
●TEL…075-708-7261
●定休日…不定休
●備考…禁煙
●ホームページ…twitter/facebook/Instagram
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