デカ盛りでも人気な一乗寺ラーメン街道の蕎麦店

和食編
スポンサーリンク

蕎麦切塩釜

2021年(令和3年)も残すところ後わずか。いったんは落ち着いたかのようにみえる新型コロナウイルスもオミクロン株という変異型ウイルスが海外では猛威を奮っており、日本でもまだまだ収束とは言えない状況が続いています。皆様は今年1年、どのような年だったでしょうか。良かった人、あまりパッとしなかった人と、人それぞれかとは思いますが、2022年(令和4年)は良い年にしたいものです。サテ、2021年(令和3年)最後のREPORTは年越し蕎麦にちなんで蕎麦となります。こういう変化もなくヒネリもない姿勢当ブログ、いや、管理人自体がパッとしない原因ではないか、と最近気づき始めました。例えばあえてデカ盛りのお店のREPORTで年越しをするなど、これまでとは違うセンスを見せつけられれば、当ブログも活況となり、管理人にも明るい未来が訪れるのかも知れません。そこで今回は、蕎麦店にしてデカ盛り、というちょっと珍しい人気蕎麦店をREPORTしました。

東大路通北大路通の交差点(高野)を北へ860mほど行ったところにある蕎麦店「蕎麦切塩釜(そばきり しおがま)」。一乗寺ラーメン街道にある蕎麦店で、南隣りには数あるラーメン店がひしめく一乗寺ラーメン街道の中でも今、最も行列ができているラーメン店麺屋 極鶏」があります。常に行列ができているラーメン店のお隣で影に隠れている蕎麦店ですが、実はこちらも「麺屋 極鶏」ほどではないにせよ、お昼どきなどは待たないと入れないほどの人気店です。実際、13時に訪問した際、管理人はお一人様なのでたまたま最後の1席が空いていたため待たずに入店できましたが、後から来たお客さんは4組ほど待たれていました。こちらは現在、11時から16時までの昼営業のみでしかも土・日・祝はお休みということもあり、平日でお昼どきをはずさないとなかなか入れないお店です。寒空の中、「麺屋 極鶏」に並んでいる人を横目で見ながら、早速店内へ入ってみましょう。

蕎麦店らしい民芸調の内装で小上がりの座敷もある、風情のある店内。一般的な蕎麦店はミドルとシニアの巣となりがちですが、若い人の利用も多い印象です。それもそのはず、こちらは正統派の蕎麦店でありながらデカ盛りでも知られていて、学生客が多い一乗寺ラーメン街道のお店でもあり、しっかりと満腹となるボリューム感が特徴。「せいろ」各種などは山のように盛られた蕎麦がビジュアル的にもインパクトがあります。ではメニューを確認してみましょう。

蕎麦各種には大盛りも可能ですが、こちらの並盛りは一般的な蕎麦店の大盛りに相当しますので要注意。特に初めて訪問される方は“蕎麦なんていくらでも食べられるっしょ”なんて調子に乗って大盛りを注文すると、食べ進めるに連れて蕎麦地獄が待っています。経験者が言うのですから間違いありません。完食できる自信がある人には止めませんが、大盛りを注文して残すのは人として許されないため、体調を整えて挑戦してください。管理人は少食ですので、今回は京都人らしさ全開の温かい蕎麦「にしん」¥1,080と、オッサンらしさ全開の「かやくごはん」¥390を注文してみました。本当は蕎麦だけでも十分満腹となるのに、ウッカリ「かやくごはん」も注文してしまうあたりが、50年近く生きてきて何も学んでいないことを証明しています。来年からは適切な量を食べられるオッサンへ進化したいのですが、おそらく食べられなくなるその日まで治らないような気がして絶望しかありません。

「にしん」と「かやくごはん」が到着。写真ではわかりにくいのですが、丼鉢にはおそらく2人前はあると思われる蕎麦が隠されています。七味に加えて、粉山椒が常備されているのも京都の蕎麦店らしく、他都道府県で粉山椒が活躍するのは、ほぼ鰻一択なものの、京都では粉山椒好きな京都人に合わせて多くの蕎麦店・うどん店で粉山椒が必須アイテムとなっているほど。中には“マイ粉山椒”を携帯されている人もいらっしゃって、粉山椒を溺愛する京都人はかなり多いハズです。管理人もさすがにマイ粉山椒までは持ち合わせていませんが、蕎麦・うどん・丼では七味より粉山椒を多用しています。にしん蕎麦も当然、粉山椒派。他都道府県の方が京都の蕎麦・うどん店を利用される際、鮮やかな緑色の粉山椒を提供されたら自己責任で使ってみてください。では粉山椒をパパッと振りかけ、まずは「にしん」のダシからいただきます。

ダシの風味が効いた、やさしい味わいです。醤油などの塩味系は最低限に抑えられ、吸物よりちょっと強めな程度。ゴクゴクと飲める味こそ京都の蕎麦のダシという感じがします。たっぷりの青ネギと身欠きニシンの味も合わさって、豊かな味わいを楽しむことができるのではないでしょうか。

蕎麦は二八蕎麦で少し柔らかめの茹で加減。ツルツルとした食感と喉越しが心地良い蕎麦です。蕎麦の量が体感的に2人前ぐらいはありますので、伸びないよう一心不乱に食べます。やさしい味わいのダシと良く合っていて、量が多くても意外にスルスルと胃に収まる感じ。薬味の青ネギと粉山椒の爽やかな風味がアクセントとなっていて、食べやすい蕎麦だと思います。

そして主役の身欠きニシンです。干物独特の熟成された味はクセになります。京都では昔から昆布巻などで身欠きニシンが食卓に上っていて、海から遠い京都市内では冬の貴重なタンパク源でした。ホロホロと崩れるほどに柔らかく煮込まれていて、甘塩っぱい味付けがおいしい。最初に身欠きニシンと蕎麦を合わせた人の発想力は素晴らしいと感じました。これがうどんとなると、途端にビミョーな空気に。よそよそしい感がハンパありません。友人の結婚式に参加したものの、自分のテーブルに誰ひとりとして知り合いがおらず、冷めきった安物フレンチ風のコース料理とだけ2時間ほど向き合わなければいけないぐらいの戸惑いを覚えます。幸いアラフィフとなったため、もう友人や知り合いから結婚式の招待状が届くこともほとんどなくなりましたが。

「かやくごはん」は蕎麦とはうって変わって濃いめの味わい。ゴボウやニンジンなどの根菜類やシイタケなどの具材と調和が取れた味となっていて、蕎麦のお供にピッタリです。「かやくごはん」は関西以外では五目ご飯や炊き込みご飯と呼ばれているもの。「かやくごはん」の“加薬”はもともと補助薬と意味する漢方用語で、ネギやショウガなどの香辛料を指すほか、ご飯やうどん、ラーメンなどの具材を指す言葉です。関西のうどん店では「かやくうどん」と呼ばれる関東の「五目うどん」に相当するものがあり、インスタントラーメンに入っている“かやく”の小袋も、乾燥されたラーメンの具材を意味します。関西人でも“火薬”と思い込んでいる人が少なくなく、“さまざまな具材が花火のように散りばめられているから”シタリ顔のオッサンもいらっしゃいますが、嘘知識ですのでご注意ください。「にしん」と「かやくごはん」を完食し、お腹いっぱいになりました。満腹は人を幸せにします。管理人は今年も良いことがまったくありませんでしたが、最後に幸せな気分を味わうことができました。当ブログをご覧いただいたすべての皆様に感謝の言葉をお届けし、来年の幸運をお祈り申しあげます。年越しだけでなく年明け蕎麦もオツなものですので、新年に京都へ来られた方はこちらのデカ盛り蕎麦で幸せ気分に浸られてみてはいかがでしょうか。

[2021年12月28日訪問]

蕎麦切塩釜
●住所…京都市左京区一乗寺西閉川原町29-13(Google マップ
●TEL…075-721-2966
●定休日…土曜日・日曜日および祝日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「蕎麦切塩釜」でご確認ください。

コメント

  1. よい良いお年を

タイトルとURLをコピーしました