カフェ サイクル
会社勤めでも内勤部門などは決まった時刻にランチを取れる人が多いと思います。一方、営業職など外出が多い部門や自営業では、仕事の予定に合わせてランチを取るため、決まった時刻はない、という人も多いのではないでしょうか。管理人も会社勤務時代は客先での打ち合わせなどの都合でランチは空いた時間が基本、運が悪ければ昼食にありつけない最悪な状況に。また、“やっとお昼が食べられる〜”と時計を見ると15時を過ぎていてどこのお店も閉店、仕方なくチェーンの牛丼店やラーメン店、カフェなどでモサモサと済ませる、何か腑に落ちないランチとなることも多かったです。ただ、そんなときでもフードメニューが充実している喫茶店が近くにあると“ヨシっ!”と心の中でガッツポーズをし、途端にウキウキしながら入店。15時以降なので一般的にはランチの時間ではなく、すいていてゆっくりと昼食を取れるのも得をした気分になります。そこで今回はちょっとグダグダしていて気づけば15時だったこともあり、京都市内にありがちなフードメニューも充実していて遅めのランチを楽しめる喫茶店へ伺おうと、西陣エリアへ向かいました。
お目当てのお店に向かう途中で見つけたこちらの建物。鳥居がある神社のような、名和児童公園前にある「名和長年公遺蹟」。“名和長年(なわながとし)って誰?”と思われても無理はなく、管理人の記憶では日本史の教科書などにもおそらく掲載されていない歴史上の偉人で、京都人でも歴史好きでもない限り知っている人は少ないでしょう。名和長年は鎌倉時代最終盤から南北朝時代に活躍した南朝方(後醍醐天皇派)の武将。名和長年はその最期まで後醍醐天皇に忠義を尽くした武将であると同時に、出自がかなりアヤシイ人で、戦国時代の斎藤道三や毛利元就などと似たニオイがします。鎌倉時代といえば戦国時代(室町時代終盤)以上に家柄が重んじられていた時代であり、貴族でも武家でもないのに天皇直属の武将として活躍できたある意味、奇跡のような人。同じように出自がかなりアヤシイ同僚の武将・楠木正成が有名なのに対して、あまりに知名度が低く少し不憫に感じられます。もし、北朝方(足利尊氏派)が負けて室町幕府が成立せず後醍醐天皇の政権が続いていたら、おそらくは足利尊氏以上に有名な偉人となっていたことでしょう。もちろん歴史にifはありませんが、京都観光を深く楽しみたい人や日本史好きなら、「名和長年公遺蹟」のようなディープなスポットを探して訪ねてみられてはいかがでしょうか。管理人は名和長年のように無名で大した出自でなくても活躍できる人になりたいと感じつつも、とにかくランチを食べたいのでスタスタとお店へ向かいます。
今出川通と堀川通の交差点(堀川今出川)を西へ280mほど行き、大宮通を南へ400mほど行ったところにある「カフェ サイクル」。先ほどの「名和長年公遺蹟(名和児童公園)」から北へ70mほどのところにある喫茶店です。名和長年同様、あまり有名ではありませんが、昔から地元に愛されている喫茶店で穴場的な存在ではないでしょうか。知名度が低くても古くから営業されている住宅街の飲食店は間違いありません。こちらは9時〜19時(日曜日は18時)の通し営業で、遅めのランチにも対応されています。時刻は15:30、まずは黒板の「本日のランチ」を確認してみましょう。
サラダ・ライス・スープが付く「デミソース ミンチカツ」は¥800とリーズナブル。しかも「デミソース ミンチカツ」は管理人が特にオススメするメニューの1つです。女性や軽くランチを済ませたい場合はサラダ・パン・デザート・コーヒーまで付く「パスタランチ」¥1,200もお得ですね。「本日のランチ」は日替わりだったと記憶していますので、他にもフードメニューは用意されています。では店内へ入ってみましょう。
さすがにこんな時刻なので誰もランチなど食べていないと思いきや、管理人と同じようなお一人様の同好の士が数名、ランチをされていました。こちらは広いめの店内で席もゆったり。落ち着いて喫茶や食事ができるお店です。おとなしい看板犬もまったりと過ごしていますので、犬好きにもピッタリ。管理人は動物嫌いではないものの、情が移ると別れがツラくなる乙女のようなセンチメンタルジャニー気質なため、動物とはなるべく触れ合わないようにしています。それではメニューを確認してみましょう。
ドリンクやデザート類などの喫茶メニューをはじめ、トーストやサンドイッチなどのパンメニューやパスタ、カレー各種やピラフなどの軽食も充実のラインナップです。そしてガッツリ派にもうれしいサラダ・ライス・スープが付くセットメニューは3種類。「ポークカツレツ」¥1,000と「チキンカツレツ」および「ハンバーグ」がともに¥900のお手頃価格です。しかもコーヒーまたは紅茶(HOT:¥380・ICE:¥400)が半額で付くのもポイント。京都市内の喫茶店はこちらのようにコスパとクオリティに優れたお店が多くのも特徴です。今回は「本日のランチ」の「デミソース ミンチカツ」ではなく、久しぶりに喫茶店のハンバーグを食べたくなったため、セットメニューの「ハンバーグ」を注文してみました。
セットメニューの「ハンバーグ」が到着。¥900でいただけるのですから、自炊するのが本当に馬鹿馬鹿しくなります。大きめのデミグラスソースハンバーグに目玉焼き、たっぷりのサラダとライス、そしてスープの豪華ラインナップです。ビジュアル的にも洋食店さながら。栄養バランス的にも優れていて、ランチとしてお手軽ながら贅沢感もあります。ではハンバーグをいただきましょう。
粗挽きミンチの手作り感のある食べごたえがあるハンバーグです。肉汁もしっかりと蓄えられており、合い挽きミンチの旨味が口の中であふれます。トマトの酸味が効いた軽めのデミグラスソースともよく合っていておいしい。ご飯のオカズとしてもかなり有能です。最近ではコンビニやスーパーなどで高品質なレトルトハンバーグも販売されていますが、やはりこちらのような手作りには及びません。しかも洋食店なみのクオリティにも関わらずリーズナブル。街の中華店や洋食店と同じく喫茶店も減少傾向にはあるものの、こちらのようなお店は京都市内にはまだまだ多数健在ですので、京都で遅めのランチを食べたい方やランチ難民になっている方は、喫茶店もランチの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。地元民が普段から何気なく食べている味も京都の食文化の一端を担っていますので、ぜひお試しください。
[2022年1月19日訪問]
カフェ サイクル
●住所…京都市上京区下石橋南半町50(Google マップ)
●TEL…075-432-1979
●定休日…土曜日
●備考…禁煙(?)
●ホームページ
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