とんかつ甘辛カレー
Coltrane(コルトレーン)
少しずつ寒さがやわらいできて春が来た!と思っていると、また冷え冷えとする寒さが戻ってきますのでご注意ください。春とはそういう季節なのです。そして暖房を入れていたハズが、気づけばすぐに冷房が恋しくなります。秋とは異なり、春は気温の変化がアッという間。季節の変わり目は体調を崩しやすいため、栄養と睡眠をしっかりと取りましょう。体に良さそうな食べ物はいろいろとありますが、今回は寒い間に食べておきたいカレー、しかもスパイスカレーです。スパイスカレーは大阪では今なおブームが続いており、京都でもスパイスカレーのお店が増えてきました。そこで本場・大阪市に2店舗、京都市に1店舗ある「カオススパイスダイナー」の京都店へ伺おうと考えていたのですが、姉妹店として京都市内にカツカレーの専門店をオープンされたのだとか。スパイスカレーもおいしいのですが、管理人のようなオッサンはカツカレーの誘惑には抵抗できません。予定を急遽変更し、カツカレーをいただこうと河原町御池へと向かいました。
御池通と河原町通の交差点(河原町御池)を東へ150mほど行き、木屋町通を北へ40mほど行ったところにある「とんかつ甘辛カレー Coltrane(コルトレーン)」。この場所はかつて50年以上営業されていた喫茶店「SAVOY(サボイ)」の跡地となります。閉業されて何のお店になるのか気になっていたのですが、まさかカツカレー専門店とは!と驚きました。立地的に京都ホテルオークラの裏手にあたり、京都市役所などが近いこともあって、お昼どきはビジネスパーソンなどで賑わいます。飲食店も多いエリアなものの、ランチ難民になる可能性はありますので、ちょっとだけ早めの11:50に到着。まずは店頭のメニューを確認してみましょう。
「とんかつカレー」は「ヘレ」¥1,080と「ロース」¥980の2種類。カツカレーではない普通の「カレーライス」¥780も用意されていますが、カレーライス以外のメニューは一切ないところに、お店のこだわりが感じられます。カレーライスには付きモノのサラダもないようで、日々ヘルシーな食事の実践をめざしている(実践しているとは言ってない)管理人ですが大丈夫。トッピングに「ほうれん草」¥150があり、野菜不足も解消できるでしょう。多分。一般企業の管理職なら部長級の50歳であれば「ヘレ」、一般名称ヒレ肉のカツカレーをチョイスするのでしょうが、管理人は威風堂々と「ロース」を選びます。そう、まだまだ若いのです。とても部長には見えないみすぼらしい社会的地位とみすぼらしい収入であり、いろいろな分野で勝ち目がまったくないため、せめて「ロース」を食べて同世代の部長どもを見返してやりたい。嫁も子どもも部下もいて日々苦労をして生活に疲れ切っている部長どもに若さを見せつけてやるのさ!と心に誓いながら、店内へ入ります。
真新しい店内はカウンター席のみで、お一人様でも安心です。こちらは通常は11:30〜ラストオーダー15:00、17:00〜ラストオーダー19:30の昼夜2部制なのですが、現在は新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」期間のため、11:30〜ラストオーダー18:00の通し営業となっています。手軽なカレースタンドといった雰囲気ながら、BGMはオシャレなジャズ。店名である「Coltrane(コルトレーン)」も、モダンジャズを代表するサックス奏者「John Coltrane」から名付けられています。管理人はジャズの良さをまったくわかっていない、杉山清貴&オメガトライブをこよなく愛する人間ですが、食事のBGMとしてはジャズの方が合うような気がしないでもありません。
各テーブルには「オリソース」と書かれたソースの瓶が置かれています。これは1918年(大正7年)に京都市の祇園で創業された「オジカソース」の商品「BLACKオリソース」。一般的なウスターソースよりも濃厚かつスパイシーなのが特徴となっています。“カレーライスに何でソースが?”と不審に思われる人も少なくないかも知れませんが、カツカレーのトンカツにかけたり、味変用として使ってみてください。京都で古くから愛されてきた「オジカソース」の素晴らしさを実感できるハズです。では「とんかつカレー」の「ロース」に、トッピングとして「ほうれん草」と、前世はぐでたまだったのでは?と考えこむぐらいのたまご好きですので「生たまご」¥50を注文してみましょう。
「とんかつカレー(ロース)」とトッピングの「ほうれん草」・「生たまご」が到着。おいしそう。盛りは少し軽めのようですが、「ルーだけ 大盛り」¥100や「全体的に 大盛り」¥150も選べますので、物足りないと感じる人は大盛りを注文しておきましょう。管理人的には食べ進めてわかったこととして、意外とボリュームを感じます。初見では“これぐらいペロリでしょ”と舐めていたもののカツカレーは凄い。そもそも50歳のオッサンは部長であれ何であれカツカレー自体、食べていないのでは…と疑心暗鬼になってきました。ともかく、「とんかつカレー(ロース)」をいただきましょう。
やはりカレー自体がおいしい。スパイスカレーのエッセンスが感じられるフルーティーでピリ辛な旨辛欧風カレーです。牛肉もしっかりと使われていて、カレー単独でも十分立派な欧風カレーの味わい。そこに軽やかに揚げられたロースカツと卵黄のコラボレーションで、より贅沢な味へと進化しています。これはもうご馳走レベルです。後をひく辛さが食欲を高める、オトナのカツカレーではないでしょうか。お子さんや辛いものがかなり苦手な人にはオススメできませんが、辛いのがあまり得意ではない管理人でも心地いい辛さを堪能できました。
「オジカソース」の「BLACKオリソース」を付けていただきます。ロースカツとの相性が抜群なうえ、カレーの深みがさらに増しました。欧風カレーではウスターソースを隠し味に使っている洋食店も多いのですが、それ以上の効果があるように感じます。まずはこちらのカレーを楽しみ、そして「BLACKオリソース」を少し使うと2度おいしい、を実感できます。スパイスカレーの名店が作るカツカレーにしっかり満足し、お腹いっぱいになりました。“カツカレーは重たくて胸焼けしそう”とお嘆きの人も、こちらの「とんかつカレー」をぜひお試しください。重層的なスパイスの風味と効能で案外ペロリといけるかも、ですよ。
[2022年3月10日訪問]
とんかつ甘辛カレー Coltrane(コルトレーン)
●住所…京都市中京区上樵木町502-2(Google マップ)
●TEL…075-366-5848
●定休日…年中無休
●備考…禁煙
●ホームページ/Instagram
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