レストランぼん
京都市内には本格的な洋食メニューがズラリと用意されているものの実は喫茶店やカフェ、というお店が何軒か存在します。一方、洋食店なのに喫茶店として利用できるお店も少なくなく、当ブログのカテゴリー分けでも【洋食編】なのか【喫茶店・カフェ編】なのか、悩む場合もしばしば。当ブログとしては店名に“カフェ”と付いていれば【喫茶店・カフェ編】、“レストラン”と付いていれば【洋食編】に仕分けるケースが多いのですが、“カフェ・レストラン”は本当に悩ましい。刺身定食もあればトンカツ定食もあり、中華そばもやっている定食店・食堂と同じぐらい悩ましく、REPORTするために訪問するのを少し躊躇してしまいます。そこで今回は、洋食店のような喫茶店のようなお店ながら、店名にしっかりと“レストラン”と明記されており、悩むことなく【洋食編】としてREPORTできる洋食店へ伺ってみました。

千本通と丸太町通の交差点(千本丸太町)を北へ620mほど行ったところにある洋食店「レストランぼん」。千本通と今出川通の交差点(千本今出川)からなら南へ660mほど行ったところにあり、千本丸太町と千本今出川のほぼほぼ中間地点にあるお店です。こちらは8段ほどの階段が設置されている2階にあります。管理人は昔からこちらへはたまに訪れていて、正直に告白するとランチや軽食が充実している喫茶店というイメージでした。11時〜20時までの通し営業で、ドリンクやデザート類が用意されていることも関係しているのでしょう。ただ、食事メニューには本格的な洋食も多く、一般的なカフェや喫茶店レベルではありません。時刻は13:40、まずは店頭のメニューを確認しておきましょう。


サンプルケースの最上段にはドリンク類と「チョコレートパフェ」¥750、「コーンポタージュ」¥550、2段目には「ハヤシライス」¥800や「オムライス」¥800、スパゲティ各種といった軽食が並んでおり、ここまでは喫茶店チックなラインナップとなっています。しかし3段目と4段目は本格洋食メニューが飾られていて、3段目の左端の「玉子丼」¥800が妙にかわいい。何度となく伺っている管理人でも「玉子丼」が用意されていることを今回、初めて気づきました。また、黒板に書かれている「ビジネスランチ」¥900は日替わりランチで、こちらでは管理人が最もよくいただいているメニューです。この日の「ビジネスランチ」は魚ピカタとポークカツという、魚も肉も楽しめるメニューでREPORTするにはうってつけ。では階段を上って店内へ入ってみましょう。

ランチタイムを過ぎていたのでお客さんはいらっしゃいませんでしたが、この後、妙齢のマダム4名グループが、続いてこれまた妙齢のマダム2名組が入って来られました。マダムたちのおしゃべりを聞くつもりなど金輪際なかったのですが、不可抗力で聞こえてきたところ、どうやら最近テレビ番組で紹介された近隣の喫茶店で行列ができていて、マダムたちも並んでいたとのこと。しかし、その喫茶店のマスターが体調を崩されたようで、急遽お店を閉められ、マダムたちは食事ができずこちらへ来られたようです。管理人の記憶では、その喫茶店はマスターお一人で切り盛りされていたため、おそらく忙し過ぎて具合が悪くなられたのでしょう。当ブログのような過疎ブログなら影響力は1ミリもないものの、テレビのチカラは本当に凄いと思いました。最近はご無沙汰していましたが、管理人も何回か伺ったお店でしたので、マスターにはゆっくり体調を整えていただき、また元気に再開していただきたいと願っています。近隣の喫茶店情報を伝聞だけでウッカリREPORTしてしまいましたが、その喫茶店はいずれ落ち着いたら訪問してしっかりREPORTするとして、まずはこちらのメニューを改めて確認してみましょう。



ステーキ各種などの肉料理や魚介料理などの本格的な洋食メニューに始まり、スパゲティやサンドウィッチ、ライス料理各種といった軽食も充実しています。ナルホド、「玉子丼」だけでなく「カツ丼」¥1,150や「親子丼」¥900の和の丼物もあったのですね。今度コッソリと試してみます。洋食メニューの王道「ビーフシチュー」¥1,750や古典的なフランス料理である「海老のボンファム」¥1,800もかなり気になるのですが、今回はこちらのランチでは多分1番人気である「ビジネスランチ」に決め、注文してみました。ちなみに「ビジネスランチ」はスープかコーヒーを選べますので、今回はスープをチョイスしています。

まずはスープとサラダが到着。スープはコーンポタージュで、イマドキの濃厚タイプではなく、さっぱりとした味わいとなっていて、食事前にはピッタリ。コーンの甘みや風味が典雅な味わいです。サラダは普通の生野菜と思いきや、実は冷製の茹でキャベツがメインで、水でさらされた(であろう)オニオンスライスとリンゴがアクセントとなっています。別で提供されるサウザンアイランドドレッシングをかけていただくと、生のキャベツより甘さが感じられ、おいしくいただくことができました。

続けてライス、そしてメインディッシュの魚ピカタとポークカツです。魚ピカタもポークカツもしっかりめのボリュームなのがうれしい。「ビジネスランチ」とはおそらくビジネスパーソン向けのランチという意味なのでしょう、¥900でこれだけのランチをいただけると午後からの仕事もはかどるでしょうし、お財布にもやさしいと感じました。無職の管理人ですがビジネスパーソンになりきって魚ピカタからいただきます。

白身魚の旨味がおいしい。フライよりもしっとりとしたやさしいコロモのおかげで、白身魚本来の味わいを楽しめるのがピカタという優れた調理法です。日本で白身魚フライなどとして販売されている白身魚とはスケトウダラやメルルーサ、ホキなどタラの仲間である場合が多く、最近では東南アジアなどの淡水で養殖されているナマズの仲間・パンガシウスも輸入され幅をきかせています。こちらの魚ピカタはおそらくスケトウダラなどタラの仲間でしょうが、実はナマズもおいしい。日本では食用イメージがほとんどないもののヨーロッパなど海外では人気の魚です。一説にはウナギよりおいしいと評価されることもあるほど。“そんなに旨いなら日本でも養殖すればいいのに”という意見もあると思いますが、実際に日本のナマズを養殖しようとすると、共食いが始まって事業として成立しないと聞いたことがあります。しかし日本のナマズ養殖は現在も研究されており、将来的には日本のナマズが手軽に流通するかも知れません。品薄で高額なウナギに代わり、脂が乗ったナマズの蒲焼きを手頃な価格でいただける日が来るまでは生き永らえたいものです。

ポークカツは何と言ってもこのデミグラスソースが凄い。最近ではほとんど見かけなくなった苦味もしっかりとある昭和のデミグラスソースです。もちろん苦味だけでなく、旨味やコクも味わえ、甘みが際立つトンカツソースとは一線を画す濃厚で奥深い味に仕上がっています。若い人や女性にはあまり人気がないタイプのデミグラスソースですが、管理人のように昔から洋食を愛している昭和のオッサンにとって、古き友と再会できたような感覚となりました。もはや絶滅寸前の無骨ながらクラシカルで重厚なデミグラスソースを味わいたい人は、ぜひこちらの洋食をお試しください。本格的な洋食だけでなく軽食メニュー各種も間違いのないおいしさですので、ランチや喫茶でも便利に利用できるお店ではないでしょうか。
[2022年4月5日訪問]
レストランぼん
●住所…京都市上京区百万遍町88(Google マップ)
●TEL…075-451-0166
●定休日…不定休
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「ぼん」でご確認ください。


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