小さくても大きな存在感を放つ西京極の洋食店

洋食編
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小さな洋食屋さん ア・ラ・モード

子どもの頃、食べたくても食べられなかったものが、オトナな皆さんには1つぐらいは必ずあると思います。例えば当時、テレビ番組などで見た北京ダックや松阪牛のステーキといった、いわゆるゴージャス系。社会人となり自分でお金を稼ぐことができてから初めて食べた!というタイプの料理です。また、食に厳しい家庭環境で育てられた人は、カップ麺やスナック菓子などのジャンク系を制限されたかも知れません。一人暮らしで初めてポテトチップスの大袋を貪り食った、ホールケーキをひとりで完食した、などの経験があるようです。ただ、オトナになったからといって、すべてを自由に食べられるワケではありません。むしろ子どもの頃は食べられたのに、オトナになって食べられなくなったものもあるハズです。“好きだった人や大切だった人と共に楽しむ食事”といった情緒的な料理では断じてありません。50歳となった管理人は“お子様ランチ”が食べたい。もちろん、“お子様ランチ”を提供している飲食店の中にはオトナの注文も大丈夫ですよ、というお店もあり、本気を出せば探し出して食べることは可能でしょうが、50歳のオッサンがひとりで訪問してお子様ランチを注文するのは、さすがに恥ずかし過ぎ。まだ若干ですが羞恥心というものも残ってはいるのです。しかし、何としても“お子様ランチ”を食べたい。そこで管理人はまず幼児に見えるよう、髪型や服装、喋り方や手足の動かし方などを日々研究していたところ、オトナでもお子様ランチを遠慮することなく注文できる洋食店の存在を知り、向かってみることにしました。

七条通西大路通の交差点(西大路七条)を西へ600mほど行き、西小路通を北へ80mほど行ったところにある「小さな洋食屋さん ア・ラ・モード」。こちらは2021年(令和3年)6月にオープンされた洋食店で、来月に1周年を迎えられます。こちらのシェフはかつて一乗寺に存在した洋食店「グルメ亭」をはじめ、ホテルやフレンチレストランなどさまざまなお店で腕を磨かれたそうです。コロナ禍真っただ中での開業は、よほどの自信と実力がないとできません。阪急「西京極駅」から徒歩12分程度と、アクセス至便とは言い難い立地ではあるものの、連日客足が絶えないお店となっています。時刻は11:55、早速店内へ入ってみましょう。

12時になっていないのにも関わらず大盛況です。“小さな洋食屋さん”の店名どおり、カウンター席6卓と2名テーブル席4卓のコンパクトな店内。地元の女性客が多い印象で、若いマダムの社交場といったところでしょうか。もちろんお一人様でも女性・男性を問わず安心して利用できます。こちらのお昼の営業時間は11:30〜ラストオーダー14時となっていて、12時〜13時をはずせば、待つことなく着席できるのではないでしょうか。もっとも、開業1年未満ですでにこの人気店ですので、今後はさらなる混雑が予想されます。ではメニューを確認してみましょう。

今回のお目当てである「大人のお子様ランチ」¥1,300はやはり一番人気のメニュー。管理人のように“オトナになってもお子様ランチを食べたい!”と渇望しているいい年をしたいいオトナが多い証拠ですね。こんなんで日本は大丈夫なのか?と日本の発展にまったく貢献していない管理人ですらちょっと心配になってしまいます。「大人のお子様ランチ」以外のメニューも魅力的で、全メニューを制覇したいと本気で思いました。中でもかなり気になったのがハンバーグステーキ デミグラスソースとポークフィレカツ フレンチマスタード添えの「おじさまset」¥1,400。やはり管理人のようなオッサンには「おじさまset」がベストアンサーのような気がしてきました。正直に告白すると、「大人のお子様ランチ」目的で訪問したものの、「おじさまset」へ心がグーンと傾いていたのは事実です。が、しかし。オッサンがお店の方に“「おじさまset」をお願いします”と注文して、心の中で“でしょうね”と思われるのはとても悔しい。なんだか負けた気分になります。そんな理性が「おじさまset」の注文をギリギリで踏みとどまらせて、当初の思惑どおり「大人のお子様ランチ」を無事オーダーすることができました。

「大人のお子様ランチ」が到着。メインプレートには左からハンバーグステーキ デミグラスソース、大海老のフライ、カニクリームコロッケ、チキンのプロヴァンス風の豪華4点メニューがきらびやかに並びます。お子様ランチは子どもが好きそうな料理をふんだんに盛り込んだ料理ですが、こちらの「大人のお子様ランチ」はオトナが好きそうな洋食メニューが集められていて、子どもの頃にお子様ランチを目にしたワクワク感を思い出しました。大海老のフライは有頭海老が使われていて身の部分もさることながら海老のミソも味わえます。海老の頭をもいでミソをほじくり倒す作業はオトナならでは。一般的な子どもにはできない芸当です。管理人のような卑しん坊は子どもの頃から意地汚くほじくり倒していましたが、すべては家庭環境と教育のせいで管理人は悪くありません。チキンのプロヴァンス風は鶏肉のトマト煮込みで香草の風味がグッとオトナの味わい。飲む人なら白ワインなどと最高のマリアージュになると感じました。

肉汁がしっかりと蓄えられているハンバーグはデミグラスソースも本格派のおいしさです。濃厚でコクはあるものの昭和の老舗洋食店のような苦味はほとんど感じられないため、子どもや女性にも好まれるでしょう。さすがは洋食店といった味わいとなっていて、丁寧に作られているのがわかります。ご飯のオカズとしても有能なのはもちろん、飲む人にとってもきっと満足できるハンバーグステーキです。

カニとマッシュルームの風味がしっかりと活きている、こちらも王道のカニクリームコロッケです。この贅沢な味わいはオトナのクリームコロッケ。管理人は子どもの頃はコーンクリームコロッケやカボチャのクリームコロッケが好きでしたが、オッサンになるにつれカニやエビのクリームコロッケの素晴らしさを知るようになりました。もっとも、ミドルやシニア男性はクリームコロッケ自体をあまり好まない人が少なくなく、“クリームコロッケより挽き肉たっぷりのポテトコロッケがいい”“クリームコロッケよりメンチカツが好き”とおっしゃる人が結構多い。メンチカツはもはやコロッケですらないので比較対象として論外ですが、個人的にはポテトコロッケもおいしいとは思うものの食事ではなくオヤツ感覚。やはり洋食店でいただくコロッケはクリームコロッケです。チキンクリームコロッケやグラタンクリームコロッケなども存在する中で、最高峰はやはりカニクリームコロッケ。こちらなら本格的なカニクリームコロッケを堪能できると思います。洋食好きなら手頃な価格で洋食プレートを味わえるこちらで、ぜひ洋食メニューの数々を味わってみられてはいかがでしょうか。管理人はほとぼりの冷めた頃にでもヒッソリ再訪し、コッソリ「おじさまset」試してみたいと考えています。

[2022年5月19日訪問]

小さな洋食屋さん ア・ラ・モード
●住所…京都市右京区西京極大門町20-18(Google マップ
●TEL…075-315-5277
●定休日…火曜日および第1・第3水曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくはRetty「小さな洋食屋さんア・ラ・モード」でご確認ください。

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