平和的ごはんPadma(パドマ)
2022年(令和4年)の冷やし中華はおそらく今回のREPORTで最後となるでしょう。今夏最後の冷やし中華はどこのお店で食べようか…と結構悩みました。まだ訪問できていないお店も数軒はあるのですが、それよりもすでにREPORTしたお店で冷やし中華を食べていない場合がかなり多く、ず〜っと気になっていたのです。特に中華料理店やラーメン店は夏以外に訪問すると必然的に冷やし中華は食べられず、結果としてそのお店の冷やし中華のREPORTもできず仕舞い。来年の夏はすでに伺ったお店であっても冷やし中華をREPORTするため積極的に再訪しようと考えています。その流れながら、2022年(令和4年)最後の冷やし中華はすでにREPORT済みのお店ではあるものの、中華料理店やラーメン店ではありません。実は以前のREPORTでそちらの料理を注文した際、ギリギリまで冷やし中華にするか、そのお店の代表的なメニューにするかを悩み、代表的なメニューをREPORTして今まで、いずれ冷やし中華もREPORTしたいと心に残っていました。
川端通と丸太町通の交差点(川端丸太町)を南へ50mほど行ったところにあるヴィーガンカフェ「平和的ごはんPadma(パドマ)」。京阪「神宮丸太町駅」の2番出口からほぼ直結した建物の2階にあり、2019年(令和元年)6月にREPORTしていますので、併せてご覧ください。観光都市である京都は、今でこそコロナ禍の影響で外国人をあまり見かけなくなりましたが、本来は観光目的などにより、さまざまな国や地域の人々が訪れます。日本人の場合、食の禁忌の影響を受けるのはごく一部の人に限られるものの、外国ではむしろ食の禁忌がないケースの方が珍しいかも知れないぐらい、使用食材などに厳しい制限が設けられているようです。特に肉や魚などの動物性食材は生まれ育った地域や信仰する宗教、健康面や思想面などから食の禁忌になりがち。一方、日本の精進料理のように動物性食材を一切食べない完全菜食主義者「ヴィーガン」用のメニューは、ほとんどの人にとって食の禁忌を犯すことなく、安心して食事を楽しむことができます。こちらはヴィーガンカフェであり、再び少しずつ増えてきた外国人はもちろん、日本では少数派ながら浸透しつつあるヴィーガンの人々も足繁く通うお店です。また、管理人のようにちっともヴィーガンではない善良な肉食獣でも利用できるため、野菜不足などが気になる人にもたまの食事としてピッタリではないでしょうか。こちらは12時〜ラストオーダー18時の通し営業で15時までがランチタイム、15時以降はディナー用メニューを提供されています。時刻は14:40、まずは階段またはエレベーターで2階へと向かいましょう。
オフィスビル風の建物ですので、初めての人は少し入りにくそうにトビラの前をウロウロしがちですが大丈夫。こちらの前に営業されていた喫茶店も人気店でしたので、遠慮せずに入りましょう。
カウンター席もあり、お一人様も入りやすい雰囲気です。混雑していないときはテーブル席でゆったりと食事や喫茶ができます。窓側の席が特等席であり、特に夜は鴨川を臨んだ幻想的な雰囲気を満喫することも可能です。3年前のREPORT時は休日で14時過ぎでも女性客で混雑していましたが、平日は14時を過ぎるとさすがにお客さんは少なく、外国人男性とミドル男性のお一人様がそれぞれ食事をされていました。ではメニューを確認してみます。
今回のお目当ては「玄米麺の冷麺」¥1,300です。「スパイスカレー二種盛り」¥1,300や「平和的ごはんプレート」¥1,800など、少しお高めな価格設定ではあるものの、何より手間暇がかかるヴィーガン料理ですからむしろリーズナブルに感じます。「かぼちゃのタルト」¥400や「いちごのveganチーズケーキ」¥500など、スイーツにも動物性食材は一切使用されていません。しかもグルテンフリーのメニューも多く、セリアック病を患っている人や小麦粉アレルギーの人も安心しておいしい料理やスイーツを楽しめます。ではおそらく2022年(令和4年)最後の冷やし中華である「玄米麺の冷麺」を注文してみましょう。
「玄米麺の冷麺」が到着。予想以上に野菜たっぷりでおいしそう。小皿に添えられているのはカラシとナンプラーなどの魚醤のような独特の風味があるソースで、「玄米麺の冷麺」にもすでにかけられていますので、味見をしてからお使いください。この魚醤なようなソース、こちらはヴィーガンカフェですので、おそらく魚を使ったナンプラーやニョクマムなどの魚醤ではありません。確定ではないものの、ヴィーガンナッシュソースではないかと思われます。ヴィーガンナッシュソースはヴィーガン用の魚醤とも呼ばれ、発酵したヤシの樹液やシイタケなどのキノコの旨味、醤油など純粋な植物性食材のみで作られているのが特徴。一般的な醤油以上の塩味がありながら、醤油にはないクセのある風味が料理全体のアクセントとして用いられています。では、まずは麺からいただきます。
麺は玄米麺だそうで、しっかりとしたコシがおいしい。タレは豆乳ゴマダレとなっていて、動物性食材を一切使っていないとはとても思えないほどの濃厚さです。ゴマの風味もしっかりと感じられ、ゴマダレベースの冷やし中華の中でも相当にハイレベルな味わいだと感じました。食べごたえのある玄米麺との相性も申し分なく、十分に満足できる逸品です。3年前のREPORTでこちらの料理のクオリティは理解していましたが、この「玄米麺の冷麺」も冷やし中華の名店に匹敵、イヤもはや超える味ではないでしょうか。ヴィーガン料理うんぬんではなく、シンプルにゴマダレベースの冷やし中華として素晴らしい味わいだと断言できます。
そしてやはり野菜がおいしい。みずみずしい生野菜はもちろん、素揚げされたナスとタレが良く合います。管理人は野菜好き、というワケではありませんし、どちらかと言えば“野菜は身体のために食べている”感が強く、特に生野菜にはさほど興味がないものの、この冷やし中華の生野菜は本当においしいと思いました。生野菜特有の青臭さやエグミなどはまったくなく、ゴマダレの効果もあって、モリモリ食べられます。
この鶏の唐揚げも絶品です。いいえ、鶏ではありません。でも知らずに食べれば海原雄山でもない限り、間違いなく鶏の唐揚げと信じて疑わないでしょう。山岡さんでも見破れるかは相当あやしい。これが植物性食材だけで作られているのも驚異的ですが、何より重要なのは味。揚げたての鶏の唐揚げと遜色のないおいしさでボリューム感もあり、冷やし中華の具材としても優秀だと感心しました。2022年(令和4年)おそらく最後の冷やし中華にふさわしい逸品です。管理人がこれまで食べてきた冷やし中華の中でも個性的で味の面でも屈指のレベルですので、冷やし中華がお好きな人ならぜひ試していただきたいと思います。
[2022年9月14訪問]
平和的ごはんPadma(パドマ)
●住所…京都市左京区下堤町82 恵美須ビル二階(Google マップ)
●TEL…075-708-7707
●定休日…月曜日および木曜日
●備考①…「玄米麺の冷麺」は夏季限定
●備考②…禁煙
●ホームページ/Instagram
※さらに詳細は食べログ「平和的ごはん パドマ」で検索してください。
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