まだまだ元気に営業されている下鴨の食堂・定食店

和食編
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千成食堂

京都市内にはまるでチェーン店のように同じ店名の食堂・定食店があります。管理人が若い頃は、今でも十分に若いのですが、同じような店名の食堂・定食店がそこらじゅうに存在していました。まずは「大力食堂/大力餅食堂」。個人的なイメージでウラは取っていないものの、いくつかある同じような店名の食堂・定食店の中でも、一大勢力を築いていたように感じます。そこで現在営業されている「大力食堂/大力餅食堂」の状況をGoogleで調べてみると、京都市内にたった3軒【2023年2月16日現在、京都市内では少なくとも8軒は営業されているようです。お詫びして訂正いたします】しかないことが判明。どうりで食堂・定食店が減っているワケです。続いて「力餅食堂」。こちらは京都市内に9軒が営業されているようで、9軒でも随分と少なくなった感じがします。最期に「千成食堂/千成餅食堂」。こちらは11軒と、同じ店名の食堂・定食店御三家(管理人が勝手に命名)の中でも唯一のギリギリ二桁店舗数を誇っています。そもそも「大力食堂/大力餅食堂」や「力餅食堂」、「千成食堂/千成餅食堂」は、いずれもチェーン店ではありません。同じような店名の食堂・定食店であってもメニューもビミョーに異なります。一説にはそれぞれもともと営業していた食堂で修行を積まれた人が暖簾分けされて独立開業したそうで、昭和の時代には現在の大手チェーン店なみレベルでアチコチにお店がありました。ただ令和の世であっても京都市内にまだ20軒以上は存在されていることから、これからも営業し続けていただきたいと願っています。そこで今回は、最近外観や内装をリフォームされておそらくヤル気十分な「千成食堂/千成餅食堂」の1軒をREPORTしてみました。

下鴨本通河原町通)と北大路通の交差点(下鴨本通北大路)を南へ270mほど行き、松ヶ崎通を東へ40mほど行ったところにある「千成食堂(せんなりしょくどう)」。管理人自宅の超ご近所さんで、近所すぎてあまり伺う機会がありませんでした。超ご近所さんだからといって管理人が手抜きをしているとか、そのお店をエコヒイキしているとかは手抜きはともかくまったくありませんのでご安心ください。超ご近所さんとはいえ近所付き合いなどまったくしないコミュ障の管理人には、近所に知り合いの飲食店は存在しません。この地に40年以上暮らしていてこのザマとは、自分でも驚いてしまいます。こちらは管理人が物心ついた頃にはすでに営業されていましたので、少なく見積もっても60年以上は営業されているのでしょう。ほぼ毎日お店の前は通っていて、最近になってお店をキレイに改装されていることに気づき、そのヤル気に感動しました。「千成食堂」の灯火はまだまだ安泰です。こちらは11:30〜20時の通し営業で、遅めのランチも大丈夫。下鴨神社から近いとはいえ街の食堂・定食店ですので、観光客ではなく地元のお客さんが足繁く通っている地域密着型のお店ですね。時刻は15時、遅めのランチをいただこうと、まずは店頭のメニューを確認してみます。

メニューも少しリニューアルされているようで、丼や定食、うどん・蕎麦などが充実しています。ただ、リニューアル前には店頭でも販売されていたボタ餅やきなこ餅などの餅類は姿を消していましたので、食後のデザートにあんころ餅なども食べられる餅食堂を待ち望まれていたオールドファンには残念な結果となりました。昭和は遠くになりにけり。しかし街の食堂・定食店らしくどのメニューもリーズナブルで、¥1,000を超えるものはありません。値上げラッシュが続いている昨今、こちらのようなリーズナブルなお店は貴重な存在です。サテ、今回食べる料理はもう決まっています。当ブログを熱心に読まれている変態皆さまならピン!ときたかも知れませんが「焼肉定食」¥900、ではありませんよ。とりあえず店内へ入ってみましょう。

リニューアルしただけあって、さすがに清潔感あふれる店内です。15時というワケのわからない時刻にも関わらず、若い女性のお一人様がランチを楽しんでおられました。街の食堂・定食店としては珍しくカウンター席もあり、混雑していてもお一人様なら相席になることを回避できそうです。そしてリニューアル後は禁煙となりましたので、昭和から平成にかけて学生時代などに通われていた愛煙家の人はご注意ください。では改めてメニューを確認してみましょう。

「日替定食」¥730があるのもうれしいですね。昼夜を問わずいただけますので、毎日通っても飽きません。ただ今回REPORTするのは定食類ではなく丼、「カツ丼」¥700です。なぜカツ丼なのか。それは管理人が常々、カツ丼と京都市民の関係についてモノ申したいことがあるからです。管理人は丼類では他人丼や天丼と並んでカツ丼が大好物で、すべての人類がカツ丼を好きだと思い込んでいました。しかし、我が同胞である京都人はどうもカツ丼をそれほど食べていない様子で、親子丼にばかりウツツを抜かしています。嘆かわしい。実際、食べログで“京都市のかつ丼・かつ重のお店”を調べると、たったの28軒しか表示されません。ウソでしょ?親子丼なら68軒も表示されます。カツ丼はほとんどのトンカツ店やうどん・蕎麦店、食堂・定食店で提供されているでしょうから、さすがに28軒はどうなのかと思いますが、それでもカツ丼が脚光を浴びるお店が少ない証明にはなるでしょう。管理人が大好物な他人丼はあまりにもマイナーなためもう諦めモードですが、カツ丼は丼界のメジャーリーガー的存在です。京都市内の飲食店でもカツ丼をもっと盛り上げていただきたい。京都市民がカツ丼を食べないから京都市は活気がなくなり、財政破綻待ったナシなのだ!と、どの経済学者も気づいていない、カツ丼と地域経済の活性化を結びつける経済界激震のトンデモロジックを披露したところで「カツ丼」をいただきます。

「カツ丼」が到着。コレですよコレ。京都のカツ丼と言えば異論はあるでしょうが、トンカツと卵とじ、そして九条ネギです。あくまで個人的な感想にはなるものの、カツ丼には甘めに仕上がるタマネギより風味豊かな青ネギが良く合います。他都道府県ではタマネギ&ミツバやタマネギ&グリーンピースのカツ丼がスタンダードなのでしょうが、京都のカツ丼なら青ネギでキマリです。関西のカツ丼はダシが効いているハズですので、タマネギだと甘さを少し余計に感じることも少なくありません。カツの濃厚な旨味に卵とじのコク、ダシの旨味と甘みにキリリとした風味の青ネギのカツ丼に、粉山椒をお好きなだけ振っていただくのが京都流。もうタマリマセンので早速いただきましょう。

トロトロ卵とカツ、青ネギとアッサリめのダシが良く効いていて、ガツガツ食べたいおいしさです。トンカツを揚げる技術が素晴らしいトンカツ店や、ダシに深みとこだわりがあるうどん・蕎麦店のカツ丼もおいしいのですが、日常的に揚げ物やうどん・蕎麦を提供している食堂・定食店のカツ丼は、揚げの技術もダシへの造詣も備わっていて個人的にはオススメ。特別にブ厚いトンカツなどの奇をてらったカツ丼ではないものの、飽きない味わい、いつでも食べたいホッとする安心感があります。それはカツ丼だけでなく、食堂・定食店のメニュー全般に言えることでしょう。昭和の時代、代表的な飲食店として誰もが気軽に利用してきた食堂・定食店は、平成・令和と減少の一途をたどっています。カツ丼を食べて元気になれる時代ではもうないのかも知れません。それでもこちらのような食堂・定食店で、日々おいしく食事ができる幸せを噛み締めたいと感じています。

[2022年10月8日訪問]

千成食堂
●住所…京都市左京区下鴨膳部町1-14(Google マップ
●TEL…075-781-0241
●定休日…日曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「千成餅食堂 一本松店」でご確認ください。

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