飲み干したくなるスープに驚く至福のラーメン店

中華編
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めんや龍神

料理の世界は調理技術や器具、食材など日々進化し続けています。管理人が約30年前に毎週欠かさず視聴していたテレビ番組「料理の鉄人」では、番組内で次々に登場する新しい料理にワクワクしていましたが現在、その多くはすでに当たり前の料理となって定着しているものも多く、時代の移り変わりを感じざるを得ません。和食・洋食・中華と、どの料理ジャンルでも進化を続けている中、進化のスピードが圧倒的に早いのはラーメンの世界でしょう。当ブログでは管理人がラーメンに詳しくないため、ラーメン店をあまりREPORTしておらず、当ブログのカテゴリーで便宜上“中華編”として紹介していますが、ラーメン店のラーメンはその多様性から中華料理の枠組みを大きく超えています。昔ながらの町中華店で提供されているラーメンや中華そばとは特にラーメンスープにおいてはもはや別モノ。食全般へのこだわりが異様に強い日本人の多くはラーメンにかける情熱にも並々ならぬものがあり、ラーメンは国民食と言っても過言ではありません。ただ、管理人がラーメン店へあまり出かけず、結果ラーメンに詳しくないのには理由があります。もちろんラーメンが嫌いなワケではなく、むしろ特に寒い時期にはアツアツのラーメンが恋しくはなるものの“ラーメンスープの存在”がラーメン店へ伺うのを躊躇してしまうのです。ラーメンスープはほとんどのラーメン店において象徴であり技術と情熱の結晶です。お客さんはマナーとして?ラーメンスープを飲み干すべし、という意見も理解はできます。しかし…正直に告白すると、管理人はラーメンスープを残したい派。お店の努力と知恵を集約したラーメンスープを残すのはとても心苦しいものの、いざ飲み干すと以降の半日、ヘタをすれば1日は喉が渇く、つまり健康面でも決して良くはないほどの塩分を摂取していると実感するからです。ラーメンスープはあくまで麺や具材の味付けであり、コンソメスープやポタージュスープ、味噌汁のように飲み干すものではない、と思っています。よってラーメンスープを飲み干したくない管理人は、お店に失礼ではないかと考え、自然とラーメン店へ足が向かわなくなりました。とは言え、こんな管理人でもラーメンスープを飲み干したくなるラーメンが存在します。昔のラーメンにはない、これ以上はないと感じさせるほど旨さを極限まで進化させたラーメン。今回はそんなラーメンを提供する1軒を求めて、自宅近くのラーメン店を訪ねてみました。

北大路通下鴨本通河原町通)の交差点(下鴨本通北大路)を西へ400mほど行ったところにある「めんや龍神(りゅうじん)」。こちらは2016年(平成28年)10月に開業されたラーメン店で、京都府立植物園や地下鉄「北大路駅」から近くアクセスも便利なお店です。また、京都府立大学京都ノートルダム女子大学大谷大学なども徒歩圏内で、学生の利用も多い人気ラーメン店となっています。この下鴨エリアは以前REPORTした「いいちょ」や「ゑびす屋」を始め、実は小規模ながら隠れたラーメン激戦区。管理人はジモティのくせにまだ行ったことがないお店も少なくなく、下鴨エリアのラーメン事情については語れないものの、こちらは開業当初から年に1〜2回という管理人としては高頻度で利用しています。お昼の営業時間は11時〜14:30で売り切れ次第終了なことも珍しくありません。時刻はお客さんが比較的すいているであろう13:40、売り切れの恐怖にドキドキしながら店内へ入ってみました。

まだまだお客さんがいっぱいで、7〜8割ぐらいの座席が埋まっていました。こちらは店内入ってすぐの券売機でラーメンなどの食券を購入するシステムで、売り切れているラーメンはないと知りラッキーと思いつつイソイソと食券を購入します。お客さんはやはり男子学生ばかりで、そこに管理人ぐらいのミドル男性が数名というリアル男塾状態。い、いや、何度か訪問した際には女性客もいらっしゃいましたので、こ、今回がタマタマなのでしょう。男だらけなだけに。もうシモネタにまで手を染めてしまいました。グヘヘ。当ブログ開設5年目にして管理人の本性が表れ閲覧していただいている皆様を不愉快にさせたところでメニューを確認してみましょう。

こちらは京都ラーメンでは主流となった“鶏白湯”スープに豚骨スープを組み合わせた濃厚な鶏豚白湯スープが人気のお店です。開業当初はアッサリとした鶏ガラ醤油スープのラーメンも提供されていたように記憶していますが、現在は鶏豚白湯スープがメインで、7種の魚介スープも気になります。そしておそらく今の京都ラーメンで激アツなドロスープの「コクドロそば」も若い人を中心に人気のようです。サテ、今回注文するのは鶏豚白湯スープの「はまぐり塩」¥1,000、そしてサイドメニューから「チャーシュー丼」¥300。本当は麺と飯の組み合わせは年齢的にも体型的にもご法度なのですが、以前伺った際にいただいたこちらのチャーシューがおいしかったので、泣く泣く「チャーシュー丼」の食券を購入してしまいました。これも当ブログをご覧いただいている皆様のため、自らの身を削ってREPORTいたします。実際には身は削れるどころドンドン増えて困っているのですが、なぜなのでしょうか。

「はまぐり塩」と「チャーシュー丼」が到着。「はまぐり塩」はクラムチャウダーのようなビジュアルです。中央の具は鶏肉と小柱となっていています。「チャーシュー丼」はサイコロ状にカットされたチャーシューがたっぷりと乗っていて食べやすそう。とにかくアツアツのうちに「はまぐり塩」のラーメンスープからいただきます。

このラーメンスープはラーメンの進化を実感させられる味わいです。鶏豚白湯スープをベースに貝のダシが見事に融合されていて、塩味ながら塩っぱくはなく、ちょうど良い塩梅。アッサリ系ながらクリーミーでコクがあり、鶏・豚・貝といった素材の旨味が口の中に押し寄せてきます。これは単品のスープとしてもかなり優秀な味わいで、ラーメンスープの粋を超えていると感じました。豚骨系スープにありがちな獣臭さなどは一切なく、鶏豚白湯スープと貝ダシもまったく喧嘩していないのも高ポイント。単品スープと考えれば塩味がわずかに強いものの、それでも単品スープとしても十分に成立している味わいではないでしょうか。麺や具材、ご飯などにピッタリな汁物で、寒いときにはこたえられないおいしさだと感心しました。

麺は中太の平打ち麺で、京都人が大好きな細麺への変更も可能ですが、この平打ち麺がラーメンスープに良く合います。幅広な麺がスープとよくからみ、スープの実力で麺がさらにおいしい。貝や煮干しなどの魚介系スープは磯臭さなどのクセがありがちで、管理人だけかも知れませんがお店によってはスープが悪目立ちして麺の印象が残らないラーメンも少なくありません。しかし、こちらの「はまぐり塩」はラーメンスープ自体にクセがなく、スープの粘度も適切なため、麺の味をしっかりと楽しむことができました。

具の鶏肉は地鶏の炙り焼きでしょうか、噛みごたえがある鶏肉で香ばしさもあり、山椒のピリリ&爽やかさも効いています。クリーミーなラーメンスープとの相性も抜群です。2切れなのもラーメンのアクセントとしては良い感じで、これが多過ぎても全体の調和を損ねるのでしょう。焼いた小柱はこのラーメンスープに合うため生まれてきた具のように感じられました。そもそもホタテ貝など貝類の貝柱はクリームシチューなどミルキーなスープと合うのは古来より立証されていますので、このラーメンスープに焼いた小柱は合わないワケがありません。小柱の甘さと旨味を存分に楽しむことができました。

「チャーシュー丼」は間違いのない味でしょう。トロトロに煮込まれた甘塩っぱい煮豚系のチャーシューとご飯、ネギの組み合わせは抜群です。そしてやはり汁物代わりにラーメンスープをすすりながらいただくと絶品。このラーメンスープは麺だけでなくご飯とも好相性で、これで雑炊を作れば水炊きの雑炊を上回るおいしさではないか?とさえ思ってしまいました。「はまぐり塩」のスープの実力、恐るべし。そして管理人としては非常に珍しくラーメンスープを完飲。さすがは人気店のクオリティでした。ラーメン好きはもちろん、普段ラーメンにそれほど興味がない人でも食べる価値はある味だと断言します。地下鉄「北大路駅」から徒歩9分程度の場所ですので、お近くまでお越しの際にはぜひこちらの「はまぐり塩」やラーメン・サイドメニュー各種をお試しいただき、身も心もポカポカと温まってください。

[2022年11月5日訪問]

めんや龍神
●住所…京都市左京区下鴨西半木町88(Google マップ
●TEL…075-707-4114
●定休日…不定休
●備考…禁煙
●ホームページ…Facebook/Instagram/Twitter

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