海の京都 魚・魚・魚
観光都市・京都には絵葉書の素材にもよく使用される風景や光景が多くあります。中でも代表的なのが幻想的な雰囲気でご利益がありそうな伏見稲荷大社の千本鳥居でしょうか。
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…千本鳥居という割に千本にしては明らかに少ない、ちょっとショボいこの千本鳥居、実は伏見稲荷大社の千本鳥居ではありません。京阪「伏見桃山駅」や近鉄「桃山御陵前駅」からすぐ近くの京都市内最大級の商店街「伏見大手筋商店街」に接続している「納屋町商店街」の一角に作られた「伏見納屋町小路」にあるプチ?千本鳥居です。
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「伏見納屋町小路」は大手筋通と国道24号の交差点(御香宮前)を西へ360mほど行き、「伏見大手筋商店街」の東側入口から西へ370m、「納屋町商店街」の北側入口から南へ90mほど行ったところにある居酒屋などの飲食店をメインとした新しい飲み屋横丁の雰囲気となっています。現在9店舗が営業されているようで夜から本格的な活況となりますが、お昼から営業されているお店もあり、管理人のように飲めない人でも昼であれば安心してブラブラできるでしょう。その中で京都市内では珍しく海鮮に定評がある1軒を見つけましたのでREPORTしてみました。
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2022年(令和4年)2月にオープンされた海鮮居酒屋「海の京都 魚・魚・魚(うみのきょうと ぎょ・ぎょ・ぎょ)」。こちらは京都市南区の海鮮居酒屋「樂旬魚菜しげ 久世店」の姉妹店だそうで、京都府舞鶴市出身のご主人が地元の独自ルートで仕入れたおいしい鮮魚などをリーズナブルな価格で提供されています。舞鶴湾や伊根湾など京都府の海で水揚げされた天然の地魚を中心に新鮮な魚介類をいただけると評判のお店で、飲食だけには地獄耳の管理人の耳に入ってきました。秋も深まると多くの魚介類は脂を蓄え、旬を迎えますので、久しぶりに海鮮丼を食べたいと思い訪問。こちらの昼の営業時間は11時〜15時と、遅めのランチにも対応されています。時刻は13:40、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。
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おいしそうな海鮮の丼や定食が提供されており、お魚好きにはタマリマセン。京都府北部は日本海に面していて屈指の漁場が点在しているものの、同じ京都府内の京都市民にとって新鮮な魚介類をいただけるお店は意外と少ないのです。まして京都市内の高級料亭や割烹は別として、京都府の海で獲れる魚介類を手軽に食べられるお店は、管理人が知る限り数えるほどしかありません。かつては京都府北部と京都市との交通網が整備されておらず、塩サバぐらししか輸送できなかった名残りで、現在でも京都市民は鮮魚を食べる習慣が多くないのだと思われます。ただ、日本海沿岸の出身者や山陰地方から北陸地方などを旅行された人はご承知のとおり、日本海の魚介類は本当においしい。日本海の魚介類と言えば松葉かにや越前かになどと呼ばれるズワイガニばかりがクローズアップされるものの、富山県氷見漁港のブランドブリである「ひみ寒ぶり」やブランドマグロとして近年脚光を浴びている「伊根マグロ」だけでなく、日本海沿岸のさまざまな魚介類もその品質に注目が集まっています。では早速、新鮮な京都の海の魚介類に期待しつつ店内へ入ってみましょう。
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4名テーブル席2卓とカウンター10席程度のコンパクトで清潔感のある店内。昼飲みもOKで、新鮮な魚でビールを1杯、のお客さんも見受けられました。海鮮居酒屋らしく黒板には旬のメニューも書き込まれています。また、数々のアルコールメニューも豊富に用意されていて、魚介類でお酒を楽しめるのは飲む人の特権です。飲めない管理人はただひたすらうらやましい。飲む友人などについていってなら一品料理も楽しめますが、お一人様の場合はまずムリ。最近ではノンアルコールビールを提供しているお店も多くなってきたものの、やはりほとんどの海鮮料理とノンアルコールビールは絶望的に合わないのです。料理を食べてノンアルコールビールを口に含むと、得も言われぬ魚介類のイヤ〜な生臭さを感じてしまいます。食へのこだわりが異常なほど強い日本では食品メーカーや酒造メーカーも日々味の追求のため企業努力を積み重ねていらっしゃると思いますので、ぜひ海鮮料理とも合うノンアルコールビールを開発していただきたい、と切に願っています。では改めてランチメニューと、一部ですが一品メニューを確認してみましょう。
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レギュラーメニューのランチメニューは5種類で海鮮系の丼が4種類、刺身定食である「海の京都 はんなり定食」¥1,580の1種類です。訪問日によって限定の丼や定食も用意されています。ランチとしてはちょっとだけお高めな価格設定ながら、京都府の地場の魚介類をいただけると考えればリーズナブルな料金と言えるでしょう。ただでさえ日本の食料自給率は他国と比べても低過ぎるとして問題となっていますので、地産地消の観点からもこちらのような京都府の海で水揚げされた魚介類を、京都府民や観光客が消費できるお店はもっと大切にされてもイイのではないでしょうか。今回は管理人も一応、京都府民の一員としてランチメニューで最も高額な「名物 魚魚魚丼セット」¥1,580を注文。海鮮丼と出し茶漬けで二度おいしいの謳い文句に惹かれました。
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「名物 魚魚魚丼セット」が到着。イカにイクラ、ナメロウ、6種類の魚がゴージャスです。しかもタイやマグロなど3種類の魚が炙られている工夫もうれしい。また、あら汁はお替わり自由とのことで、これで¥1,580は本当にお得だと感じました。野菜サラダも京都の地どれ野菜を使われているそうで、京都の食材を存分に堪能できるのも高ポイントでしょう。それではまず、あら汁からいただきましょう。
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オォ、ゴロゴロとした魚の切り身やアラがたっぷりと入ったあら汁です。そしてブリのあら汁なのにも少し驚きました。京都市内の寿司店や和食店などで提供されるあら汁は、タイなどの白身魚を使われていることが多く、ブリなどの青魚のあら汁はあまり食べることができません。白身魚のあら汁は上品で誰にでも食べやすい一方、青魚のあら汁は何と言っても魚の濃厚な旨味を楽しめます。こちらのブリのあら汁もブリの風味と田舎味噌のような強めの味噌味がベストマッチ。西日本ではブリは多くの地域で年取り魚として親しまれているなど、馴染み深い魚です。ブリの味を十分に堪能できるあら汁だと思いました。
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海鮮丼も文句のないおいしさです。ワサビと醤油を鮮魚に付けていただくスタイルで、温かなご飯との相性も抜群。特に炙りマグロは伊根マグロのヨコワ(未成熟のクロマグロ)でしょうか、脂は乗りつつもしつこくないサッパリとした味わいとなっています。炙られたことで生にはないコクのある味わいと香りも楽しめました。白身魚やブリ、なめろうなど、さまざまな魚介類を味わえて、いくら食べても飽きることがありません。ついついご飯も進むのですが、出し茶漬け分のご飯を残さないといけないので慎重に食べ進めました。
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出し茶漬けセットが運ばれてきました。急須のカツオダシと、ゴマダレであえられたタイの刺身2切れです。これでタイ茶漬けをいただく寸法で、海鮮丼とタイ茶漬けを一度に味わえる相当贅沢な丼と言えるでしょう。では残ったご飯にタイを乗せてアツアツのダシをかけていただきます。
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タイの刺身に熱いダシがかかって、薄ピンク色の半生状態のタイもおいしい。焙じ茶や番茶が主流の京都のお茶漬けは軽食感覚なものの、出し茶漬けはもうご馳走レベルで立派な料理です。ズルズル・サラサラ食べているとアッという間になくなって悲しいのが唯一の欠点でしょうか。食欲がなくてもズンズンと食べられるおいしさで、ウッカリ食べ過ぎに気をつけないといけないぐらいです。京都市内でおいしい鮮魚を食べたいときは、こちらで手軽に京都府の海の魚介類を味わってみてはいかがでしょうか。
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こちらの「伏見納屋町小路」もある「納屋町商店街」は、残念ながら知名度はそれほど高くなく、「伏見大手筋商店街」に含まれていると勘違いされている人も少なくありません。しかし「伏見大手筋商店街」とは異なり、アーケードもパリのアーケード「パッサージュ」をイメージしてデザインされているそうです。また、すぐ南にはアーケードがない「竜馬通り商店街」と接続されているなど、商店街巡りも楽しみの1つでしょう。さまざまな飲食店を食べ歩くことも可能ですので、近くで居酒屋をお探しの場合は「納屋町商店街」の「伏見納屋町小路」もオススメですよ。
[2022年11月10日訪問]
海の京都 魚・魚・魚
●住所…京都市伏見区納屋町118 伏見納屋町小路8号(Google マップ)
●TEL…075-621-7555
●定休日…月曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…Instagram
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