餃子・酒場 味の道
日本でも新型コロナウイルスの感染拡大は未だ収束していないものの、緩やかにではありますが社会生活は落ち着きを取り戻しつつあります。最近では国産初の新型コロナウイルス治療薬が開発されるなど、その脅威はいずれインフルエンザ並になるのでは?と期待する人も少なくないようです。ただ、日本と同じく新型コロナウイルスの感染が広がっている中国では共産党指導部が「ゼロコロナ政策」を推進して抑え込みを図っており、「ゼロコロナ政策」の厳しい規制の結果、中国の政治体制では珍しく民衆のデモ活動が活発化していると報道されています。管理人の個人的な感想ですが、中国の人々の国民性として日本人以上に“強いバイタリティ”を持っていることでしょうか。日本がまだ倭・大和と呼ばれていた大昔から内乱に続く内乱を経て、生き抜く知恵とメンタルが中国人のDNAに刻み込まれてきたのかも知れません。都市部では世界一を伺うほど経済発展が目覚ましい一方、地方では貧困から脱却できない人々も多数存在し、チャンスを海外に求めるケースも多いように感じます。管理人などは小心者の日本人の典型で、海外に居を移してビジネスをするなど想像すらできない冒険なのですが、現在では京都でも多くの中国人が来日し、当たり前のようにビジネスを展開されているようです。そこで今回は、京都市のチャイナタウンとして在日中国人が多い叡電「元田中駅」周辺や地下鉄「竹田駅」周辺ではなく、京都市のグルメスポットとして近年注目を集めている西大路四条、阪急「西院駅」近くにある、中国の人が経営・調理している大衆中華料理店をREPORTしてみました。
四条通と西大路通の交差点(西大路四条)を西へ590mほど行き、西小路通を南へ400m、高辻通を西へ170mほど行ったところにある中華料理店「餃子・酒場 味の道(ぎょうざ・さかば あじのみち)」。2020年(令和2年)3月に開業されたまだ新しいお店で、管理人もお店の前は頻繁に通っていたものの、これまで訪問できていませんでした。阪急「西院駅」または嵐電「山ノ内駅」から徒歩13分程度の場所にあり、近隣にはコインパーキングが多いこともあって知る人ぞ知る的な、ちょっとした穴場店の様相となっています。お昼の営業時間は11時〜14:30、夜は17時〜23時と、どちらかと言えば夜に中華居酒屋としての利用が多いのかも知れません。とは言え昼に店頭を通った際には自転車やバイクが停まっていることも少なくなく、ご近所さんが利用されている雰囲気を感じられます。時刻は11:40、早速店内へ入ってみましょう。
かなり広めの店内には6名程度座れる小上がりの座敷が2卓と半個室風の4名ボックス席に加え、カウンター席もあり、お一人様でも使いやすいと感じました。さすがに12時前でしたのでお客さんは幼児を含むファミリー1組だけでしたが、12時を過ぎると幼児を含むファミリー層が3組ほどと、お一人様数名が来店。やはりご近所の人が多い感じで、ママ友コンビの会話から“○○ちゃんのお母さんもここをよく使っている”と聞こえてきました。訪問したのが土曜日でタマタマかもですが、幼児連れファミリーのお客さんが多く、小さな子どもを連れていても安心して利用できるお店のようです。平日ならランチ目当てでオッサン男性のお一人様も多いと思うのですが。まずはランチメニューから確認してみましょう。
「お得な定食メニュー」は¥1,000前後、ラーメンと炒飯・丼それぞれ10種類から選べる「お得なラーメンセット」¥880、さらに平日限定の「日替りランチ」¥750と、相当にリーズナブルな料金設定です。特に「お得な定食メニュー」は20種類、子ども向けの「お子様定食」¥580も用意されていて、充実のラインナップ。さらにプラス¥300でスープを6種類のラーメンのいずれかに変更できるなど、ガッツリ派の人にもうれしい柔軟性を備えています。夜の「お得な定食メニュー」はプラス¥100となるようで、お一人様でも夕食を取りやすいのも高ポイントでしょう。この定食類の多さはさすが中国人のお店です。あくまで管理人のこれまでの経験ですが、中国人とインド・ネパール人のお店はとにかくメニューが多い印象があります。今回は「豚トロ定食」¥950のスープを「台湾ラーメン」合計¥1,250に変更して注文。“「台湾ラーメン」って何ぞや?”と疑問に思われる人もいらっしゃるでしょうが、“台湾ラーメン”や“台湾風ラーメン”と表記されている場合、ほとんどのお店で挽き肉とニラを具材としたピリ辛スープの麺、と思っておけばほぼ間違いありません。では注文を終えたところでグランドメニューも確認しますが、メニューの写真をこれでもか!と掲載しますので、ご覚悟を。
本当にこれほど大量のメニューを作れるのかと薄っすら疑問に感じるほどのメニュー量となっています。お手頃価格の町中華メニューがメインながら「北京ダック」¥1,980や「アワビ煮込み」¥4,800、「フカヒレ煮込み」¥5,800といった高級中華料理店でないとまずお目にかかれない本格的な料理まで、メニュー量は圧巻の一言。そもそもこれだけのメニューに対応する食材を常に仕入れていること自体、どのようなカラクリで実現できているのか見当もつきません。近くに“「業務スーパー 西院店」があるので、ひょっとしてオーダーが入ったらお店の人が業務スーパーに走って冷凍アワビやフカヒレを購入しているのでは…”と妄想を抱く始末。さすがにそんな面倒なことはしないでしょうが、業務スーパーは中華食材や調味料がなぜだか驚くほど豊富で飲食店関係者もよく利用されていますので、まだ行ったことがない人は近くの店舗を覗いてみられてはいかがでしょうか。
「豚トロ定食+台湾ラーメン」が到着。何ですか、このボリュームは。スープを「台湾ラーメン」に変更したのはやってしまったかも…と、少食の管理人的にはちょっと後悔。スープからプラス¥300で変更した「台湾ラーメン」もフツーに一人前サイズなうえ、副菜扱いの鶏唐揚げと春巻きだけですでにメイン料理の風格なのですもの。漬物(ザーサイ)や杏仁豆腐まで付いて¥950、スープをラーメン各種に変えても¥1,250は思った以上にリーズナブルではないでしょうか。管理人は日々ダイエットにいそしんでいるワケですが、もはやダイエットとは一体何なのか?また、病院診察時に若いシュッとした感じの主治医から50歳を超えてもなお叱られるか?と恐怖に震えながら、スープ代わりの「台湾ラーメン」からいただきましょう。
挽き肉の肉味噌とニラの風味、そしてピリ辛のスープが、幅広の縮れ麺と良く絡んでおいしい。寒い季節にピリ辛スープは最高です。またニラは葉物野菜の中でも栄養価が高く、ニラの効能だけで1本の記事が作成できるほど。と、何とかしてニラのチカラでこの食べ過ぎをチャラにしてやろうと考えたのですが、さすがにこの量のニラには重責に過ぎるでしょう。それにいくら健康食材として注目されているニラであっても、摂り過ぎは胃腸の調子を崩したり、ニラの不溶性食物繊維により便秘を誘発ことにもなりかねません。とは言え健康食材であることは間違いなく、1日100g(約1束)を目安に摂取すれば、1日に必要な緑黄色野菜の摂取量の8割まで満たすという説もありますので、積極的に食べたい野菜ではあります。そもそも厚生労働省の健康日本21(栄養・食生活)で提言されている1日あたりの野菜の摂取量は平均350g以上、その中で緑黄色野菜は120g以上を目標と定められていますが、よほど厳格に食生活を管理されている人でもない限り、まずムリな数値でしょう。管理人はムリです。ザックリと試算するとキャベツの千切り1/4玉(芯を除いた状態)でおおよそ250g、緑黄色野菜ならニラ1束、ほうれん草1/2束で約100gとなりギリギリクリアレベルぐらい。毎日キャベツ1/4玉とニラ1束またはほうれん草半束なんて管理人の食生活では絶対達成していませんが、野菜好きなら案外大丈夫ではないでしょうか。野菜に米や小麦を含めてくれるか、野菜ではなく肉や魚なら1日350g以上は管理人でも超ヨユーなのですが。
副菜の鶏唐揚げも1個とは言え、乳幼児の拳骨サイズです。鶏モモ肉にニンニク醤油風味の下味も付いている町中華の王道唐揚げでマズいワケがありません。この大きな唐揚げと春巻、キャベツの千切りが付いて副菜だけでもボリューム満点。メインの一皿と勘違いしてしまいそうです。今回は注文しませんでしたが、もし「お得な定食メニュー」の「鶏肉の唐揚げ定食」¥980にしていたら、副菜は大きな鶏唐揚げではないのでしょう。メニュー写真を見る限りでは揚げ餃子のようですので、鶏唐揚げカブりの心配はなさそうですね。
メインの「豚トロ」は塩ダレベースの黒胡椒炒めです。少し厚めの豚バラ肉とタマネギ、そしてたっぷりのニンニクで炒められたシンプルながら間違いのない逸品。豚肉+タマネギ+ニンニクの組み合わせは、どう調理しても裏切りません。豚バラ肉のコクと甘みにタマネギの甘み、ニンニクの風味で濃厚コッテリを予感させますが、食べてみると実はそれほどクドくなく食べやすい。塩ダレと黒胡椒の味付けが効いています。これが醤油ベースの甘辛い味付けだったら、食べ進むにつれて少ししつこさを感じているでしょう。付け合せのキャベツの千切りとの相性も抜群で、ご飯のオカズにはもちろん、ビールなどのアルコール類ともピッタリな炒めものです。今回は意図せずデカ盛り店REPORT状態となってしまいました。¥1,000前後の価格とコスパ大満足の各種定食が豊富にラインナップされています。お一人様でもファミリーでもグループでも重宝する使い勝手の良いお店ですので、中華ファンなら一度試してみられてはいかがでしょうか。
[2022年12月3日訪問]
餃子・酒場 味の道
●住所…京都市右京区西院日照町73(Google マップ)
●TEL…075-314-6555
●定休日…年中無休
●備考…喫煙可
●ホームページ…なし
※詳しくは出前館「餃子・酒場 味の道」でご確認ください。
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