SPICE JUNKY
お正月気分もそろそろ抜けて日常生活が戻ってきました。年末年始はご馳走を食べる機会が増えるため、1月はつい何となくご馳走を食べ続けてしまいがちですが、そんな生活ではお財布が破綻します。日常生活に復帰するためには日常食、つまり普段の食事です。普段の食事と言えば人によってそれぞれ異なるとは思うものの、もはや国民食とも呼ばれるラーメンやカレーライスなどは老若男女を問わず馴染み深く、いつでもどこでも簡単に食べられるメニューと言えるでしょう。当ブログでも管理人が好物のため欧風カレーのお店を多くREPORTしており、2023年(令和5年)初のカレーを食べようと考えました。ただし、欧風カレーではありません。よりヘルシーで本場・インドのカレーを元に作られているインドカレーです。インドカレーのスパイスは漢方薬の素材となっているものも多く、常に健康面での不安を抱える中高年にはうってつけ。しかも根拠はないながら何となくヘルシーなビジュアルなのもうれしく、インドカレーやスパイスカレーの専門店では多くの女性が集まっています。ケーキなどのベツバラ系スイーツは別として、外食では女性に人気の飲食店の方が、アブラでギットギトのオッサンが集まるお店よりもカラダに良さそう、というのは偏見でしょうか。いいえ、男女の平均寿命をみても明らかです。そこで今回は、女性客も多いカレー専門店を求めて、京都市内のカレー激戦区である円町へ向かいました。
丸太町通と西大路通の交差点(円町)を西へ370mほど行ったところにあるカレー専門店「SPICE JUNKY(スパイスジャンキー)」。こちらは2020年(令和2年)8月にオープンされたお店で、和食店での勤務経験がありインド人シェフにカレーを教わられた女性店主おひとりで切り盛りされています。円町エリアにはなぜかはわかりませんがカレー店が多く、「円町カレーフェスティバル2023 円町めっちゃカレーの街」という1ヵ月間のイベントも開催予定で、こちらも参加店として名を連ねておられるようです。円町エリアは立地的にビジネスパーソンだけでなく、近隣に花園大学があり学生も多い街のため、カレーで盛り上がっているのかも知れません。こちらは現在、11:30〜15時までの営業で、水曜日のみ17時〜20時の夜営業もされています。時刻は13:50、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。
日替わり?のカレー3種類が基本で、そこにあいがけやトッピング、ドリンク類も用意されています。こちらのカレーは小麦粉を使わないインドカレーで、そこが欧風カレーとは決定的に異なるポイントです。欧風カレーなどの一般的なカレーは小麦粉でトロミをつけるのが常道で、市販のカレールーにはほぼ必ず小麦粉が含まれているため、必要量をポトンと入れるだけでアラ不思議、最適なトロミのカレーができあがります。ただ、小麦粉と油脂をベースとした市販のカレールーのカレーは、それこそ飲み物のように自然と意識せず小麦粉と油脂を摂取することとなり、実は健康面ではあまりよろしくないのだとか。ダイエットには天敵です。本場のインドカレーの場合、小麦粉を使われていないことの方が多く、小麦粉など炭水化物の過剰摂取を抑えられそうです。もっとも、せっかく小麦粉不使用のインドカレーでも、ナンやライス、パンを欲望のおもむくままに食べてしまってはあまり意味がないような気がしないでもないのですが。では店内へ入ってみましょう。
カフェのような清潔感があるオシャレな店内は2名テーブル席1卓とカウンター4席のコンパクト仕様となっています。やはり女性に人気のお店のようで、若い女性のお一人様2名と若い男性のお一人様1名が食事をされていました。席数の関係からもお一人様こそ入りやすい雰囲気でしょう。花園大学近くということもあり、若い男女が多い印象です。管理人のようなオッサンには似つかわしくないかも…と思われる人も少なからずいらっしゃるでしょうが大丈夫、先生のフリをしましょう。オッサンは学生にとっては人生の先輩であり社会の先生なのですから、先生のように堂々と振る舞っても問題ありません。オッサンは決して忌むべき存在ではないハズです。若者よ、聞くが良い。今はキラキラしていても、いずれは例外なくショボクレていくのだと。と、全オッサンに代わって若者に理不尽な説教をしたところでメニューを決めます。REPORTする以上、3種類すべてのカレーをいただける「あいがけ A+B+C」¥1,400でしょう。訪問日のカレー3種類は「A.三種の豆と法蓮草」¥900と「B.骨付チキンレッグ or 国産牛すじ肉と大根」¥1,200、「C.海老のココナッツ」¥1,300でした。Bはどちらかを選ぶカタチとなり、本来ならよりインドカレーらしい「骨付チキンレッグ」なのでしょうが、タイミング悪くたまたま前日にチキンレッグのカレーソース煮を食べたばかりでしたので、「国産牛すじ肉と大根」をチョイス。ちなみに注文時、パクチーのアリナシを尋ねていただけますので、パクチーが得意でない人も心配いりません。管理人は息を吐くように“ナシでお願いします”と力強くお伝えいたしました。
「あいがけ A+B+C」が到着。真ん中が「A.三種の豆と法蓮草」、右が「B.国産牛すじ肉と大根」、左が「C.海老のココナッツ」となっています。スパイスやハーブなどの香りが豊かで、付け合せも含めて欧風カレーとは同じカレーと言えどもはや別の料理です。そしてライスがバスマティ米なのも本場インドらしい。バスマティ米とはインディカ米(長粒種)の1種で、世界的に高級米として扱われています。香り米の一面もあり“香りの女王”というヒンディー語(インドの公用語)が由来なのだとか。日本の米とは異なり水分量が少ないため、トロミがないサラサラとしたカレーとの相性も抜群です。加えてバスマティ米やカレーの香りが渾然一体となって、エキゾチックなインドカレーを楽しめるでしょう。自宅では再現できない風味や芳香に酔いしれながら、まずは「A.三種の豆と法蓮草」からいただきます。
オォ、スパイスが効いていてピリリとした爽やかな心地いい辛味です。とは言え辛さ度合いはさほどではなく、子どもでも人によっては問題ないレベルかも知れません。豆の甘みと法蓮草の味がカレーと良く合っています。野菜たっぷりで罪悪感なくいただけるのも高ポイント。インドやネパール料理で豆のカレーが定番なのもうなずける、家庭的なホッとするやさしい味わいです。野菜嫌いな人でもカレーの魔力で食べられるのではないでしょうか。
次に「B.国産牛すじ肉と大根」をいただきます。とにかくたっぷりのトロットロ牛すじ肉とカレーが最高です。危うく大根の存在を忘れてしまうぐらい煮込まれていて、しかも牛肉にマッチしたカレーとなっています。3種類のカレーの中では最も欧風カレーに近い味わいながら、スパイスやハーブが洋食にはない別物のおいしさだと感じました。トロットロの牛すじ肉の脂の甘さ、肉の旨味をしっかりと堪能できます。インドのカレーには本来、インドで最も信仰されているヒンズー教の戒律により牛肉はほぼ使われません。しかしヒンズー教で神聖視されている牛は白いコブ牛で黒い水牛は別という説や、インド国内に2億人以上いるヒンズー教徒以外の人は牛を食べていることもあり、インド国内でも牛肉は消費されているそうです。そして牛肉のカレー料理も存在するのだとか。たま〜にインド出身シェフのインド料理店で牛肉のカレーを目にすることがあり不思議に思っていましたが、牛肉のインドカレーの謎が少しつかめたような気がしました。
そして「C.海老のココナッツ」。このエビの旨味が際立っています。エビとココナッツのカレーと言えばタイのカレーを思い浮かびますが、こちらのカレーもインドというよりはタイに近い味わいです。カレーの本場はインドを中心にスリランカやネパール、パキスタンなど西アジアと考えがちなものの、タイやベトナムなど東南アジアももう1つのカレーの本場と言えるでしょう。3種類それぞれ違うおいしさのカレーを一挙に楽しめる「あいがけ A+B+C」は、特に初めて訪問される人にはオススメします。洋食店などの欧風カレーや自宅で作る家カレーもおいしいですが、本場のカレーはスパイスやハーブの鮮烈さと風味が格別です。管理人のような欧風カレー好きでも新たなカレーの魅力を再発見できますので、円町エリアにお越しの際には、こちらをはじめさまざまなお店でおいしいカレーを食べ歩いてみてください。
[2023年1月11日訪問]
SPICE JUNKY
●住所…京都市中京区西ノ京伯楽町22-10(Google マップ)
●TEL…070-4378-5575
●定休日…月曜日および火曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…Instagram
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