京都餃子テツノイタ
京都市は餃子の名店が多数存在する餃子大国です。昔ながらの町中華店は一部エリアを除いておおむね減少傾向にあるものの、餃子専門店は増加しているように感じます。京都人にとって馴染み深い焼き餃子と言えば京都発祥で日本最大のメガ中華チェーン店である「餃子の王将」の餃子でしょう。「餃子の王将」の餃子を基準としていることもしばしばで、“○○の餃子は皮が薄い”や“△△の餃子は小さい”などは、「餃子の王将」の餃子と比較している場合が少なくありません。本場・中国本土や香港などでは餃子と言えば水餃子や蒸し餃子がメジャーで、焼き餃子はマイナー選手に甘んじているそうですが、日本では立場が逆転します。プロ野球選手に例えればアメリカの万年マイナーリーグの選手が来日して助っ人外国人選手になった途端、打つわ打つわで不動の四番打者、日本一の原動力になるようなものでしょうか。一方、アメリカのバリバリのメジャーリーガーが日本のプロ野球ではサッパリ打てず守れずヒッソリ帰国する例も数え切れないほどあり、日本の水に合う合わないが明暗を分けるのでしょう。焼き餃子も日本人に合っていたと考えられます。そんな日本人が大好きで京都の隠れた?B級グルメの焼き餃子が評判の1軒をREPORTしてみました。
高辻通と天神川通の交差点(天神川高辻)を西へ800mほど行ったところにある「京都餃子テツノイタ(きょうとぎょうざ てつのいた)」。こちらは2020年(令和2年)12月に開業されたお店で、河原町三条と四条河原町のほぼ中間地点の西木屋町通近くにあった鉄板焼・お好み焼き店の「テツノイタ」が現在地に移転、餃子専門店としてリニューアルオープンされたお店です。以前のお店にも鉄鍋餃子は提供されていたものの、あくまで数ある一品料理の1つでした。当時から人気メニューだったため、移転を機に餃子に絞ったお店へと業態転換されたのでしょうか。ある意味では餃子に勝負を賭けられた勇気ある決断が功を奏し、現在では餃子の人気店としてイートインだけでなくテイクアウトや通販でも多くのお客さんがこちらの餃子に舌鼓を打たれているそうです。こちらは嵐電「太秦広隆寺駅」または阪急電鉄「西京極駅」から徒歩22分と、交通アクセスは良いとは言えないものの繁盛されています。また、店頭に駐輪は可能で駐車場はない代わりにイートインなら近隣コインパーキング利用で飲食代金から割引も受けられるなど、車やバイクならさらに訪問しやすいでしょう。昼の営業時間は11:30〜ラストオーダー14時、夜は17時〜ラストオーダー20時となっています。時刻は13:20、まずは店頭の自動販売機を確認してみましょう。
冷凍生餃子の自動販売機です。定番の「冷凍生餃子(18個)」¥1,010とニンニク不使用の「冷凍大葉生餃子(18個)」¥1,100の2種類が用意されています。自動販売機ですので24時間購入できるのは便利でしょう。ちなみに営業時間内であれば調理済みの焼き餃子や冷凍ではない生餃子は提供されていて、管理人が訪問中も何名かのお客さんがテイクアウトをされていました。では店内へ入ってみましょう。
カウンター6席程度、小上がりの座敷には4名ほど座れるテーブルが4卓の店内。清潔感もあり、女性のお客さんも多い感じです。入店時は平日の13:20にも関わらず座敷は満席、カウンター席ではお一人様のお客さんが食事をされていて繁盛っぷりが伺えます。立地的に地元の人や常連客がメインなのでしょうが、関西ローカルのテレビ番組や京都の情報誌などのメディアでも登場されているため、餃子好きな人々が集まっているのかも知れません。ではメニューを確認してみましょう。
餃子を中心とした定食メニューが充実しています。餃子をオカズにご飯を食べたい場合は、ライス(大盛サービス)・スープ・しば漬けが付く「餃子定食ダブル」¥830や「餃子定食トリプル」¥1,050、焼飯と餃子を楽しみたいなら「焼飯餃子定食」¥890(ダブル:¥1,190・トリプル:¥1,390)がオススメです。そしてこちらの「ソース焼きそば」¥850も評判が高く、管理人もメニューを見た瞬間、餃子以上に「ソース焼きそば」を食べたくなってしまいました。ソース焼きそばはお好み焼き店や鉄板焼店はもちろん、定食店・食堂や喫茶店、露店など多くの飲食店で幅広く提供されているだけでなく、カップ焼きそばやチルド焼きそばなど自宅でも頻繁に食べられ万人に親しまれているメニューです。おそらく食べたことがない日本人はいないのでは?と思うほどの日本固有の麺メニュー。管理人は普段、特にソース焼きそばへの思い入れはないものの、年に2、3回ほどなぜか突如ムショーに食べたくなるのです。そして今回は、まさにこちらのメニューを見た瞬間、ソース焼きそば食べたい病に罹ってしまいました。病気?ですのでこうなるともう抑えが利きません。ただ、今回は当ブログのREPORTで訪問しているため餃子は当然マスト。そこで熟考した結果、「焼きそばライスセット(ライス[大盛サービス]、スープ、しば漬け)」¥1,000と「餃子1人前(6個)」¥336に決めました。
まず「焼きそばライスセット(ライス[大盛サービス]、スープ、しば漬け)」が到着。ソース焼きそばをオカズにホワイトライスを食べるのは粉モン好きの関西人だけ、とテレビ番組などでさんざんネタにされている定食です。が、ソース焼きそばの味付けによっては十分ご飯のオカズになると個人的には考えています。こちらの「ソース焼きそば」は注文時にマヨネーズの有無を選べ、ライスも大盛りをチョイス可能です。管理人は大盛り禁止を自らに課しているプロのダイエッターですので写真のライスは普通盛り。エッ?ご飯がコンモリしているけど??と思われるでしょうが、断じて普通盛りです。管理人は生まれてから今に至るまでウソをついたことがありません。そして人を疑う人が最もキライです。もう、おわかりですね。“この写真のライスは普通盛り”が全人類の共通認識となったところでスープをひとすすり。優しい味わいの身体が温まる中華スープです。プラス¥100で「スープ餃子」に変更できるのですが、ソース焼きそばにテンションがアガってしまってウッカリ忘れていました。このスープなら水餃子でもきっとおいしいだろうなぁ…と失敗に少し気落ちするも、再度テンションをアゲるため待ちに待ったソース焼きそばをいただきます。
もうおいしい確定のビジュアルです。目玉焼きも付いて完璧なソース焼きそばでしょう。具はキャベツと豚肉、青ネギ、紅ショウガで大ぶりでたっぷりのキャベツの甘みと豚肉の旨味がうれしい。ソース焼きそばは具が貧弱なものも少ないないもののほとんど麺、というソース焼きそばは満足感が薄いと感じてしまいます。自宅で野菜や肉を欲張って作るもはや肉野菜炒めの麺入りのような焼きそばも別の意味で問題ですが、外食の焼きそばで具がチョッピリなのはやはり悲しい。食べごたえのある豚肉とキャベツがあってこそ麺も際立つと思います。麺はモッチモチで弾力もあり、かなりのこだわりが感じられる食感と味わい。濃いめで甘さ強めのソースとの相性も抜群です。マヨネーズや目玉焼きの黄身をちょっと付けて食べると味変になり、もう止まりません。これならビールなどのアルコール類、そしてホワイトライスのお供にも最高でしょう。ソース焼きそばのおいしさを改めて実感できた逸品でした。
そして本来の主役である「餃子1人前(6個)」です。ちなみにイートインではニンニク不使用の「大葉生餃子」はメニューになく、いただくことができないようです。管理人は大葉も好きなので食べてみたかったため、またタイミングをみて訪問し、自動販売機の「冷凍大葉生餃子(18個)」を購入して自宅で試してみる予定です。メニューにあった「おススメ餃子の食べ方」では【1.そのまま食べる】→【2.酢醤油に辣油を入れて食べる】→【3.酢に胡椒を入れて食べる】→【4.酢醤油にカラシを入れて食べる】→【5.酢に柚子胡椒を溶かして食べる】の、1〜5までの食べ方を推奨されています。ただ今回、餃子は1人前(6個)だけの注文ですべてを試してもキチンとREPORTできる自信がなかったこともあり、今回は1・2・3でいただくことにしました。
まず【1.そのまま食べる】をパクリ。アツアツをハフハフしながら、薄皮の香ばしさとトゥルントゥルン感、そして餡の旨味がしっかりとわかります。豚肉とキャベツやニラの濃い味わいにニンニクがガツンと効いた、これぞ焼き餃子と言えるおいしさでしょう。何も付けなくても十分においしい。が、しかし。王道の【2.酢醤油に辣油を入れて食べる】で考えが改まります。これはもうご飯のオカズとして最強レベルです。やはり先人たちの知恵である酢醤油ラー油は、焼き餃子のレベルを1ランクも2ランクも高めると実感しました。例えるならスッピン美人が化粧をしてより美しくなる、といったほぼほぼセクハラでしかない感想でしょうか。逮捕されるかも知れない危険な表現ながら、酢醤油ラー油の偉大さをお伝えしたかっただけで、もうしませんのでお許し願います。そして最近流行の【3.酢に胡椒を入れて食べる】。これは餃子そのもののクオリティが試されます。酢の爽やかさと胡椒のスパイシーさを受け止められるだけの餃子の旨さが必要で、こちらのような本格的な餃子でこそ成立する味わい。アルコール類のツマミなら酢&胡椒がベストアンサーなのかも知れません。そしてどの食べ方であっても餃子自体の味が重要で、さすがは専門店クオリティの餃子だと思いました。餃子好きならぜひ試していただきたいお店です。お近くまで来られた人ならイートインやテイクアウトで、遠方の人はホームページ上から購入できますので、こちらの餃子をぜひご賞味ください。
[2023年2月2日訪問]
京都餃子テツノイタ
●住所…京都市右京区梅津石灘町49(Google マップ)
●TEL…075-757-7508
●定休日…月・火・水曜日
●備考…禁煙
●ホームページ/Instagram/Facebook
※さらに詳細は食べログ「京都餃子 テツノイタ」でご確認ください。
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