まんぷく食堂 金閣寺 きぬ
春眠暁を覚えずという一節があります。暖かくなった春は気候も良く、眠気を誘うとの意味でしょう。そもそも人間にある「三大欲求」、すなわち「睡眠欲」・「食欲」・「性欲」が生きるうえで重要な欲なんだとか。人にはさまざまな欲があり、夢があります。崇高な理念をおもちの人は“世界平和”や“良き国づくり”の実現を願い、経営者なら“利益拡大と社員や株主の利潤追求”など、立派な夢を描いておられるのではないでしょうか。凡人の管理人は“できるだけ働かずお金持ちになりたい”というささやかな夢はあるものの、まったく願う気配すらなく、このまま人生を終えてしまいそうです。ただ、「三大欲求」ぐらいは叶えたい。とは言え、睡眠欲を満たすにはそれなりに自由な時間が必要でしょうし、性欲は満たすにはそれなりにモテないといけないため、実際にはハードル高め。一番手っ取り早いのは食欲でしょう。そこで今回は、誰もが満腹になるであろう、金閣寺近くのカジュアル洋食店へ向かいました。
京都市道衣笠緯40号線(通称:氷室通)と西大路通の交差点(衣笠北天神森町)を西へ220mほど行き、京都市道183号衣笠宇多野線(通称:木辻通、きぬかけの路)の交差点(衣笠馬場町)を南へ130mほど行ったところにある洋食店「まんぷく食堂 金閣寺きぬ」。このエリアは金閣寺だけなく平野神社や北野天満宮などに近い観光スポットで、さらに立命館大学衣笠キャンパスなどにも近いため、学生が多い地域でもあります。観光地かつ学生街ですので飲食店も数多く、さまざまなグルメを楽しめるでしょう。こちらは地元の人や観光客だけなく、学生にも人気のお店です。現在の営業時間はGoogle マップの記載によれば、日曜日は12時〜18時、月曜日は11:30〜16時、その他は11:30〜18時でいずれも通し営業と、遅めのランチにも対応されています。時刻は14:30、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。
食品サンプルでもわかるようにボリューミーな定食各種などが用意されています。特に「はみだしチキンカツ定食(ご飯、汁物、漬物付)」¥980は、ビッグサイズのチキンカツのインパクトがスゴい!¥1,000未満でこのボリュームはさすが“まんぷく食堂”でしょう。また、テレビ番組など各種メディアでも紹介された「山椒ハンバーグ定食」¥1,350も気になります。京都人は山椒をこよなく愛していますので、京都らしいハンバーグではないでしょうか。テイクアウトならさらにリーズナブルなメニューが目白押し。弁当各種をはじめ¥600〜¥700と、お手頃価格でラインナップされているようです。では店内へ入ってみましょう。
4名テーブル席4卓と6名テーブル席1卓の店内は清潔感もあり、女性も利用しやすい雰囲気です。カウンター席や2名テーブル席はないものの、12時〜13時のランチタイムをはずせば比較的すいているため、お一人様でも安心。観光地にはあまり存在しない、街の手軽な定食店として使いやすいお店です。それでは改めてメニューを確認してみましょう。
やはり学生街のお店だけあって人気No.1メニューは「はみだしチキンカツ定食(ご飯、汁物、漬物付)」です。国産の鶏もも肉を200g使われているチキンカツの定食が¥1,000未満ですから、ハラペコな若者には最高ではないでしょうか。また、こちらの近辺は、京都人がこだわりまくっている豆腐の製造が盛んな地域でもあるからでしょうか、「京の湯豆腐定食」¥1,500も目にひきます。京都市内で製造されている豆腐はホンマモンの京都人にとってはソウルフード以上の食材ではないでしょうか。そんなキメの細かいなめらかながら大豆の旨味をしっかりと楽しめる京都の豆腐、しかも冷奴よりも豆腐の味がわかる湯豆腐は、京都観光のついでにぜひ食べていただきたい。そして管理人のように京都人のクセしてスーパーの¥100未満の豆腐しか購入しないエセ京都人も食べてみるべきだと思います。ただ、今回は「京の湯豆腐定食」のREPORTではありません。カジュアル洋食店らしく洋食、しかも関西の洋食店なら王様クラスのビーフカツをいただきたい。そこで「牛カツ定食チーズ風味」¥1,350です。全国的にはトンカツやポークカツが圧倒的にカツ界の王様なのは承知していますが、関西の洋食店ではビーフカツがカツ界の最上位。最近では関西の洋食店でもビーフカツを提供しているお店は少なくなってきて嘆かわしい限りなものの、理由は理解できます。まず、関西以外から来られた観光客や移住者などにとって、馴染みが薄い料理なのでしょう。絶対王者のトンカツがあるのに、なぜわざわざビーフカツ?と思われても仕方ありません。そして最大のネックなのが価格です。トンカツが¥1,000だとすれば、ビーフカツは¥1,500なら良心的、ヘタをすると¥2,000超も珍しくない、かなりの高級料理となっています。ビーフカツが大好きな管理人ですら“……トンカツを…くらさい…”と弱々しく注文せざるを得ない状況。しかしこちらの「牛カツ定食チーズ風味」は¥1,000ちょっとと超良心的。ギャル的表現に言い換えるとオニヤバです。¥1,350でビーフカツ、しかも単品ではなく定食であれば注文しないテはありません。さらにこちらでは定食のご飯大盛りが無料!さすがは“まんぷく食堂”、期待どおりです。早速「牛カツ定食チーズ風味」を注文してみました。
「牛カツ定食チーズ風味」が到着。写真では牛カツ部分が少なく見えますが、5切れほどの大きめな牛カツが立体的に盛られていて、実際にはかなりのボリュームです。カップサラダやスープ、付け合せのポテトサラダ、漬物も付いて¥1,350は超良心的、いわゆるオニヤバと断言しても過言ではありません。春らしい玉子スープやカップサラダをいただきつつ、本命の牛カツをいただきましょう。
うっま!!!まず何より牛肉が柔らかい。この価格のビーフカツなら間違いなく外国産の牛肉、しかもかなり固い部位を想像していたものの、適度な弾力がありつつ柔らかな赤身肉で食べやすい逸品です。そしてデミグラスソースがまたスゴい。ビーフカツに合う超濃厚なデミグラスソースとなっていて、ご飯のオカズとしても申し分ありません。そこにパルメザンチーズの風味とコクがプラスされ、¥1,000ちょっととは思えない贅沢さを感じることができました。やっぱりビーフカツはおいしい。もちろんトンカツもおいしいのですが、子どもの頃からビーフカツに親しんできた身としては、注文しづらい価格もあって、特別感が違うのです。ビーフカツに馴染みのない人も、ビーフカツがお好きな人も、こちらのリーズナブルな「牛カツ定食チーズ風味」を試してみられてはいかがでしょうか。こちらは何を食べてもおいしいと評判ですので、管理人的には全メニューを制覇したいお店だと実感しました。
[2023年3月19日訪問]
まんぷく食堂 金閣寺 きぬ
●住所…京都市北区衣笠総門町34(Google マップ)
●TEL…075-463-4479
●定休日…不定休?
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「まんぷく食堂 金閣寺 きぬ」でご確認ください。
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