キッチンぼ〜ちゃん
当ブログではラーメンやカレーライスを“日本の国民食”と呼ぶことが多いのですが、よく考えればラーメンやカレーライス以上に普及している料理があります。それは鶏の唐揚げ。中華店やラーメン店だけなく和食店や洋食店などの飲食店をはじめ、弁当店や惣菜店から、スーパーやコンビニといった食料品店まで、どこでも提供されている印象です。マチナカでは何かのグランプリで金賞を受賞した鶏の唐揚げのノボリやポスターも頻繁に見かけます。鶏の唐揚げをコロモを付けて油で揚げた鶏肉と定義すれば、フライドチキンも対象となりますので、日本で提供される料理ではブッチギリの1位になるのではないでしょうか。これほどお店で鶏の唐揚げが人気なのは、一定数はいらっしゃるであろう“自宅で揚げ物はしたくない”派の影響も大きそうです。家で揚げ物をすると高温となった油が気化して室内を汚す原因になるだけでなく、残った油は流しなどに捨てるのは絶対にNGで、液状のままでは可燃ゴミとして捨てることもできず、使用済み油の処理が面倒なのも、“自宅で揚げ物はしたくない”理由でしょう。揚げたてはムリでも調理済みや冷凍の唐揚げならレンチンで調理できるため、自宅で油を使って揚げなくても唐揚げを食べることができます。とは言え、揚げたての味には遠く及ばない、と管理人は思います。もちろんすべての調理済みや冷凍の鶏の唐揚げの試したワケではありませんので、ひょっとしたらレンチンで揚げたてレベルのクオリティをもっている鶏の唐揚げはあるかも知れませんが、調理済み・冷凍・自作からレンチンで揚げたてに匹敵するモノについて、少なくとも管理人は出会ったことがありません。レンチン唐揚げを食べていつも思うのは“油は偉大”だということ。少ない油で揚げ焼きにすればまだ揚げたてに近い味のモノはできなくもないのですが、それでもたっぷりの油で揚げた唐揚げとは比較にならないでしょう。“おいしい鶏の唐揚げを食べたいなぁ〜”と考えていたところ知り合いにとあるカジュアル洋食店の鶏の唐揚げがおいしいと教えてもらいましたので、今回はそちらへ訪問することにしました。
御蔭通と東大路通の交差点(田中里ノ前)を西へ100mほど行ったところにある洋食店「キッチンぼ〜ちゃん」。新旧さまざまな中華料理店が営業されている元田中エリアにあります。以前はたこ焼き店だったのがいつの間にか洋食店になっている…とは思っていたのですが、調べてみると2021年(令和3年)8月にオープンされたのだとか。叡電「元田中駅」から徒歩4分、京阪「出町柳駅」から徒歩9分程度とアクセスも便利です。昼の営業時間は11:30〜ラストオーダー13:30、夜は17:30〜ラストオーダー21:30となっていて、昼の営業時間ギリギリの13:15に到着したものの、数名が食事をされていて人気店のように感じました。満席ではなさそうでしたので、早速店内に入ってみましょう。
4名テーブル席1卓と2名テーブル席2卓のコンパクトな店内。ナルホド、もとはたこ焼き店ですので手狭なのも納得です。学生らしき若い男性2名組と男性のお一人様が食事を楽しまれていて待たずに着席できました。元田中エリアは近隣に京都大学や京都芸術大学などがあり学生街としても知られています。中華店だけでなくさまざまな飲食店が軒を連ねている飲食店激戦区。しかしリーズナブルかつ気軽に利用できる洋食店はさほど多くはないため、学生や地元の人にとっては重宝される1軒ではないでしょうか。では早速、ランチメニューを確認してみましょう。
スペシャルな「霜降り黒毛和牛料理」メニューが目をひきますが、1番人気は「鶏料理」メニューのようです。そしてこちらのメニューラインナップを拝見して直感的に“デカ盛りのお店だ”と気づきました。メニュー写真の盛りがとにかくスゴい。そしてトドメは「1,500円以上ご注文で すが薬局イチオシ 飲みすぎ・食べすぎ・もたれに効く 胃腸薬プレゼント!」の店内POPです。胃腸薬が必要なほどのデカ盛り?と、50歳オーバーの管理人はかなり焦りました。ただ、管理人は50歳を超えてなお胃腸には絶対の自信をもっていて、胃薬など飲んだことがありません。そもそも胃腸に自信のないオッサンは鶏の唐揚げなど食べません。こちらのシェフは中津唐揚げを全国に広めるため7年間、活動されていたようです。しかもイベントや百貨店の催事で中津唐揚げを販売し、1日に100万円以上を売り上げたことがあるとも。“中津唐揚げ”とは大分県中津市が発祥の鶏の唐揚げです。現在では全国に広まっていて大分県を代表するご当地グルメであり、中津市は「からあげの聖地」とも呼ばれていると耳にしたことがあります。一般的な鶏の唐揚げとの違いについて具体的にはよくわからないのですが、あくまで個人的に竜田揚げと唐揚げの中間のような軽めのコロモが特徴的かな〜?といった印象です。まぁ、絶対おいしいのは間違いのない味でしょう。今回はなぜか赤字で表記されている「中津唐揚げ&エビフライ定食」¥1,000を注文してみました。
「中津唐揚げ&エビフライ定食」が到着。“エッ?本当に¥1,000??”と驚くボリューム感です。大ぶりの中津唐揚げ2個に、これまた大ぶりなエビフライ2尾、野菜サラダもたっぷりで、しかもご飯のおかわりまでOKとのこと。最高です。¥1,000で提供されるレベルではありません。中津唐揚げだけ、エビフライだけ、でも十分¥1,000で通用する定食です。もうこの近くに飲食店を開業し、こちらの定食をテイクアウトして中津唐揚げ定食¥900・エビフライ定食¥900で販売する転売ビジネスをしようかと思ってしまいました。そんな悪だくみを思いつくほどボリューム満点でリーズナブルな定食です。ではお店ご自慢の「中津唐揚げ」をいただきましょう。
やはり鶏の唐揚げは揚げたてが一番です。カリッ&サクッの薄ゴロモで鶏モモ肉が思った以上にジューシー。ヤケドしそうなほどの肉汁が口の中にあふれます。別皿にマジックソルトが添えられているものの、ニンニク醤油ベースの下味が効いていて何もつけずともおいしい。ご飯のお供には言うまでもなく、ビールやハイボールなどのアルコールとの相性も抜群でしょう。2個とはいえ1個が乳児のコブシ大ぐらいあり、中まで完全に火がとおっていて、他にはない濃厚な鶏の旨味を味わえます。この味は小さくカットされた唐揚げではほぼムリ。揚げ加減も難しく、自宅では再現できない絶品唐揚げを堪能できました。
「エビフライ」もスゴい。まず、たっぷりとかけられたタルタルソースに、お店の心意気のようなものがヒシヒシと感じられます。ガブリとエビフライにかぶりつくと、揚げた香ばしいエビの旨味がたまりません。管理人は体感で2万回は“エビフライのエビは大きいほどおいしい”と必死に訴えてきましたが、誰からも共感を得られることはできませんでした。しかしくじけず、何度でも提言します。“エビフライのエビは大きいほどおいしい”のです。いくら上等なエビであろうと、ブランドエビであろうと、小さなエビはエビフライという調理法には不向きです。こちらぐらいの大きさのエビフライだと間違いなく、エビ味噌も楽しめる有頭エビならさらに完璧。しかし有頭エビのエビフライは高級店でしか提供されず、価格面を考えるとこちらの「エビフライ」はかなりのお値打ちです。「中津唐揚げ」・「エビフライ」単体でも十分においしいにも関わらず、このセットの定食が¥1,000は、相当に素晴らしいと改めて実感しました。鶏の唐揚げ好き、揚げ物好きなら絶対にオススメの1軒です。テイクアウトも充実していますので、中津唐揚げや洋食を気軽にお腹いっぱい楽しみたい人は、ぜひお立ち寄りください。
[2023年4月9日訪問]
キッチンぼ〜ちゃん
●住所…京都市左京区田中野神町6-12(Google マップ)
●TEL…075-888-8177
●定休日…月曜日
●備考…禁煙
●ホームページ/Instagram
コメント
い、胃腸薬くれるんですか?!
素敵なお店ですね☺
唐揚げも大きくて美味しそう!
メッセージをいただき、ありがとうございます。
直接お店の人に確認したワケではないのですが、
店内POPでの記載ですので間違いないハズです。
胃腸薬が必要なほどお腹いっぱいになるのはどうかとも思うものの、
お腹いっぱいは有史以来の人類の夢であり憧れですので、
ねろさんもぜひ中津唐揚げで胃薬をデザートに楽しんでみてください。
当ブログではデカ盛りはあまりREPORTしたくないのですが
熱く希望される愛読者が数名?おられますので、
忘れた頃にでもデカ盛り店をアップいたします。
今後とも末永くよろしくお願い申しあげます。