ナチュラルにデカ盛りな一乗寺の食堂・定食店

和食編
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せんなり

今回は本当に久々となる不定期企画・デカ盛り特集です。学生街などの飲食店でよく見かけるデカ盛り店ですが、お店としても当然デカ盛りを意識されていると思われ、最近であればインスタ映えなどSNSに投稿されて話題になるのを狙っているお店も少なくないでしょう。ただ、あくまで個人的な意見ですが、何となくヨコシマな感じがしないでもありません。もちろん飲食店を経営するにおいて多くの集客を目的とするのは当たり前で、イマドキであればSNSでの話題づくりが必須なのも事実です。しかし、長年の安定経営を実現されている昔ながらの飲食店では、SNSはおろかホームページすら存在しないお店も多数存在します。そのようなお店の特徴として、昔から地元の人に親しまれている場合がほとんど。フツーにおいしく、フツーに満足できる飲食店こそ、意図的に話題作りをしなくてもお客さんは自然と集まってくるように感じます。この管理人の説は大学の経営学部の先生など経営のプロからすればトンデモナイ世迷言だと切り捨てられるでしょうが、当ブログだけでも800店以上の飲食店を訪問してきた管理人の肌感では、チェーン店のように宣伝や広告などのPRをしなくても、ナチュラルにお客さんが喜ぶ食事を提供されているお店はやっぱり強い。そこで今回は、行列などはできないものの昔から何となくお客さんで賑わっている街の食堂・定食店をREPORTしてみました。

白川通北大路通の交差点(白川通北大路)を北へ400mほど行き、曼殊院道を西へ280mほど行ったところにある食堂・定食店「せんなり」。こちらは京都などの関西圏を中心に同じような店名がある食堂・定食店「千成食堂/千成餅食堂」の系譜に連なるお店で、当ブログでも以前に「千成食堂」をREPORTしています。ただ、支店とか系列店ではなく、そのほとんどが資本関係のない個人経営のお店で、一説には“千成という食堂で修行をした人々が各地で独立したお店”らしいのですが、真相は定かではありません。「千成食堂/千成餅食堂」の名がつく飲食店は京都市内では現時点で11軒存在し、うどん・蕎麦・丼を基本に定食類を提供するスタイルはほぼ変わらないものの、料理の種類や味は店により異なっています。こちらは学生の街である叡電「一乗寺駅」から徒歩2分程度で、しかも店舗の南西すぐのところに3台停められる専用駐車場も完備。公共交通機関でも車でもアクセスに便利なお店です。昼の営業時間は11時〜14:30、夜は17:30〜21時で、昼夜を問わずほどほどに混雑する人気店となっています。時刻は19:15、早速店内に入ってみましょう。

4名テーブル席6卓と2名テーブル席4卓の、意外と広めの店内。学生街ですのでヤング多めかと思いきや、若い人からミドル、シニアまで幅広い年代層のお客さんで7割程度の座席が埋まっていました。初めて入った飲食店でも、老若男女が利用されているお店にハズレはありません。なぜかは知りません。あくまで管理人の経験則です。こちらは古くから営業されていますが、清潔感があって若い人も利用しやすいでしょう。そしてお客さんの多くはお一人様で、ひとりでフラっと立ち寄りやすいのも特徴です。もちろんカップルやグループの利用も許されていますが、“50人ほど、結婚式の二次会で”など宴会では利用しないでいただきたい。なぜなら管理人のようなお一人様が入れなくなるからです。ではメニューを確認してみましょう。

うどんや蕎麦、丼を中心に定食類も充実のラインナップです。しかも洋定食各種や「カツカレー」¥910など、洋食も充実しているのがこちらの特徴でしょう。管理人は洋食が大好きなのですが、洋食店には大きく4種類に分かれるのをご存知でしょうか。まず一般的に洋食店と呼ばれるお店として、本格的でお高めの洋食店と比較的利用しやすい価格のカジュアル洋食店の2種類。絶対ではないものの、おおよその目安として、ビーフシチューやタンシチューなどデミグラスソースにこだわった洋食を一品¥1,500以上で提供されていれば本格派の洋食店、ハンバーグや揚げ物などを得意として一品¥1,500ぐらい以下で提供されていればカジュアル洋食店と考えてほぼ間違いないと思います。3種類目は喫茶店やカフェながら洋食に自信があるタイプのお店。京都市内ではかなり多い喫茶店やカフェのスタイルで、カジュアル洋食店と同様、気軽に利用できるお店がほとんどでしょう。そして4種類目がこちらのようないわゆる定食店。「焼き魚定食」や「オデン定食」のような和定食などとともに提供される洋食で、価格的には一品¥1,000前後以下〜と、最もリーズナブルとなっています。管理人はどの洋食も大好きなものの、特に4種類目の定食店の洋食は、アタリのときの感動がとても大きい。ハズレであっても“まぁ、別に…次はうどんでも食べるべぇ”的な感じで許せてしまうのです。そしてこちらは何を食べてもフツーにおいしく、フツーに満足できます。今回は定食店の洋食として「Aランチ(ハンバーグ・クリームコロッケ・魚フライ)」¥980を注文する予定だったのですが、こちらでは「本日の定食」が6〜7種類提供されていて、その中の「ミックスフライ定食(エビフライ・クリームコロッケ・ひと口カツ)」¥960に心を奪われてしまいました。こうなるともうガマンできません。当ブログではお読みになられた皆様がいつでも注文できるグランドメニューやレギュラーメニューをREPORTするよう心がけているものの、今回はオノレの欲望に負けてしまいました。管理人の心には一匹の魔物が棲んでいる、と諦めてください。では、当ブログをお読みいただいている皆様そっちのけで威勢よく「ミックスフライ定食(エビフライ・クリームコロッケ・ひと口カツ)」を注文してみましょう。

「ミックスフライ定食(エビフライ・クリームコロッケ・ひと口カツ)」が到着。最初にお断りしておきますが、ご飯の大盛りなどは頼んでいません。普通のご飯の1.5杯分、ヘタをすると2杯分近くはあるご飯ですが、これがデフォであり、こちらではナチュラルな量なのです。そしてメインプレートには大きめのエビフライ2尾とこれまた大きめサイズのクリームコロッケ1個、そしてひと口ではおそらく食べられないひと口カツ2個と、一般人ならナチュナルに胃もたれ確定のボリューム感となっています。さらに小鉢にはひじきの煮物、京都人風に言えばひじきの炊いたんと、小松菜の煮浸し、京都人風に言えば小松菜の炊いたんも付いて野菜もたっぷり。こちらの小鉢は京都らしからぬ濃いめ、イヤ濃ゆいめな味付けで、野菜のタイタンのクセにご飯が進む進む。思わず“ワンパクか!”とツッコんでしまいそうになるボリューミーで濃厚な定食です。ちなみにご飯は注文時に言えば「小」は¥20引き、「少々」は¥30引きとなります。もちろん“もっとご飯を食べたい”胃袋がバグってる人はプラス¥50で「大」に変更OKですよ。では揚げ物3種をいただきましょう。

どれも揚げたてでマズいワケがありません。このエビフライ2尾だけで¥980の定食としては合格点なのに、大きめのクリームコロッケも想像以上に本格的な味わいとなっていて驚きます。そして何より特筆すべきはひと口カツ。豚肉がとにかく柔らかい!この価格のひと口カツやトンカツは、大抵はお安い部位である豚のモモ肉を使われていることが多いのですが、こちらのひと口カツはヒレ肉?と思うほどの柔らかさです。豚のモモ肉がどのぐらい固いかと言えば、スーパーなどで最もお安く販売されている豚肉・豚コマを想像していただければわかりやすいかも知れません。豚コマはさまざまな部位の端材を集めています、というのは建前で、実際にはほぼモモ肉。豚コマを料理に使われる人はご存知だと思いますが、焼くなど火をとおすとかなり固くなります。最近の簡単に作れる料理レシピなどでは豚バラスライスが多用され、豚コマをあまり見かけないのは、単純に豚コマを柔らかくする調理工程が面倒だからでしょう。こちらのひと口カツは価格的にはモモ肉一択なものの、もしかしたら本当にヒレ肉なのかも知れません。…イヤ、さすがにこの価格でヒレ肉はおろかロース肉でも提供できないでしょう。こちらの店主が極端なドMで売るほどに赤字を出して歓喜する特異体質ならハナシは別ですが。そもそもそんなお店はすぐに潰れますから人の目には触れません。ただ、この内容で¥960は、ひょっとしたらひょっとしてドM特異体質?と心配になってしまいます。まぁ、長年営業されているので大丈夫なのだと信じたい。とにかく、ナチュラルにお安くお腹いっぱいおいしいものをいただける良店なのは間違いありません。久しぶりのデカ盛り店特集でしたが若者はもちろん、ミドルやシニアのお客さんにも人気のお店です。叡電「一乗寺駅」近くまでお越しの際にはぜひ¥1,000札を握りしめて、こちらの定食やうどん、蕎麦、丼などで、満足&満腹を体感してみてください。

[2023年6月7日訪問]

せんなり
●住所…京都市左京区一乗寺里ノ西町52(Google マップ
●TEL…075-781-6534
●定休日…日曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「せんなり」をご確認ください。

コメント

  1. 船長 より:

    私は千成餅食堂で幼少期よりおうどんや、おイナリさんを嗜み、成長すると共に各地に存在する千成を見つけると、たまらなく気になってしまいます。
    千成、大力等のうどん屋特集なんていうスピンオフ企画もあったらいいなと楽しみです。
    ところで、最近モヤモヤして気になっている定義が有り、何卒ご教授頂きたいのですが、いわゆるデカ盛りレポートと、私の好きな漢飯レポートの違いは何かあるのでしょうか?
    デカ盛りって聞いても特段惹かれないのですが、漢飯と聞くと妙に眼光鋭く漢気が漲ってしまいます。
    ま、特に理由ね~よって場合はガン無視しておくんなまし。

  2. むちむち より:

    船長さん、毎度メッセージをいただき、ありがとうございます。
    スピンオフ企画、良いですね。
    京都市内にはおそらく姉妹店でも系列店でもない餅食堂が千成・大力・力餅・相生などあり、これまではできるだけかぶらないようにREPORTしていたものの、お店によって味なども違うでしょうから、今後は店名かぶりを気にせずREPORTしていきたいと思います。
    サテ、デカ盛りと漢飯の違いについて、当ブログの見解としては“見た目からして下品(褒め言葉)なのが漢飯”という感じでやらしていただいております。
    同じデカ盛りでも中華系に多い甘酢ダレまみれだったりすると漢飯に(勝手に)認定しています。
    今回のREPORTは洋定食デカ盛りで、見た目特に下品(褒め言葉ですよ)ではないため漢飯ではありません。
    逆に中華のデカ盛りでも盛り付けなどが下品(褒め言葉ですって)でなければ、やっぱり漢飯ではないですし、洋食でもトンテキなどでニンニクたっぷりタレまみれとかであれば、それはもう漢飯認定です。
    和食なら具材がこぼれまくっている海鮮丼も漢飯。ただし和食系は総じてお高いので、漢飯なものはこれまでREPORTできていませんがw
    漢飯もまたREPORTいたしますが、なんせ少食をウリとしていますので、気長にお待ちいただければと存じます。

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