ボリューム・価格・味と三拍子揃った街の北京料理店

中華編
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北京料理 金龍

こちらのお店は今月2023年(令和5年)7月1日(土)に閉業されます。
不人気なワケではなく店舗ビルの売却が影響しているようですので、
残り少ないですがお近くまでお越しの際はぜひお立ち寄りください。

京都市伏見区は中華料理店がとても多く、しかも昔ながらの町中華店だけでなく、中国本土や香港、台湾などから来日された人々が多く開業されています。そういったお店は本場さながらのガチ中華が多いと思いきや、日本の食文化を理解されて日本人向けの中華料理を提供されているお店も少なくありません。当ブログでも先日REPORTした、京都市伏見区エリアで昔から絶対的な人気を誇る町中華店の1軒「中国料理 西海」に伺った際、西向かいに1軒の中華料理店を発見、店名に“北京料理”と書かれていてず〜っと気になっていました。“北京料理”とは日本では上海料理・広東料理・四川料理と合わせて中国の4大料理として知られています。ただ、管理人の感覚的として特に京都では広東料理店と四川料理店がほとんどで、上海料理店は少なく、もっと少ないのが北京料理店といった印象でしょうか。北京料理の特徴として、現在の中国である中華人民共和国の首都・北京を中心とした北方の料理であるため、寒さに負けない工夫を凝らした肉料理や煮込み系料理が多いことが挙げられます。具体的には水餃子や北京ダックなどが有名です。京都市内では珍しい北京料理を提供するお店なのか…と気になりながらなかなか訪問できなかったのですが、ようやく伺うことができました。

師団街道京都府道201号中山稲荷線の交差点(師団街道龍大前)を南へ470mほど行ったところにある「北京料理 金龍(ぺきんりょうり きんりゅう)」。こちらは食べログ情報では2009年(平成21年)にオープンされたそうで10年以上営業されているようです。中国人ご夫婦が経営されているお店で実は…食事を終えて会計時に女将さんから“また30日まで来てくださいネ〜”と流暢な日本語でお声を掛けられ、“ウン?30日って何?”と思い尋ねてみると、ナント6月30日が最終営業日なのだとか。どうやら店舗のビルである京都農民会館の売却が決定となり、こちらも閉業されるとのことでした。このREPORTをアップロードするのは6月12日ですから3週間弱しか参考にならない計算です。当ブログでは既に閉業を予定されているお店については原則、REPORTしないのですが、当ブログには京都の食文化をサーバーが存続する限り後世に伝えることを使命としているため、REPORTしようと決めました。残された時間は後わずかではあるものの、お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りください。時刻は14:30、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

オヤ?何だか馴染み深いメニューが¥520〜¥810と激安価格で提供されているようです。そう、こちらは店名こそ“北京料理”と書かれているものの、実際には日本人の大好きな町中華店だと確信しました。“北京料理”はお高めの料理も少なくなく、ちょっとビビっていたものの、これなら安心。立地柄、龍谷大学京都教育大学などに近い学生街ですので、リーズナブルな価格設定と学生にも受け入れられるザ・中華的な料理を用意されているのでしょう。管理人は貧しいので自腹でしかも真っ昼間にひとりで北京ダックなんて高級料理を注文できません。ちなみにこちらの営業時間は、Google マップでは11時〜23時の通し営業となっていますが、ホームページでは昼の営業時間は11時〜14:30、夜は17時〜23時となっていて、どちらが正しいのかはわかりません。念のため、ホームページの記載時刻を信用されて方が良いと思います。では店内へ入ってみましょう。

4名テーブル席5卓と2名テーブル席3卓と、意外に広い店内。ランチとしてはかなり遅めの時刻にも関わらず、お一人様1名と2名グループが食事をされていました。店内はまだ新しい感じで清潔感もあり、平日なら学生でも気軽に利用できるのではないでしょうか。では改めてメニューを確認してみましょう。

ランチの定食などはほぼほぼ¥1,000未満のリーズナブルさです。唯一の¥1,000超えの定食は、酢豚・エビチリ・エビの天ぷら・唐揚げの「特別定食」¥1,260。本当は「特別定食」を注文する気マンマンで伺ったのですが、お隣に座られていたお一人様のオネエサマが「特別定食」を食べておられ、少食で有名な管理人がドン引きするボリューム感でしたので、早々に断念。夜にちょっと予定が入っていたこともあり、こんなん食べたら夜は何も食べられなくなるわ!と軽い気持ちで諦めたものの、今月末までの営業とわかっていれば無理をしてでも注文していました。残念です。まぁ、他の定食類もメニュー写真を見る限り、どれもこれもボリューミーなのですが。一品料理を拝見すると、確かに北京料理らしいラインナップもチラホラ。「青椒肉絲」¥550や6種類ある鍋料理各種¥1,280、「ラム肉焼串(2本)」¥315などは北京料理と言えます。ただ、日本人に馴染み深い町中華の王道メニューもバッチリとあり、誰もが気軽に利用しやすいお店ではないでしょうか。今回は「特別定食」を諦め、本場の中華なのか?という疑問を解明したく「回鍋肉定食」¥870を注文。すると女将さんから“辛さはどうしますか?”と予想外の質問が。“エッ?回鍋肉で辛さレベル??”と少々戸惑いつつも、平静を装い“フ、普通でオナシャス”となぜか甘噛みしながら返答してしまいました。管理人的に回鍋肉は甜麺醤(中国の甘味噌)と豆鼓(黒豆などを発酵させた中国の調味料)で茹で豚肉とキャベツを炒める料理であり、辛味は唐辛子やラー油などをアクセント程度に使う、という認識だったものの、調べてみると本場では豆板醤(中国の辛味噌)も使われることも多いのだとか。普通とは言ったものの、ひょっとしてメッチャ辛いのかもしれない…と不安になりながら待つことに。

「回鍋肉定食」が到着。メニューの料理写真で何となく想像はしていましたが、これでもボリューム満点です。これで¥870は相当にお得でしょう。イヤ、この大きめな唐揚げ3個は明らかに過剰サービスです。この唐揚げがなくても納得の価格だと思います。漬物もザーサイ、スープも中華では定番の玉子スープと、¥870とは思えない本格派ではないでしょうか。ちなみにこのお茶碗テンコモリのご飯は中サイズで、大でもお値段は変わらないそうです。もっと早くに訪ねればヨカッタ…と後悔しつつも、回鍋肉からいただきましょう。

旨っま!!管理人が良く知る漆黒のタレがかかった回鍋肉ではありませんが、この絶妙なピリ辛具合と甜麺醤の甘さの融合が堪えられません。豚肉はおそらくバラ肉で、小麦粉のコーティングが効いており、ツルンと口に入って柔らかい豚肉の旨味と甘み、キャベツのシャキシャキ感がおいしい。もうこれはご飯のオカズとしては最強クラスに有能です。もちろん飲む人ならビールやハイボールでしょう。薄切り豚バラ肉の料理全般から考えても、個人的には生姜焼きを超えるレベル、町中華でたまに見かける甘ダレの炒めものに匹敵する味わいです。この回鍋肉が本場の味かどうかは定かではありませんが、少なくとも管理人は最近食べた料理ではかなり衝撃を受けた味だった、とお伝えしておきます。

そして過剰サービスな唐揚げです。こちらもニンニクの風味がフワッと香りながらも、あまり強く下味を入れておられない分、鶏モモ肉自体の旨味を存分に堪能できる一品。お皿に添えられたマジックソルトを付けていただくと、鶏モモ肉の唐揚げのおいしさを改めて実感できます。みんな大好きな唐揚げですが、お店によって個性があり、こちらの唐揚げは本格的かつ王道の味わいだと感じました。さすがは中華店がひしめき合うエリアの1軒です。最初にもお伝えしたとおり、こちらは今月末で営業を終えられます。京阪「藤森駅」から徒歩5分・「龍谷大前深草駅」から徒歩10分程度の場所にありますので、もし近日中にお近くまで立ち寄られる際には、ぜひこちらの日本人好みの本場の中華を試してみられてはいかがでしょうか。あくまで個人的な願望ですが、また京都の別の地で移転オープンしていただきたい。その時は躊躇なく「特別定食」をREPORTさせていただきます。

[2023年6月10日訪問]

北京料理 金龍
●住所…京都市伏見区深草西浦町5丁目19-1(Google マップ
●TEL…075-641-3178
●定休日…月曜日
●備考…禁煙
ホームページ

コメント

  1. 船長 より:

    むちむち様
    金龍様に早速行ってきました❗
    むちむち様のレポートを読み、何かいつもより推し気味の内容に、僕の鬼太郎バリの妖怪レーダーもピピンと反応し(ホンマは漢飯トークのせいで中華料理を欲してただけやけど)、まずはメニューと格闘しつつ、苦渋の選択の末に酢豚定食をチョイス❗
    メニュー表を融かす程に悩んでたせいか、お店のお母さんが「ご飯大盛りにする?」と聞いて下さり、もちろん大盛り宣言。
    周りも見渡し、みんなそれぞれに美味しいそう。
    ワクワクしながら待っていると壁に貼られたチラシに、料理人のオススメは青椒肉絲と書いてあるのを発見し、しもた〜やってもうた~ちゃうん…と一瞬自分の選択を疑ったけど、酢豚を食べたら、初めて自分自身を褒めてあげたい気持ちになりましたと有森バリに感激。
    しかも海老の天ぷらという高級感ある料理も付いていて、幸せに浸りまくっていた刹那、稲妻の様に天啓が閃き、海老の天ぷらに酢豚の餡を絡めたら、一体ど〜なってしまうのか!のガチンコのナレーションが響き、味変しながら舌鼓を太鼓の乱れ打ちしながら感激しまくりでした。
    お店のお母さんもフレンドリーに「美味しい?」って話しかけて下さり、今日食べた酢豚が人生最高に美味しいです❗とお伝えし、閉店迄にまた来店する事を約束しお店を後にしました。
    中華料理といえば、美味しいけど脂っこいイメージが有ったけど、金龍さんは全然違って、腹いっぱい食べても、また明日も行きたくなる美味しいお店でした❗
    最高のお店との出会い、むちむち様に導いて頂いた喜び、お母さんの優しさ、全ての感謝に浸り幸せな一日になりました。
    有難う御座いました❗

  2. むちむち より:

    船長さん
    毎度コメントをいただき、ありがとうございます。
    そうなんです、この地域では絶対王者?的なお店である「西海」さんの向かいにあるがゆえに、あまり知られていない印象なのですが、普通の町中華の味ではなく私も驚きました。
    Twitterのフォロワーさんに京都グルメにお詳しい方がいらっしゃって、水餃子各種が気になっていたとメッセージをいただき、私もなぜもっと早くに訪問しなかったのかと後悔しています。
    水餃子や青椒肉絲はこちらのお店の店名にもある北京料理なので、本来はそちらをREPORTするべきでした…
    今月いっぱいで閉業されますが、タイミングが合えば再訪したいと思っています。
    また、船長さんに訪問していただけるようなお店をREPORTしますので、よろしくお願いいたしますね。

  3. 船長 より:

    初訪問からリピーターになり昨日の最終日も食べに行ってきました。
    ホントに何を食べても美味しいくて、でもさっぱりして、中華料理は脂っこいイメージを完全に覆されます。
    酢豚、海老の天ぷら、青椒肉絲、水餃子、カニ玉、唐揚げ、焼餃子、どれも素晴らしく美味しかった。
    水餃子や、焼餃子を食べて皮の美味しさにもこだわりを感じます。
    それにお店のお母さんがいつも笑顔で楽しくお話してくれるので、こちらも楽しく食事が出来ました。
    個人的には、料理人のお父さんは天才だと思います。
    こんな美味しい料理をこれからも提供して頂きたい。
    帰り際、また近くにテナントを見つけてお店を再開したいとおっしゃってたので、是非再開して下さいねとお願いし、店を後にしました。
    再オープンした暁には、またレポートしてあげて欲しいな~(笑)

  4. むちむち より:

    船長さん、コメントいただき毎度ありがとうございます!

    すっかり常連さんになられたようですね、もはや私以上に内容のあるREPORTをしていただき、感謝です。

    そうですか、再開されるなら、ぜひ再度訪問して「特別定食」をREPORTいたしますとも。
    私も再オープンされないかなぁ…と思っていましたので、
    船長さんのコメントのおかげで数少ない楽しみが増えました、ありがとうございます!

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