味わい処 笑楽
ランチならひとりで外食できる人でも、夜はひとりではちょっと…という人も少なくないようです。かくいう管理人も50歳を超えた今でも極度の人見知り&コミュ障のため、夜にひとりで食事できるお店探しには苦労しています。世の中の人はオッサンは全員厚かましい、と勘違いしがちなものの、実際にはシャイなオッサンも大勢?いるのです。もちろん若者よりは社会経験や人生経験は豊富でしょうから、対人関係においてはそれなりに対処する術をもつオッサンも多いでしょう。ただ、管理人のように少年の心をもったオッサンは年齢による経験がまったく活かされていないだけでなく、何なら最近の若者の処世術に感心すらしてしまいます。たま〜に“人生は修行”などと身も蓋もない、絶望しか感じない名言風の言葉を発する人もいらっしゃいますが、そう考えると50年以上修行らしい修行の自覚すらなかった管理人は、かなりの幸運の持ち主と言えるのかも知れません。ハテ、今回は何のハナシでしたっけ?そうでした、夜にひとりで食事できるお店探しに苦労する、というハナシでしたね。ファストフード店や牛丼店などのチェーン店ならグ〜ンとハードルも下がるのでしょうが、管理人はやっぱり個人経営の飲食店が好き。チェーン店のようにどこのお店も画一的ということはなく、お店1軒1軒の味や雰囲気に個性があるからです。ハズレのお店はない、とは言いませんが、アタリだったときの喜びは大きい。味だけなく、コスパに優れていたり、ひとりでも気軽に入れる雰囲気だったり、加えて有名店でなかったりすると、自分だけが知っているという充足感や達成感を得られます。もちろん管理人は“自分だけが知っている…クックックッ”と考えるイケズではあまりないため、友人・知人へ積極的に公開する派。でも残念、そもそも友人・知人が少な過ぎて、結果としてほぼ誰にも教えていないイケズな人間になっているようです。そこで今回は、当ブログで本当は教えたくなかったお一人様でも夜、気軽に食事できるお店をREPORTしてみました。
白川通と北大路通の交差点(白川通北大路)を北へ400mほど行き、曼殊院道を西へ280mほど行ったところにある和食店「味わい処 笑楽(あじわいどころ しょうらく)」。またまたまた自宅近くのお店となってしまい、当ブログももはや「京都 B級グルメ REPORT」ではなく「京都市左京区B級グルメ REPORT」になってしまうかも知れません。こちらは叡電「一乗寺駅」から徒歩3分程度、近隣にはコインパーキングもあり、アクセスも便利なお店です。昼の営業時間は11:30〜14時、夜は17:30〜ラストオーダー21時となっていて、夜は居酒屋のように見せかけてお一人様にもうれしい定食メニューをいただくこともできます。実は最近、外食では魚を食べていないことに気づき、こちらへ伺いました。魚の栄養価についてはもうさんざんメディアなどで報じられて皆さんご存知でしょうから当ブログでは割愛いたしますが、日本人が肉類を常食するようになったのはたかだか100年程度で、魚こそ日本人の主なタンパク源でした。当然、日本人の体質に合うのは肉ではなく魚です。大昔から日本人のDNAに刻み込まれてきたのは魚ですから、本能的に魚を食べたい!と思うのも当たり前。まぁ、普段はブ厚いビフテキが食いてぇ〜なんて考えているものの、それは太古の日本人が食していたナウマンゾウだか何だかのDNAが日本人の遺伝子にも組み込まれているからでしょう。さぁ、もう何の根拠もなく非科学的な妄想を垂れ流すのはヤメにして時刻は18:20、まずは店頭のメニューを確認してみます。
一般的な定食店や食堂と比べるとチョッピリお高めですが、魚料理メインの和定食と考えればむしろお得です。和食店ながら魚料理だけでなく、肉料理の定食も用意されていて、ナウマンゾウ率高めな人もニッコリ。夜は一品料理も充実していて、居酒屋としても利用されています。飲む人ならアルコール類と一品料理で一人飲みもアリ。飲めない管理人にはうらやましい限りです。では店内へ入ってみましょう。
5名程度が座れるカウンター席と4名テーブル席2卓、10名程度座れる小上がりの座敷席もあり、お一人様から宴会までさまざまなシーンで利用できます。夜の営業時間としてはまだまだ浅い時刻だったため、先客は熟年?カップルのみでした。管理人的には久しぶりの訪問で、かつては仕事帰りなどに利用していましたが、ランチ利用の方が多かった記憶があります。ちなみにお昼は定食類をはじめ、麺類や丼が中心となり、街の定食店といった雰囲気です。では改めてメニューを確認してみましょう。
今回は魚を食べたいので「カツ定食」¥1,200や「ステーキセット」¥1,500は断腸の思いでスルー。「海鮮丼セット」¥1,500や「天婦羅定食」¥1,400にも心揺さぶられますが、管理人のイチオシは「お造り定食」¥1,400です。だいたい悩みに悩んで結局はコレ。「お造り定食」という名前ですが、管理人は勝手に「お魚定食」と心の中で呼んでいます。今回も「お魚定食」…ではなく、「お造り定食」を注文してみました。
「お造り定食」が到着。メインのお造り(刺身)はカツオとタイ、マグロ、イカ、サーモンと充実の内容です。これだけでご飯1膳は余裕でしょう。しかし小鉢2品がまたスゴい。右の小鉢はタイの煮付けでサトイモにタケノコ、コンニャクまで入っています。左の小鉢は白身魚フライ2切れとポテトコロッケという、魚尽くしの定食です。これはもう本来であればご飯1膳ではまったく足りません。さらに玉子豆腐に漬物、赤だしまで完備されて¥1,400ですから、かなりお値打ちと言えるでしょう。お魚好きならヨダレ不可避はのは間違いありません。まずはお造り(刺身)からいただきます。
こんな大事な場面でピンボケとは本当に修行が足りないとつくづく思います。カツオ刺しは時期的に初ガツオでしょうか、その割に濃厚な脂の旨味も楽しめるおいしさです。カツオの刺身はこのネットリとして食感が信条。最近、カツオはタタキばかりモテはやされる風潮ですが、みんながみんないっごそうでもはちきんでも坂本龍馬でもないハズです。イヤ、タタキもおいしいのは存じていますよ。しかし管理人が子どもの頃の少なくとも京都市内では刺身が主流だったと思います。ワサビ醤油やツウなオトナはカラシ醤油でいただくと、タタキ以上にご飯のオカズとして有能です。もちろん飲む人なら日本酒でしょう。カツオ刺しは足が早く、油断するとすぐデロンとした食感となるのですが、そのデロンとした感じもまたヨシ。アッ、でもデロンとなったカツオ刺しは安全とは言えませんので絶対に食べないようにしてください。特に今の梅雨から秋ぐらいまでは要注意。こちらのカツオ刺しのようにネットリとして臭みなどまったくない新鮮なもののみをお召し上がりください。
タイの煮付けも絶品です。この甘辛く煮付けられたタイの身の味わいがこたえられません。煮魚の個人的ランキングでは、ノドグロやキンメダイといった希少魚・高級魚を除き、サバ・ブリと並んで三本柱に数えられます。特にタイはサバやブリなどの青魚ではなく白身魚なものの、脂の豊かさと上品さは別格。このタイの皮周辺の脂は本当においしく、魚の王様と形容されるのも納得です。タイは刺身や握り寿司でしか食べたことがない、という人は、ぜひ煮付けを食べてみてください。生にはないタイの深い旨味にきっと驚かれると思います。近所のスーパーの鮮魚コーナーなどどこでもお安く売っているタイのアラを購入して自宅で煮付けてもOK。別に天然物でなくても、イヤむしろ脂の乗りだけならさらにお安い養殖物の方が確実でしょう。最近の養殖物は昔のものとは異なり、天然物と遜色ないコンディションの魚が多く、天然物と同じように霜降りにすれば臭みなどは感じないハズです。煮付けで真価を発揮するタイの脂の旨さをぜひ体験してみてください。
そして管理人が愛してやまない白身魚のフライです。これはもう間違いのないおいしさ。サッとかけられた中濃?ソースがご飯のオカズにピッタリです。フワフワの白身魚本来の旨さと揚げたての味わいは、魚嫌いな人にもオススメしたいほど。イギリス料理で世界からは数少ない人気メニューとされているフィッシュ&チップスも白身魚フライですから、全世界が認める味なのです。ヘタなチキンキツやトンカツなどよりよほどおいしい。さまざまな魚のさまざまな調理法を存分に堪能できました。叡電「一乗寺駅」周辺の飲食店と言えばどうしてもラーメン、となってしまうでしょうが、ラーメン以外にもさまざまジャンルの飲食店がシノギを削っています。京都市内の隠れたグルメスポットの、地元の人だけが足繁く通うお手軽な隠れた和食店ですので、お近くまでお越しの際にはぜひおいしい魚メニューなどを楽しんでみてください。
[2023年6月21日訪問]
味わい処 笑楽
●住所…京都市左京区一乗寺払殿町11-10(Google マップ)
●TEL…075-712-0057
●定休日…木曜日および金曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「味わい処 笑楽」をご確認ください。
コメント