町洋食を堪能できるコスパも魅力な街の洋食店

洋食編
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キッチン瑞穂

当ブログでも頻繁にREPORTしている“町中華”。“町中華”とは、あくまで管理人の考えですが、リーズナブルな価格でラーメンや餃子、酢豚や八宝菜、レバニラ炒めなどの一品料理がいただける大衆中華料理店を指す言葉だと定義しています。“リーズナブルって具体的にどのぐらいの金額や?”とさらに厳しく追及されるなら、管理人的には一品料理の料金だとちょっと曖昧になってしまいますので、酢豚定食や八宝菜定食などの中華定食で¥1,000前後、が一応の目安になるでしょうか。京都市内の場合、街の多くの中華店ではだいたいこれぐらいの価格帯のお店が多い反面、なぜ“町洋食”という言葉はないのか、とフト疑問に感じました。洋定食で¥1,000前後を目安とするなら、そういう洋食店を当ブログでも数多くREPORTしていたハズです。ただ、当ブログではこれまでカジュアル洋食店と呼んでいて、“町洋食”という言葉は思いついていませんでした。これは新しい言葉で、管理人が広めればきっと町洋食の生みの親としてガッポガッポ…とか思いながらググッてみると、多くはないもののすでに使われている言葉であることが判明。チッ。幸い“町インド”はググッても出てきませんでしたので、今度インド料理店をREPORTするときにでも“新語・町インド”を大々的に発表することにして、今回は“町洋食”の呼び名にふさわしいカジュアル洋食店を訪問しました。

東大路通今出川通の交差点(百万遍)を南へ780mほど行き、近衛通の交差点(東山近衛)を東へ260mほど行ったところにあるカジュアル洋食店「キッチン瑞穂(みずほ)」。こちらは古くから地元の人をはじめ京都大学および京都大学医学部附属病院の学生や関係者などから親しまれている、知る人ぞ知る昭和のお店です。知る人ぞ知るなんて言うと、さも穴場店のように聞こえますが、京都市内に在住またはお勤めの洋食好きならご存知の人も少なくないでしょう。古くからの歴史だけでなく味はもちろん、価格面でも街の人気洋食店と呼ぶにふさわしい、まさに“町洋食”がピッタリなお店ではないでしょうか。以前は確かランチ営業もされていたと記憶していたものの、現在は17時〜ラストオーダー21時の夜営業のみ。夜の洋食店と言えば少しお高めだったり、お一人様では入りにくいのでは…と不安に感じるかも知れませんが大丈夫。町中華店やラーメン店などのイメージで気軽に利用できますので、ご安心ください。京阪「神宮丸太町駅」から徒歩15分とちょっと駅から遠く、近くにコインパーキングはありますので、飲まないなら車の方が便利かも知れません。立地柄か、店頭に自転車や原付などを停めて利用されている人も多い、街の定食店といった雰囲気です。18時以降はかなり混雑しますので要注意。時刻は18時、早速店内へ入ってみましょう。

4名テーブル席5卓のコンパクトな店内。管理人が入店した際、お客さんは若い女性のお一人様だけでしたが、数分もすれば続々とお一人様や2名組などが入ってこられ、アッという間に満席となってしまいました。平日はお一人様や2名組が多く、年齢性別ともに多種多様。老若男女に利用されているのは人気店の証拠です。ワインの冷蔵ケースには「サーロインステーキ」¥1,500と書かれています。牛モモでも牛ハラミでもなく、「サーロインステーキ」が¥1,500ですから、相当リーズナブルなのは間違いありません。が、しかし。さらにお得な料理を求めて、早速メニューを確認してみましょう。

こちらでは先ほどの「サーロインステーキ」が桁違いな高額メニューであり、ほぼほぼ¥1,000でオツリが来る価格設定。この辺りは京都大学が近いだけあって京都市内有数の学生街であり、近隣の飲食店もだいたいリーズナブルですので、また改めて他店もREPORTいたします。こちらでは何を食べても間違いありませんが、初訪問であれば6種類ある「Lunch(定食)」がオススメ。この「Lunch(定食)」と、少し余裕があればコーンポタージュの「カップスープ」¥320を注文するのが管理人流となります。というか、管理人はこちらでは何を注文しようが「カップスープ」はマストなのです。「Lunch(定食)」や一品料理には味噌汁などの汁物が付かないから、そしてこちらのコーンポタージュは昔ながらの洋食店の味わいなため、つい懐かしくて食べたくなるからに他なりません。普段の夏であれば熱いスープなどはまずいただかないのですが、こちらも含め数軒の洋食店では熱いスープを自然と注文してしまいます。冷たいコンソメやガスパチョ、ヴィシソワーズなどの冷製スープが用意されていても、です。冷たいカボチャもしくはマッシュルームのポタージュは別格として、基本的に冷製スープにはさほどテンションがアガらない体質なのはナゼなのか、洋食好きとして50年以上生きてきてもわからない人体のナゾでもあります。今回は「Lunch(定食)」の中でも特にオススメな「Cランチ【海老フライ、ハンバーグ、ビーフカツ】」¥880と「カップスープ」の合計¥1,200を注文してみました。

「カップスープ」が到着。この色がコーンポタージュの王道の色となります。もっと黄色強めなポタージュや、最近はやりのピュアホワイトと呼ばれる白いトウモロコシで作られている白いポタージュなども見受けられますが、管理人にとってはこのクリーム色こそコーンポタージュです。実際には一般的なトウモロコシより黄色が強い品種の「ゴールデンコーン」や「ゴールドラッシュ」、さらに糖度が高い白色の「ピュアホワイト」の方が甘みは強いものの、あくまで個人的な感想ですがコーンポタージュとしては甘過ぎでは?と疑問に思わないでもありません。もう30年近く前になりますが、テレビ番組「料理の鉄人」の初代フレンチの鉄人のお店でいただいたコーンポタージュが人生で一番甘さを感じたコーンポタージュでした。それはそれはとてもおいしく、個人的に生涯ナンバーワンのスープを決めるなら確実にそのコーンポタージュとなるのですが、あくまでスープ単体としての評価であり、後の料理のことをちっとも覚えていないのを考えると、旨過ぎるスープというのも考えもの。こちらの「カップスープ」には昔懐かしい味でありつつ、食欲がさらに高まり、後の料理に影響しないぐらいの味わいがちょうど良いと思うようになりました。では「カップスープ」をいただきましょう。

安心・安定のおいしさです。もちろん管理人が冬には頻繁にいただくインスタントの市販コーンポタージュなどとは比べものにならない味わいなのは言うまでもありません。コーンの甘さと風味、コンソメのダシの旨味にクリーミーで超なめらかな味わいは、食事の始まりとしては最高です。このなめらかさも昔からの洋食店の技術であり、あくまで管理人の独断ですが、ツブツブコーンが入っているコーンポタージュってどうなの?舌に触って鬱陶しくない?と感じます。何よりツブツブコーンはお腹にもたまって、朝食などならともかく、さぁこれからメインディッシュをいただこうとする前に食べるのはどう考えても納得できません。と、親のカタキにようにツブツブコーンを批判してしまった、まったく大人げない、と反省していると、「Cランチ【海老フライ、ハンバーグ、ビーフカツ】」が到着しました。

どうです、このボリューム感で¥880。一般的な洋食店なら¥1,500でも高くないと思う内容で¥880ですよ。¥880の値段からして海老フライもハンバーグもビーフカツも相当な小ささを覚悟するところですが、まったくミニサイズではありません。付け合わせも野菜サラダと、大きなビーフカツの影に隠れて見えませんがポテトサラダも付いているなど、ボリューム満点の洋定食です。洋食店らしく観音開きされた海老フライにはたっぷりのタルタルソースが添えられていて揚げたてがおいしい。野菜サラダのキャベツの千切りも極細で丁寧に仕事されています。これだけでもう立派な一品料理、マヨネーズベースのゴマドレッシングをかけていただくと野菜をモリモリいただくことができました。ではハンバーグをいただいてみましょう。

これはご飯のオカズとしてピッタリなハンバーグです。合い挽き肉の旨味とニンニク醤油ベースのテリヤキ風ソースと抜群の相性です。一般的なテリヤキソースのような甘さは感じられず、それが逆にハンバーグ本来の旨さを際立たせています。デミグラスソースとは異なる、古い洋食店のもう1つの古典的なソースの味わいです。デミグラスソースのハンバーグに飽き気味の人や得意でない人にはかなりオススメできるハンバーグではないでしょうか。

そしてビッグサイズなビーフカツです。牛の赤身肉の旨味が存分に堪能できます。油で揚げたカツですので火はしっかりと通っているものの柔らかな食感となっていて、少食な管理人がいくらでも食べられそうなおいしさだと感じました。これは飲む人ならビールでしょうし、赤ワインとも良く合いそうな気がします。飲まない管理人でもノンアルコールビールが欲しくなる味わいですが、残念ながらノンアルコールビールは用意されていません。ただ、当然ご飯のオカズとしても超有能ですので、これだけのボリュームでもすぐに食べ尽くしてしまいました。¥880でいただける洋定食ではないと改めて実感します。最近の物価高でお財布の紐が固くなっている人も少なくないとは思いますが、こちらであればそれほどムリすることなく利用できるのではないでしょうか。昔から多くの人に親しまれてきた昔ながらの“町洋食”をぜひ試していただきたいと願っています。

[2023年8月18日訪問]

キッチン瑞穂
●住所…京都市左京区吉田近衛町1-13(Google マップ
●TEL…075-771-0484
●定休日…日曜日および第2・第4土曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「キッチン瑞穂」でご確認ください。

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