中華屋 龍客
先日の「キッチン瑞穂」のREPORTで“町中華”や“町洋食”について少し考察しました。“町インド”は冷静に考えた結論として、なかったことにしていただきたい。で、当ブログでも京都市内の町中華のお店を多くREPORTし、何ならネタ切れになりそうな勢いなのですが、町中華なんだけど町中華と呼ぶには少し躊躇する中華料理店も少なからず存在します。例えば以前REPORTした「中国料理 花凜」などは管理人が憎むべき縁遠い高級店ではないものの、内装や雰囲気、価格などを総合すると皆さんが何となく思い浮かべる町中華ではないのでは?という気がしないでもありません。町中華のお店と言えばどちらかと言えば庶民派で、手軽さや気軽さも重要なポイントとなります。一方、高級店のようなおもむきながら、実はリーズナブルでお一人様でも利用しやすい中華料理店も少なくありません。そして何より清潔感にあふれていて女性や若い人でも抵抗なく入れるのが大きなメリットと言えるでしょう。…別に一般的な町中華店が不潔とか小汚いとか言っているワケではありませんので、くれぐれも管理人批判はお止めください。当ブログをご覧の皆さんなら、管理人がいかに小汚い庶民的な町中華店を愛しているかご存知だと思います。ただ、当ブログは女性も読まれている、女性も読んでほしいなぁ、女性も読めば良いのに、と考えていますので、今回は高級店のようでリーズナブルな中華店として、嵐電「北野白梅町駅」近くの中華料理店をREPORTしてみました。

今出川通と西大路通の交差点(北野白梅町)を西へ70mほど行ったところにある「中華屋 龍客(ちゅうかや ろんか)」。確か開業されてまだ数年しか経っておらず、知名度的にはそれほどながら、ランチタイムなどは満席になるのも珍しくない人気店です。初訪問の人は“エッ、どこにお店が?”となって西隣のラーメン店に入ってしまいそうになるかも知れませんが、実はこの暗いビルを先に進むと…

ハイ、こちらが入口となります。昼の営業時間は11:30〜ラストオーダー14時、夜は17:30〜最終入店20:30となっていて、木曜日はランチタイムのみ営業されているようです。ちょっと隠れ家チックな感じで一般的な町中華店らしくなく、少し入りにくいと感じられるかもですが大丈夫。お一人様のお客さんも多いお店です。時刻は12時、早速店内へ入ってみましょう。

お客さんが多かったため、入口付近の写真しかありません。申し訳ございません。カウンター6席と4名テーブル席2卓、6名テーブル席1卓とコンパクトな店内。落ち着いた雰囲気となっていて、ちょっとした会食などでも利用しやすいオトナなお店の印象です。女性客も多く、訪問した日も圧倒的に女性のお客さんの方が多かったので、管理人のような中華をガツガツむさぼり食うしか能のないオッサンは躊躇すると思うでしょ?失礼な!確かに入る瞬間は少しドキドキしましたが全然平気。ダテに当ブログで800軒以上の飲食店を利用していません。ドキドキしたのは不整脈か何かミドル世代特有のヤツだと思います。平静を装ってカウンター席に着席し、メニューを確認してみましょう。


実はこのブログを書いているときに失敗した!と思ったのですが、今回は久しぶりに冷やし中華をいただくつもりでした。当ブログで言う冷やし中華とは、冷たい中華麺であれば何でもOKと定義していますので、もうメニューを見た瞬間「冷やし担々麺セット」しか頭になかったのです。今の今まで。3ページ目に「冷やし中華」¥1,290があるのを発見し、食べてみたくなりました。だって「冷やし中華」で¥1,290は相当高級ですよ。どんな「冷やし中華」なのか、試してみたいじゃないですか。そもそも過疎っている当ブログの中でも不人気コンテンツの筆頭である冷やし中華をしつこく推しているワケで、読んでいただいている人そっちのけで¥1,000超えの「冷やし中華」が気になって気になって仕方がありません。が、訪問時はまったく気づいておらず、よってこちらの「冷やし中華」はREPORTできていません。今年はもう難しいので、もし来年までこんなブログが存続していれば、改めてREPORTしたいと思います。だって…「冷やし担々麺セット」の「3 冷やし担々麺+角煮丼(小)」¥1,400があまりにも魅力的だったんですもの。管理人は担々麺が大好きで、しかも絶対においしい角煮丼ですよ。もう他のメニューなんてしっかり見ていませんって。こちらの「冷やし担々麺」は夏季限定だったハズですので、まさか違うページに「冷やし中華」があるなんて思わないじゃないですか〜とブーブー言い訳したところで「3 冷やし担々麺+角煮丼(小)」を注文しました。到着するまで夜のメニューも確認しておきましょう。





一品料理もリーズナブルな価格設定です。しかも定食、セットメニューもありますので、夜のお一人様も利用しやすいでしょう。アルコール類を嗜まれる人なら最高ではないでしょうか。そして…「冷やし担々麺」¥950はあるのに、「冷やし中華」がないというのはどういう了見なのでしょうか。先ほどは勢いで“今年はもう難しいので、…”と書いたのですが、夜に再訪はアリと考えていたのです。まぁ仕方ありません。昼にしか食べられない「冷やし中華」がどのようなものなのか、来年の夏に絶対REPORTいたします。覚えていれば、ですが。

「3 冷やし担々麺+角煮丼(小)」が到着。そうなんです、やはりこれで正解でしょう、おそらく。この見るからにクリーミーで濃厚な「冷やし担々麺」に、小サイズながら4切れも乗っている豚角煮の「角煮丼」ですから、間違いない選択だったと信じたい。四川山椒とラー油が付いているところから、辛さも自分好みに調整できるのでしょう。四川山椒は花椒(かしょう/ホワジャオ)とも呼ばれ、日本の山椒よりも痺れる辛さが特徴です。激安スーパーに毎日入り浸っているお得好きな管理人が言うので間違いありませんが、スパイスの中でも山椒や四川山椒はお高め。そんな四川山椒を好きなだけぶっかけられるのですから、お得好きとしてはガンガンぶっかけたい。と思うのは大間違いです。管理人は辛いのが得意ではありませんので、味変にチョッピリ使います。では、まずはスープからいただきましょう。

ウン、おいしい。ゴマのコクがあってしっかりとした味わいながら上品さも感じます。辛さはさほどではありませんので、辛いのがお好きな人は四川山椒やラー油でお好みの辛さに調整してください。管理人も少しだけ四川山椒をかけていただきましたが、辛さではなく風味が本格的な四川となりました。続いてラー油をかけていただくと、パンチの効いた辛味が後をひくおいしさです。氷まで入ったキリリと冷たいスープとの相性も抜群。相変わらず猛暑日が続いている京都市内ですが、こちらの「冷やし担々麺」なら食欲も高まるのではないでしょうか。

麺は京都らしい?極細の中華麺。まるでそうめんです。うどんでも蕎麦でも、京都人は昔から細麺を愛していたこともあってか、京都市内の中華店やラーメン店でも細麺のラーメンなどを提供されているお店は他都道府県よりも多い印象なのですが、こちらの「冷やし担々麺」の細麺は体感的にかなりの細さだと思います。この細さがツルツルっと食べられ、喉越しも格段に良くて管理人的はお気に入り。好みの問題ではあるものの、冷たい麺料理には細麺の方が合うと感じます。冷たいため麺が伸びることもありませんので、ぜひ京都人が大好きな細麺を味わっていただきたいと思います。

そして「角煮丼(小)」です。この絵力よ。豚バラ肉がテリっテリに煮込まれていて、口の中でほどけます。角煮ではあるものの和食の角煮ではなく中華の角煮、いわゆる東坡肉(トンポーロー)で、八角や五香粉など中華特有の香りと風味に思わずウットリ。和食の甘塩っぱい角煮もおいしいですが、東坡肉には中国4000年だか何だかの奥深い味わいがあるような、ないような、やっぱりあるような気がします。少なくとも香りの観点では東坡肉の圧勝です。肉の柔らかさとシンプルな味付けで勝負する和食の角煮とは方向性が異なる東坡肉ですが、豚肉好きならぜひ試していただきたい味ではないでしょうか。¥1,000ちょっとの価格ながら、あらゆる面で贅沢さが感じられたランチとなりました。まだまだ暑い日が続きそうですので、こちらの「冷やし担々麺」など各種料理をご堪能いただき、この夏を乗り切ってください。もし冷やし中華がお好きなら、管理人に代わってこちらの「冷やし中華」を食べていただき、感想などを教えていただけると相当悔しがりますよ。
[2023年8月19日訪問]
中華屋 龍客
●住所…京都市北区北野上白梅町24(Google マップ)
●TEL…075-463-5538
●定休日…月曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「龍客」でご確認ください。
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