手軽に沖縄を味わえる三条会商店街の沖縄食堂

和食編
スポンサーリンク

かふー

今夏も沖縄県に行けませんでした。管理人はプライベートの旅行で沖縄県に行ったことはないものの、仕事では何度か訪問したことがあります。仕事とは言え実際は観光を目一杯楽しんでいますので、実質的にはほぼ旅行であり、コロナ禍などもあってここのところ大好きな沖縄県はすっかりご無沙汰。お金と時間さえあればまた行きたいと常に考えていました。管理人にとっての沖縄県との最初の出会いは、小学生の頃に身近では数少ないマトモなオトナからいただいた児童文学書「太陽の子」でした。児童文学と侮るなかれ、小学生にとってはかなり難しい内容であり、オトナの皆さんがお読みになられても、きっと何かしら心を揺さぶられる物語ではないでしょうか。「太陽の子」は小学生の女の子が主人公で、沖縄県出身の両親は神戸市で沖縄料理店を営んでいる設定です。そこに登場する沖縄料理の数々、もちろん内容も含めてですが管理人が沖縄県に興味をもつキッカケとなりました。社会人となり沖縄県へ行く機会が増えると同時に、大阪市に勤務・在住していた関係で、大阪市内の沖縄料理店を利用することも少なくなかったものの、最近は沖縄県だけでなく沖縄料理そのものもすっかり疎遠に。原因はハッキリしています。京都市には沖縄料理店が少ないのです。管理人が知るだけですが、ほんの数軒。そこで今回は、今夏も沖縄県へ行けなかった腹いせに沖縄料理を堪能しようと、久しぶりに京都三条会商店街へ向かいました。

三条通千本通の交差点(千本三条)が京都三条会商店街の西の入口となるのですが、そこから商店街を通って東へ70mほど行ったところにある沖縄食堂「かふー」。京都三条会商店街にはもともと沖縄料理店「やちむん」(2023年9月現在休業中)が、その2号店として2022年(令和4年)4月にオープンされました。何となくレトロな雰囲気が漂う外観で、昭和的な感じがしますね。管理人が生まれた1972年(昭和47年)に沖縄県は本土復帰、再び日本となったのですが、沖縄県は明治時代以前は琉球王国であり、独自の文化が築かれていました。日本人の沖縄観光好きも、同じ日本ながらどこか異国情緒が感じられるからかも知れません。食文化も琉球の伝統料理からアメリカ統治下の影響を受けたアメリカ系料理まで、沖縄らしいさまざまな料理が発展してきました。また、昆布の消費量日本一の県でも知られており、同じく昆布ダシ文化の京都をはじめとする関西地方とは意外と親和性が高いと以前から感じています。京都市内にももっと沖縄料理店ができれば良いのに…と思わざるを得ません。こちらの昼の営業時間は11:30〜ラストオーダー14時、夜は17時〜ラストオーダー22時のようです。時刻は13:45、早速店頭のメニューを確認してみましょう。

ランチメニューは3種類の麺と2種類のご飯もの(小)から1種類ずつ選ぶ、もしくは4種類のご飯ものと「沖縄そば(小)」から選ぶ方式です。いずれも¥980と¥1,000でオツリがくるリーズナブルさ。一品料理も充実していて昼間でも注文できるのですが、実はかなり混雑していてメニューの撮影ができませんでした。「ゴーヤーチャンプルー」¥780や「ミミガー」¥380などド定番の沖縄料理も楽しめますので、お好きな人はぜひお試しください。今回はド定番中のド定番「沖縄ソーキそば(単品¥780)」、ではなく、「牛肉と海老のそば(単品¥800)」+「沖縄ルーロー飯(小)」の合計¥980に決定。管理人は牛肉も海老も大好物なのです。“牛肉と海老”と聞いただけで、酷暑日であろうがアツアツの麺であろうが注文せざるを得ません。そして「沖縄ルーロー飯」とは何ぞや?と興味をそそられました。ルーローハン(魯肉飯)自体は代表的な台湾料理のひとつであり、おそらくその距離的な近さから台湾料理が沖縄料理にも何かしらの影響を及ぼしたのであろうと推察されます。もうこのメニュー選びの時点ですでに楽しい。どんな料理なのかな〜とワクワクしながら、沖縄旅行気分で店内へ入ってみます。

コの字型のカウンター10席程度に2名テーブル席2卓、4名テーブル席2卓の店内。昼のラストオーダーギリギリにも関わらず、7割ほどの座席がお客さんで埋まっていました。さすがは女性人気も高い沖縄料理、女性のお一人様のお客さんも多く、誰でも気軽に利用できる印象です。レトロな大衆食堂風の雰囲気ながら、清潔感と活気がある店内と言えるでしょう。沖縄料理店らしく各テーブルにはこんな調味料も置かれています。

左の何かのホルマリン漬けのような調味料は「コーレーグース」です。コーレーグースとはもともとは唐辛子全般を指す沖縄の方言だったそうですが、現在では沖縄県産の島唐辛子を沖縄を代表する焼酎・泡盛で漬け込んだ沖縄ならではの調味料。お察しのとおり激辛です。管理人のような辛いのが得意でない人間にとってはまさに天敵。マングースに睨まれたハブのように固まるしかありません。ちなみにマングース対ハブはマングースの圧勝のように思われている人が多いようですが、実際にはハブも結構善戦するそうです。などとフワッとした沖縄県情報?を頑張って入れ込んだところで「牛肉と海老のそば」+「沖縄ルーロー飯(小)」が到着しました。

あぁ…おいしそう。思わずヨダレが出そうになります。「牛肉と海老のそば」の牛肉は牛スジ肉ですね。牛スジ肉がマズいワケがありません。管理人的には牛スジ肉で失敗したのは生涯でただ1回、あまりの激安につられて某業務系スーパーで販売されていたオーストラリア産牛肉の冷凍牛スジ肉だけ。オーストラリア産牛肉の主流である牧草牛(グラスフェッド)だったためか、とにかく牧草牛特有のニオイがとんでもないレベルで、丁寧に下処理をした後に4時間以上煮込んでもニオイはビクともせず、結局すべてカレーにして消費するハメになりました。しかもインドの叡智の結晶でもあるカレーですら、牧草牛独特のニオイが残るという無惨な敗戦に。牛スジこんにゃくやオデンに使う目論みは見事に打ち砕かれ、それ以降、某業務系スーパーの冷凍牛スジ肉は二度と買うまいと心に固く誓ったほどです。こちらの「牛肉と海老のそば」からはウットリとする香りが漂い、もう食べる前から勝利を確信できました。ではスープからいただきましょう。

やさしい味わいのダシが素晴らしい。見た目はラーメンスープですがまったく違います。昆布カツオダシが際立っていて、醤油系の塩味は控えめ。これは関西のうどんダシに近い、薄味仕立てのおいしさです。日本人なら絶対に大好きな味ではないでしょうか。そして味変には七味唐辛子ではなく卓上のコーレーグースです。このクセになるピリ辛がアクセントとなり、スープだけでも十分に一品として成立するポテンシャルを秘めていると感じました。

麺はきしめん風の平打ち麺ですが中華麺とは異なり、モチモチ感がスゴい。コシというよりは、柔らかながらモチモチ食感が心地良い麺です。この麺に黄金色のスープが見事に調和しています。ビジュアル的にラーメンっぽいので、つい中華風のテイストかと思いきや、和食のうどんの方がより近い親しみある味です。ただ、うどんよりは強い味わいで、個人的にはきしめんよりも好みかも知れません。ズルズルと食べ進めたくなるおいしさですが、具の牛スジ肉もいただきます。

トロトロに煮込まれた甘辛の牛スジ肉です。どこぞの冷凍牛スジ肉では絶対に出せない、牛スジ肉本来の旨味を存分に堪能できます。牛スジ肉だけでなく、旨味たっぷりの茹で海老やシャキシャキのモヤシ、風味豊かな青ネギなど、やはり和の味わいを強く感じました。とは言え純然たる和のうどんやきしめんではなく、具・スープ・麺とどこか懐かしさすら感じる旨味を楽しめます。濃厚ながらアッサリとしたおいしさで、胃もたれや胸焼けとは無縁の麺料理です。

「沖縄ルーロー飯(小)」は一転、ルーローハンと呼ぶだけあって八角など中華系スパイスで煮込まれた豚ミンチの肉味噌が中華風で、ご飯との相性も申し分ありません。付け合せのキャベツ?の酢漬け?のような漬物?も箸休めとして有効に機能しています。こちらの肉味噌は豚肉の風味がかなりアピールされていて豚骨スープ系が得意でない人は少し気になるかも、ですが、肉食バンザイな肉食獣ならガツガツと食べたくなるワイルドな味わいではないでしょうか。和食でも中華でもない、でも何となく食べた記憶があるかも?といった不思議とおいしい沖縄の味に満足できました。京都市内で誰もが食べやすい沖縄料理をいただける良店です。沖縄旅行に行きたいけどなかなか伺う機会がない人は、ぜひこちらで沖縄の食だけでも体験してみてはいかがでしょうか。JR「二条駅」または地下鉄「二条駅」から徒歩5〜6分、阪急「大宮駅」から徒歩10分程度とアクセスも便利ですよ。

[2023年9月18日訪問]

かふー
●住所…京都市中京区西ノ京南聖町21-19(Google マップ
●TEL…075-823-6106
●定休日…火曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…Instagram

コメント

タイトルとURLをコピーしました