月刊ヤングスパゲティ/ヨルノプリン
関西では「焼そば定食」や「お好み焼き定食」など、いわゆるコナモノをオカズにライスを食べる文化があり、そんな風習をいぶかしむ多くの日本人からテレビ番組などを中心にさんざんコスられてきました。オトナになると焼そばやお好み焼きをビールなどのアルコール類と楽しむ人がさすがに多くなるとは思うものの、管理人的には子どもの頃は焼そばやお好み焼きとご飯を一緒に食べていたように記憶しています。焼そばやお好み焼きは濃いめの味なのでご飯のオカズとして意外と有能では?と思わなくもないものの、例えば蕎麦やうどん、スパゲティとなると、正直厳しい。漬物や佃煮などご飯のお供として定番の常備菜があればそれをオカズにご飯を食べつつ、蕎麦やうどん、スパゲティも一緒にいただくのは子どもの頃の自宅ではほぼ当たり前だったような気がします。とは言えやはり蕎麦やうどん、スパゲティをオカズにホワイトライズをモリモリ食べる、といった経験は記憶にありません。が、しかし。先日、とある飲食店の前を通りかかり“新しいお店ができているな〜”ぐらいの感想を抱きつつネットで少し調べてみると、なんと店頭の横断幕に“スパゲッティはおかずです”と掲げられているパスタ専門店だと判明。開業は2023年(令和5年)10月とまだ1ヶ月程度ながら、複数のチャンとした京都の飲食店紹介ブログでも取り上げられていました。“スパゲッティはおかずです”…このパワーワードよ。当ブログでは本来、最低でも半年以上は営業されていないとREPORTしないのですが、あまりに衝撃的だったため俄然興味がわいてきました。そこで今回は、本当に“スパゲッティはおかずです”なのか、を確かめるべく急遽訪問してみることに。
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川端通と二条通の交差点(川端二条)を北へ240mほど行き、冷泉通を東へ360mほど行ったところにあるパスタ(こちら的にはスパゲティ?)専門店「月刊ヤングスパゲティ/ヨルノプリン」。何だか月刊誌のような店名でスパゲティとプリン、どちらがメインなのか?と思わざるを得ませんが、ランチタイムの12:00〜15:00が「月刊ヤングスパゲティ」、ディナータイムの19:00〜23:00が「ヨルノプリン」のようです。もちろん「ヨルノプリン」でもスパゲティ各種や一品料理などの食事も大丈夫。こちらは祇園や四条河原町近くにある肉バル「ステーキバル プラチナビーフ」系列のお店のようで、肉料理にもお強いことが推察されます。時刻は14:10、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。
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スパゲティのラインナップを見る限り「月刊ヤングスパゲティ」¥1,408以外は本格的なパスタ専門店らしい雰囲気です。肉料理に強いだけあって肉系のアラカルトも充実しており、飲む人にとっても便利なお店でしょう。ちなみに今回訪問時、お一人様ワンドリンクオーダー制とのことでしたので、料理と一緒にソフトドリンクやアルコール類などのドリンクを注文しなければいけません。最もお安い料理とドリンクでも¥2,000ほど必要ですので、当ブログではたまの贅沢ランチということになります。では早速、店内へ入ってみましょう。
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鴨川を臨むテラス席もありますが、この時期は寒いのでお客さんはいらっしゃいません。店内は真新しいカフェのような雰囲気で、昼のラストオーダーギリギリにもかかわらず3組ほどのお客さんが食事を楽しまれていました。女性のお一人様もいらっしゃって早速人気店の様相を呈しています。店名からもっとヤングやハラペコミドルの男どもが集う印象だったものの、女性客の方が多いぐらいでした。まぁパスタ(スパゲティ)の女性人気は男性における牛丼に匹敵しますからね。では改めてメニューを確認してみましょう。
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9種類あるスパゲティ類のすべてにサラダとライスが付く、やはり“スパゲッティはおかずです”をコンセプトとしたお店のようです。個人的にはどう考えても「カルボナーラ」¥1,738にホワイトライスが合うとは思えないのですが、ご飯に合う工夫がされているのでしょう。スパゲティ単体で考えれば「和牛ボロネーゼ」¥1,518や「明太子クリーム」¥1,738なども気になりますが初訪問ということもあり、おそらく基本であろう「月刊ヤングスパゲティ」¥1,408(学生さん¥1,210)と「コーヒー(ホット)」¥550を注文してみました。
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「月刊ヤングスパゲティ」が到着。確かにホワイトライスもセットされています。鉄鍋プレートの「月刊ヤングスパゲティ」はトマトソースのフィットチーネ(きしめんのような幅広のパスタ)とマッシュポテト、和牛しゃぶしゃぶデミグラスソースがけでした。そしてライスにはライス用にミートソースとオリーブオイルが付きます。ナルホド、スパゲティや和牛しゃぶしゃぶでご飯を食べつつ、味変としてミートソースとオリーブオイルも準備されている、万全の体制なワケですね。あくまで個人的にはですが、ライスにオリーブオイルをかけて食べるのがどうも得意ではありませんので、困ったときはミートソースにすべてを託したいと思います。まずはトマトソースのフィットチーネからいただきましょう。
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ウン、フツーにおいしい。シンプルなトマトソースベースの味であり、ライス用にムリヤリ塩っぱくや濃厚にしている感じではありません。素朴なおいしさで、イタリアのマンマ(母)の味といった好感のもてる味わいです。ご飯に合うかどうかは別として、パスタとしてはかなり本格的ではないでしょうか。付け合せのマッシュポテトもバター感たっぷりのミルキーな味わいで、おそらく粉末状のマッシュポテトを使われていると思うのですが、トマトソースやデミグラスソースとの相性も申し分ありません。
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和牛しゃぶしゃぶデミグラスソースがけは、ある意味斬新なおいしさでした。まず、大前提として管理人は牛しゃぶ(豚しゃぶも含め)をデミグラスソースで食べたことがありません。食べようと思ったことすらありません。しかし実際に食べてみると新たな発見というか、実は合います。そして何より驚いたのが和牛、しかも脂の甘みがしっかりとわかるロースかバラの部位だったこと。この価格ではうれしい誤算でした。管理人は普段、自炊する際には外国産牛か国産牛(交雑種)しか購入しないものの、年に1〜2回は黒毛和牛を購入してしゃぶしゃぶでひとり黙々と食べるのでわかるのですが、これは和牛にしか出せない味わいです。しかもこの和牛しゃぶしゃぶをゴマダレでもポン酢でもなく、デミグラスソースでいただくのはものすごいの贅沢。これはご飯のオカズとしてはアリでしょう。まさかスパゲティ店で和牛しゃぶしゃぶをいただけるとは思ってもみませんでした。
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ご飯にミートソースを乗せていただきます。こ、これは…一般的なミートソースではなくとてもスパイシーで、あえて近いとすればタコライスのチリソースのような味わいです。もちろんタコライスの例にもれず、ご飯にも良く合います。このミートソースならご飯のお供として十分に大役を果たせるように感じました。
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「月刊ヤングスパゲティ」には自家製プリンも付くようです。このプリンがおいしい。既製品にはない、手作りで丁寧に作られているのがわかるド直球のプリンです。「コーヒー(ホット)」との相性も抜群で、食後のデザートまでしっかり堪能できました。サテ、今回の「月刊ヤングスパゲティ」のトマトソースのフィットチーネはオカズか、という問いについては、管理人的には合わないでもないがバケットの方が合うような気がしないでもないような気もしないでもない、といった感想となるでしょうか。ただ、スパゲティ+ホワイトライスはありそうでなかった、日本の新たな食文化のトビラを開けてしまったのは間違いないでしょう。どことなく禁断の組み合わせのようにも感じます。ここはぜひ、当ブログをご覧の皆様をはじめとする有識者の意見や感想も伺いたいところ。川端二条近辺へお越しの際には、ぜひこちらの“スパゲッティはおかずです”を体験してみてください。管理人はまた別のスパゲティでも試してみたいと考えています。
[2023年11月26日訪問]
月刊ヤングスパゲティ/ヨルノプリン
●住所…京都市左京区聖護院蓮華蔵町20(Google マップ)
●TEL…075-708-8323
●定休日…月曜日
●タバコ…禁煙
●交通…京阪「神宮丸太町駅」から徒歩7分程度
●専用駐車場…なし(自転車・バイクの駐輪場はあり)
●ホームページ…Instagram
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