優しい味わいに心身が癒やされる沖縄料理店

和食編
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京都市内もどうやら梅雨明けのようで、いよいよ本格的な夏到来!とは言え毎年のように愚痴っておりますが、京都市の夏は特に近年、尋常ではない暑さで、早くもウンザリしています。できれば移住したい。管理人はデブ症出不精ではあるものの、実は47都道府県すべて行ったことがあり、日本国内には精通しているとかいないとか、といった感じなのです。各都道府県それぞれに良いところがあり悩ましいのですが、もし経済的・時間的に自由に移住できるとするなら、やはり沖縄県が頭に浮かびます。もっとも管理人はウェーイな感じではありませんので、アクティビティやマリンスポーツには一切興味がなく、冬でも比較的温暖な気候とおいしい食事、そして何より優しくて気さくな人が多く、住みやすそうに思うのです。イ、イヤ、ベ、別に京都の人が優しくないとか気さくでないとか感じ悪いとか感じ悪いとか言っているワケではありませんよ。しかし現実的に沖縄県へ移住できるお金も時間もありません。おそらく管理人は死ぬまで沖縄県に移住したい…と言い続けることでしょう。そこで今回は久しぶりにせめて食事だけでも沖縄気分を味わいたいと考え、以前から気になっていたお店を訪問してみました。

今出川通堀川通の交差点(堀川今出川)を東へ50mほど行ったところにある「沖縄食堂 いちゃりば」。こちらは百万遍で営業されていて、昨年2023年(令和5年)5月に現在地に移転されました。以前はカメラ店だったように記憶していて店頭を通った際、急に飲食店になっていて驚いた覚えがあります。開業当初から興味津々ではあったものの、なかなか訪問する機会がなく初訪問となりました。こちらは通常、8:30〜18:30の通し営業で、モーニングサービスまで用意されている喫茶店のようなお店です。時刻は14:15、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

沖縄県の料理はいろいろとありますが代表的な料理と言われれば「ソーキそば」と「ジューシー」は外せません。「ソーキそば」は見た目ラーメンのような雰囲気ですがダシは昆布メインで和のテイストが感じられる麺類。「ジューシー」は沖縄の炊き込みご飯で、こちらも奥深い味わいながらアッサリとしていて、日本人なら納得のおいしさでしょう。沖縄県はかつて琉球王国と呼ばれた国家があり、文化的には中国と日本それぞれの影響を色濃く残しているうえ、1945年(昭和20年)〜1972年(昭和47年)までアメリカが統治していた関係上、アメリカの文化も感じられます。管理人が沖縄県を好きなのは、他の都道府県にはない独自の文化があるからに他なりません。ちなみに管理人が沖縄県で最も好きな料理は“THE アメリカ”なビーフステーキだったりします。「ソーキそば」と「ジューシー」は、日本料理に大陸のエッセンスが香る大衆食でアメリカらしさはありませんが、日本食を語るうえで不可欠な料理だと個人的には思うのです。そこで今回は「ソーキそば」と「ジューシー」の両方をいただける「お得ランチ ソーキそば+じゅーしー」¥880に決めて店内へ入ってみました。

沖縄県の食堂のような雑多な雰囲気で冷房もガッツリと効いていて心地よい。そう、京都の夏はもう何もかもイヤになるほど暑いのです。そのうえ京都人は管理人も含めほぼほぼドケチですから、電気代を節約されて?か温度設定が控えめなお店も少なくありません。寒がりさんが多い女性には適温かも知れませんが、管理人のような太ましい汗っかき体質には中途半端な室温こそ敵なのです。もちろん自宅では電気代のことだけを考えてギリギリ熱中症にならない室温としているのですが、外出先、特に飲食店(なかでも喫茶店)は室温25℃以下でお願いしたい。要するに夏の京都の外食は、涼みに行く目的もあるのですよ。電車でも“アッ、この車両はなんかすいている”と喜んで乗り込んだら実は弱冷房車でガッカリした、なんて経験を頻繁にしています。地球温暖化対策の観点からも適切な室温設定はあると思うのですが、今を生きている管理人にとって電気代さえ気にする必要がなければ本当は18℃ぐらいにしたい。寒がりな人はカーディガンか何かを羽織っていただきたい。異論ある人が多数なような気がしないでもありませんが、こちとらもうマッパになるぐらいしか暑さ対策ができず、そんなことをしたら即通報⇒逮捕されて人生が終わるのですから。などと愚痴をこぼしながらありがたい涼しさにひと心地つけましたので、改めてメニューを確認してみましょう。

食事はおおよそ¥1,000前後のリーズナブルな価格設定で、喫茶店としても利用できそうですね。夏季限定の「冷やし沖縄そば」も魅力的ですが、今回は初志貫徹で「お得ランチ ソーキそば+じゅーしー」です。¥1,000でオツリがくるリーズナブルさ、そして何より店内が涼しいので熱い料理でも大丈夫そう。北海道のご家庭では冬場は30℃近い室温まで暖房をガンガン入れて、Tシャツなどの軽装で冷たい飲み物やアイスクリームを楽しまれていると聞きます。管理人は冬の北海道には行ったことがないため、あくまで伝聞ですが、この発想こそ食事を楽しむコツではないでしょうか。もう京都市の夏は熱帯そのものですので、冬ぐらいまで室温を下げてセーターやダウンジャケットを着込みながら熱々のオデンなどを食べるというライフスタイルを確立すべきでしょう。京都市名物として定着すれば今以上に観光客も増えて市の財政もウハウハでしょうから、6月〜10月は全世帯の電気代をすべて京都市負担にしてみてはいかがでしょうか。…また室温のハナシばかりしてしまいました。当ブログ京都の飲食店紹介ブログであり京都市に物申すブログではございませんので、さっさと「お得ランチ ソーキそば+じゅーしー」を注文いたします。

「お得ランチ ソーキそば+じゅーしー」が到着。「ソーキそば」のダシの香りがたまりません。付け合せは「ゴーヤのお浸し」でしょうか、この苦味がオトナの味わいです。管理人が子どもの頃にはゴーヤをどこの八百屋さんでもスーパーでも見たことはありませんでしたが、最近では当たり前のように販売されています。実は検疫の関係で1993年(平成5年)ぐらいまで沖縄県から他の都道府県に野菜や果物などを出荷できなかったため、管理人のような昭和のオッサンにとっては異国感のある野菜なのです。とは言えゴーヤの料理を食べるとやはり和のテイスト。幼い頃からあったトマトやクレソンなどはいまだにどこか外国感はありますが、ゴーヤは山菜などと同じ苦味を楽しむ野菜であり外国感はそれほどありません。食べるほど健康になるような気もしますので、中高年の皆さんもぜひ積極的にゴーヤを摂取いただきたいと思います。では「ソーキそば」をいただきましょう。

この昆布の効いたカツオダシがノドにスッと入ります。しかも塩味控えめな優しい味わいなのもおいしい。どうも管理人はコッテリ甘辛味が大好物なオッサンだと誤解されているフシがありますが、京都人らしく薄味仕立ても好きなんです。別に加齢のせいではありません。沖縄は昔から昆布の消費量が全国でも有数の県で、京料理でお馴染みの京都より多く消費されています。この昆布の旨味にカツオブシの旨味が組み合わされた旨味の二重奏のダシは、うどんの名店のダシに匹敵するおいしさだと実感できました。暑いとつい味の濃いものを欲しくなるのですが、このスッキリとした旨味の極致のようなダシは、暑い夏こそ食べやすいとさえ感じます。

麺は平打ち麺のようなモチモチ食感で、やはりラーメンの麺ともうどんとも異なる独特のおいしさです。食べごたえもあり、ダシとの相性も抜群でしょう。具のワカメやさつま揚げも旨い。全体的にアッサリとはしながらも、満足度はかなり高い麺料理ではないでしょうか。うどん好きな人ならこちらの「ソーキそば」は絶対にオススメできます。

そして具のメインを張るのはラフテー、豚の角煮です。このトロトロで口の中で溶ける食感はさすが。豚の角煮自体は中華店でも和食店でも提供されているのですが、沖縄料理店のラフテーが豚の旨味を最も重視しているように思います。中華であれば香辛料、和食であれば香味野菜を効かせてコッテリとした甘辛味に仕上げあれることが多いものの、ラフテーも薄味で余計な脂はすべて落として豚肉本来の旨味を味わえる、サッパリした味わいなのです。このプルプルは脂ではなくコラーゲンで、脂っこさや臭みなどは一切ありません。どれほど丁寧に調理されているかがわかる絶品のラフテーを堪能できました。

こちらの「じゅーしー」はヒジキとニンジンだけのシンプルな炊き込みご飯ながら、濃い味付けではないためパクパクといくらでも食べられそうなおいしさです。そうか、ダシに米とヒジキ、ニンジンの素材の良さを引き出すと、醤油などの塩味は本当にギリギリで良いのか、と勉強になりました。管理人は自宅で主にキノコの炊き込みご飯を頻繁に作るのですが、食べ始めは満足するものの食べ進めるにつれてちょっと塩気が強すぎたかも?といつも思っていました。ただ、あまり薄味を意識して醤油などを減らすと味のない(関西弁では水くさい)まずさになりそうな気がしてしまい、毎回毎回同じ量の醤油を入れていたのですが、こちらの「じゅーしー」をいただいて目が覚めました。昆布やカツオブシでしっかりとダシを取れば、醤油は減らせるのです。よく考えればキノコからも昆布やカツオブシとは異なる旨味がたっぷりと出ますので、むしろ醤油は減らすべきだったと思い知りました。こちらの「じゅーしー」の素朴な味わいは、もしかすると炊き込みご飯の中でもかなり上位のおいしさかも知れません。どの料理も沖縄の人と同様、とにかく優しい味わいで夏の暑さすら忘れてしっかり完食できました。堀川今出川近辺にお越しの際にはぜひこちらの沖縄料理各種で栄養補給していただき、暑すぎて感じ悪すぎな京都の夏を乗り越えていただきたいと思います。

[2024年7月21日訪問]

沖縄食堂 いちゃりば
●住所…京都市上京区飛鳥井町2(Google マップ
●TEL…075-279-3163
●定休日…不定休
●タバコ…禁煙
●交通…地下鉄「今出川駅」から徒歩8分程度
●専用駐車場…なし
●ホームページ…Facebook
※さらに詳細は食べログ「沖縄食堂 いちゃりば」をご確認ください。

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