昭和なメニューラインナップが魅力の町中華店

中華編
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2024年(令和6年)も残すところ後数日。皆さんはやり残したことなどはおありでしょうか。管理人は多過ぎてもうすでに諦めモードへ突入していますが、このブログでは1つだけあります。それは最近、町中華の王道でもある昭和の大衆中華店のREPORTをしていないことです。実は7月にREPORTした「中華ハウス 天来」以来、半年近くも昭和の大衆中華店をREPORTしていないことに気づきました。そもそも当ブログ京都の冷やし中華専門ブログからスタートしたこともあり、冷やし中華の提供率が最も高い昭和の大衆中華店は得意中の得意ジャンルだったハズなのですが、洋食店や食堂・定食店、喫茶店などに浮気しまくった結果、昭和の大衆中華店は疎遠となっていました。また、正直に告白すると、京都市内の管理人が知っている昭和の大衆中華店はほぼほぼREPORTし尽くしたのもREPORTが遠のいている原因です。とは言え京都市内と言えども管理人にとって土地勘があまりない西京区・山科区・伏見区であればきっとまだREPORTできていない昭和の大衆中華店はあるハズ。とウツラウツラ考えていると、思い出しました。そう、“木を隠すなら森の中”のことわざのとおり、大衆中華店を探すなら京都市内有数の中華料理店激戦区である伏見区です。そこで今回は、龍谷大学深草キャンパス京都教育大学周辺の中華料理店激戦区へ向かおうと、京阪「藤森駅」エリアへ向かいました。

師団街道京都府道68号南インター竹田線の交差点(藤ノ森)から北へ140m、西へ300mほど行ったところにある昭和の大衆中華店「三園飯店(みそのはんてん)」。この辺りで昔ながらの町中華店と言えば「中国料理 西海」が有名で、他は最近乱立気味のガチ中華店やラーメン店が多い立地ながら、こちらもおそらくは昭和の町中華店でしょう。実は管理人がこちらを知って初めて訪問したのは10年ほど前ですので、本当の意味で昭和のお店かどうかは自信がありません。こちらは11:30? 11:45? 12時?〜21時までの通し営業だそうで、遅めのランチにも便利でしょう。学生街ながらこちらに関しては学生よりは近隣に居住もしくは勤務されているミドルやシニアが足繁く通うお店の印象です。時刻は12:40、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

このメニューラインナップは昭和のお店で間違いないでしょう。リーズナブルな価格は庶民の味方ですね。オカズ2品が付く「日替定食」¥800も¥1,000でオツリがくる価格設定なのがうれしい。これは平成や令和生まれの中華店ではありません。物価高な昨今、この価格がどこまで維持できるか心配になりますが、昭和の飲食店には何となく昭和の優しさがあるのです。昭和のオッサンはパーカーの着用すら許されない?仕打ちを受けるなど、何かと風当たりが強いものの、女性や平成、令和の人はもう少し昭和のオッサンに優しくしても良いのではないでしょうか。まぁパーカーの件だけでなく、特定の年代・性別の人を指してネガティブな意見をSNSなど公共の場で発信するのは、年代・性別を問わずどのように言い訳しようが取り繕おうが単なる非常識でそのキツさに無自覚な人間であり、昭和のオッサンもあまりムキにならず、オトナの余裕でサラリと無視すればよろしいかと。SNSなどでヒートアップしている昭和のオッサンはどの人も頭が良くてお金持ち、いわゆる社会の成功者なのもある意味ナゾではありますが。社会でまったく成功していない管理人は今回、残念ながらパーカーを着ながらREPORTしております。では早速、店内へ入ってみましょう。

大衆中華店らしい年季が入った店内です。ただしよくある小汚い感じではなく、清潔感があります。カウンター5席に4名テーブル席3卓で、お一人様でも気軽に利用できるでしょう。管理人が入店してからしばらくして、お一人様のミドル・シニア男性が2組入ってこられましたので、まさに地元密着型のお店ではないでしょうか。では少し見づらいとは思いますが、改めてメニューを確認してみましょう。

定食4種と本日はセットメニュー4種、そして単品の構成です。一品料理や麺類はどれも昔ながらの定番ラインナップなのも高ポイント。ガチ中華店のような“エッ、何この料理?”的なメニューは一切ありません。安心感がハンパありません。飲む人なら¥2,000もあれば十分満足できるでしょう。管理人は子どもの頃、知り合いのオトナのオゴリでこちらのような大衆中華店によく連れて行ってもらっていたのですが、小学生ぐらいだったクセに麺類と飯類、さらに一品料理を数種類、アホほど注文して完食するイヤな子どもでした。管理人を連れて行ったオトナは絶対ムカついていたとは思うのですが、不思議と怒られた記憶はなく、むしろ“食べろ、食べろ”と煽られていたような気すらします。昔のオトナがおおらかだったのか、値段の計算ができなかったのかは知りませんが、昭和の大衆中華店にはついつい注文してしまう魔力があるのです。そんな昔の記憶を思い出し、少食な管理人ではあるものの今回は少しだけ大食いをしてしまおうと、「柳麺(ラーメン)」¥580と「焼肉定食」¥980を注文してみました。

まずは「柳麺(ラーメン)」が到着。この透明なスープにチャーシュー、モヤシ、青ネギ、メンマ(と表記するよりシナチクと書く方が似合う)が昔から大衆中華店で提供されていたラーメンです。最初に断っておきますが、ラーメンは最近のラーメン店、イヤ、何ならコンビニのラーメンの方が圧倒的においしいでしょう。おいしいの定義が“旨味の相乗効果”であるならば、ですが。平成・令和生まれの人にとっては少しモノ足りない旨味のラーメンかも知れません。が、昭和生まれで昔の中華店のラーメンを知っている管理人などにとっては懐かしい味であり、おいしいと感じるのです。

スープは鶏ガラ醤油の優しい味わいです。本当のことを言えば、昔は一般に流通していなかった中華ダシペーストなどを使えば、自宅でもかなり近い味にはなります。でもね、何か違うのです。おそらくはお店の雰囲気だったりが影響しているのでしょうが、この味は昭和の中華店や食堂でしか味わえない昭和生まれ歓喜のラーメンだと感じました。

京都らしい細麺と、豚モモ肉を使ったチューシューも昭和の味。イマドキのラーメンと比べるとかなりアッサリな味わいで、淡麗という言葉がピッタリです。このうどんや蕎麦のような、毎日食べてもおそらく食べ飽きないおいしさこそ、もはや貴重な味になっていると感じました。管理人が子どもの頃に食べていたラーメンであり、自宅近所のショッピングセンター内にかつてテナント出店されていた「スガキヤ」のラーメンを初めて食べて“これはラーメンじゃない!”と驚いた時代から比較にならないほど進化したラーメンではありますが、たまにはこの昭和の味を懐かしみながら食べたいと再認識できたと感じています。

続いて「焼肉定食」です。喫茶店や食堂・定食店と大衆中華店の「焼肉定食」の違いはズバリ、タレ。管理人が大好物の喫茶店や食堂・定食店のタレはほぼほぼ市販の焼肉のタレを使用されています。一方、大衆中華店、特に昔ながらのお店のタレは市販の焼肉のタレよりも、ニンニクや醤油、オイスターソースなどの中華調味料を使った手作りが多い感じで、お店ごとに味が異なるのも魅力の1つ。中華店の焼肉定食を食べるのは久しぶりだわ〜と、ひとり感慨に耽りながらいただきます。

これはもう白メシ泥棒ですね。こちらの焼肉のタレも多分市販品ではないのでしょう、よくある濃い味付けではないものの、牛肉の旨味がしっかりと感じられるおいしさです。牛肉は赤身肉ながら柔らかで食べやすく、タレと相まって意外とサッパリいただけます。また、一緒に炒められたキャベツやピーマン、タマネギが旨い。炒められた野菜がおいしいのは、中華の技法である油どおしされているからでしょう。これだけでも自宅では再現する気が起きません。これだけのキャベツやピーマン、タマネギを普通に炒めても、ただただベチャっとしてヘタをすると生煮え状態となり、ちっともおいしくないと思います。これはご飯はもちろん、ビールのツマミとしてもかなり優秀ではないでしょうか。久しぶりに昭和の大衆中華店の味を堪能できました。京都であれば昔は同じような味のお店の代表格が「餃子の王将」だったのですが、今ではすっかり令和に順応されていて、こちらのようなラーメンや焼肉をいただくことができません。日々女性や若者から虐げられている同志諸君、ぜひこちらのような昭和の大衆中華店で元気を取り戻されてみてはいかがでしょうか。恐れることなくパーカーでも作務衣でもフロックコートでもお好きな服装で昭和の味をご堪能ください。

[2024年12月15日訪問]

三園飯店
●住所…京都市伏見区深草西浦町6丁目47-7(Google マップ
●TEL…075-643-4007
●定休日…不定休
●交通…京阪「藤森駅」から徒歩8分程度
●専用駐車場…なし
●タバコ…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「三園飯店」をご確認ください。

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