三条会商店街にあるガチ中華な町中華店

中華編
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先々週に昭和の食堂で中華そばをREPORTして、ふと気づいたのですが、そう言えば昭和の町中華店のラーメンもイマドキのラーメンとは味が違っていたなぁ…と、子どもの頃の記憶を思い起こしていました。では昭和から営業している町中華店に訪問して実際に食べてみよう、と思ったものの、よく考えれば管理人が知っている昭和の町中華店はすでにほぼREPORT済みなのが発覚。厳密に言えば南区や伏見区、山科区などでまだREPORTしていないお店もあるのにはあるのですが、ドンヨリとした梅雨空のような天気ですのであまり遠出はしたくないなぁ…今週もテキトーに言い訳をしてサボろうお休みしようかなぁ…とボンヤリ考えていたところ、そう言えば京都市南区にある中華店の支店が京都三条会商店街にできていたことを思い出しました。しかも本店格である京都市南区の店舗は現在、休業中。つまり現時点では支店の京都三条会商店街のお店しか営業されていないのです。これはもう、REPORTするしかありません。京都市南区のお店はかなり昔に伺ったことがあり、ほぼほぼ昭和の町中華店と言っても差し支えないでしょう。ただ、昭和の町中華店と異なるのは、オーナーさんや料理人がバリバリの中国の人だったこと。そう、町中華のメニューもあればガチ中華のメニューもあると言う、かなりカオスな中華料理店だったように記憶しています。では早速、京都三条会商店街へ向かいましょう。

三条通千本通の交差点(千本三条)の東にある京都三条会商店街の西側入口を東へ130mほど行ったところにある中華料理店「老上海 三条店(ろうしゃんはい さんじょうてん)」。実は本店格の京都市南区の「老上海」はいつの間にか「老上海 焼き小籠包」に店名が変わって?いて、しかもまだしばらくは休業せざるを得ない状態とのことで、京都市内の「老上海」として営業されているのは現時点ではこちらただ1軒です。京都三条会商店街に支店ができたのは1年ほど前になるでしょうか、店頭には中華惣菜などテイクアウトメニューも陳列されていて、しっかりと営業されています。と言うか、日曜日に久しぶりに京都三条会商店街を歩いてみましが、日曜日に休まれているお店が多過ぎです。管理人は10年以上前の数年、京都三条会商店街のヘビィユーザーでした。平日、ほぼ毎日のように飲食していたので日曜日の様子をあまり知らないのですが、商店街って土日が稼ぎどきではないのでしょうか。歩きながら最初は“ゲッ、シャッター商店街化してる?”と一瞬不安になるほど。もちろん、全国的に時代の流れとして商店街の過疎化は深刻な社会問題であり、今回も70年以上営業されていた精肉店が物価高騰などを理由に閉店の貼り紙をされておられるのを拝見いたしました。それでも京都市内の商店街として京都三条会商店街まだまだ頑張っておられる方だと感じています。たま〜に自転車を爆走して通行している人も見受けられましたが、地元らしき老若男女や外国人観光客などで賑わっていました。まぁ、長年商売をされているからこそ、日曜休業を判断されているのかも知れませんが。こちらの定休日は月曜日で、昼の営業時間は11時〜15時と遅めのランチにも対応。夜は17時〜22時まで営業されています。時刻は13:50、早速店内へ入ってみましょう。

2名テーブル席5卓と4名テーブル席3卓、8名ぐらいが座れる大テーブル席があり、かなりの収容席数となっています。2名テーブル席も充実していますので、お一人様でも安心して利用できるでしょう。店員さんは中国語も日本語も堪能ですので日本語でのコミュニケーションも問題ありません。そして中国以外の外国人客向けなのでしょう、QRコードによる注文にも対応されています。日本人であれば当然、フツーに口頭で注文もできますよ。そしてガチ中華あるあるの大量のメニューも机上に置かれていましたが、もう撮影するのがメンドクサイので、グランドメニューについては食べログに掲載のメニューページなどをご覧ください。ではランチメニューを確認してみましょう。

定食類が充実しています。価格的にもおおむね¥1,000前後とリーズナブル。しかも定食類はガチ中華ではなく町中華色がかなり強めのラインナップとなっていて、ヘタをすると餃子の王将と間違えそうになるほど安心のメニューが勢揃いしています。と、本来の趣旨を忘れてウッカリ定食類から選びそうになりましたが、今回は昭和の町中華店のラーメンです。そこで「海鮮ラーメン」¥980をチョイス。さらに「ラーメンセット」としてもの凄く気になった「豚カツ丼」¥350に決めました。中華店ですので本当は「チャーシュー炒飯(小)」¥350にした方が良いのでしょうが、中華店のカツ丼はうどん・蕎麦店や食堂・定食店のカツ丼とは違う独特の味わいが楽しめるのです。

まずは「海鮮ラーメン」が到着。思っていたとおりのビジュアルです。つまり、昭和の町中華店のラーメンとは、すべてのお店ではないものの今で言うタンメンや五目そばに近いものが多かったと思います。管理人が幼児だった頃、悪い大人たちに連れて行かれていた近所の大衆中華店のラーメンはまさにこんな感じでした。イヤ、ラーメンを名乗っていましたが、本当はタンメンや五目そばだったハズです。そもそも五目そばはともかく、関西でタンメンは馴染みの薄い麺料理でした。なのでおそらくですが、関西ではタンメンであろうがラーメンであろうが、汁そばはすべてラーメンもしくは中華そばと称していたのが実態だったのではないか、と勝手に推察しています。まぁタンメンや五目そばのスープのベースは塩鶏ガラスープで、それはもうほぼ塩ラーメン。昭和の時代はSNSで細かいことを指摘して炎上するようなこともない、おおらかな時代だったのです。では期待どおりの味なのか、まずはスープからいただきましょう。

コレですよ、コレ。この鶏ガラと海鮮、特にベビーホタテのダシにキリッとした塩味のスープが、管理人が子どもの頃から親しんできたラーメンの味です。醤油なんて1滴も入っておらず、シンプルかつアッサリ味ながら昭和の食堂・定食店の中華そばとは異なる方向性の食べ飽きないおいしさ。日本のうどんや蕎麦のような麺料理の中国版、と言った感じです。中華麺に合うのは当たり前として、このスープで雑炊をしても絶対に旨い。体調不良で少しぐらい食欲がなくても、この雑炊ならズルズルといただけるでしょう。しかも野菜たっぷりで栄養価も満点。今の日本の食文化は和食由来のダシ文化を基本として成り立っており、旨味成分を複合的に重ねることこそが正義のような風潮があります。確かに日本の食文化で最も発展したと言えるであろう最近のラーメンは旨味が重層的かつ複雑で、もはやどこの国のスープよりも高いレベルに達している個人的には思うのですが、この「海鮮ラーメン」のような潔さ、透明感のあるスッキリさは、ある意味でスープ料理のもう1つの完成系ではないかと感じるほどでした。

麺はもうソーメンと呼んでも差し支えないほどの極細麺です。この優しい味わいの塩味のスープと良く合います。京都人はうどんでも蕎麦でも中華麺でも細麺を好む人が比較的多く、京都らしい麺であると言えるでしょう。細麺ならではのスルスルとした食感と喉越しが心地よく、本当の意味での京都のラーメン、と呼ぶにふさわしい味なのかも知れません。

具材も豪華仕様です。エビ、ベビーホタテ、そしてもの凄い包丁の技術力が感じられるイカの海鮮に、白菜とチンゲンサイの野菜、シメジにどっさりと盛り付けられたキクラゲと、¥1,000以下とは思えないゴージャスさです。特にキクラゲなんて中華料理以外ではまず食べないキノコなのに、このプリップリの食感はクセになります。そして何より、やはり具材とスープとの相性が抜群。昭和の人々から愛されてきた町中華店のラーメンを堪能できました。

そして「豚カツ丼」はまさかのソースカツ丼でしたw 丼に盛られているので「豚カツ丼」ですが、平皿に盛れば洋食のカツライスです。もちろんおいしいに決まっています。マズくなる要素なんて1ミリもありません。町中華のカツ丼を想像していたので少し驚きましたが、カエル料理?まで提供されているガチ中華店のカツ丼がソースカツ丼とは、懐の深さを感じざるを得ません。本場中国の人も日本人もみんなが満足できる料理が揃っているお店です。政治・外交的には何かと難しい日中関係ですが、こちらでは日中共存が実現されていると感心しました。本格中華が食べたい人も、町中華が食べたい人も、中華料理店選びに迷われているならぜひこちらのさまざまな料理を味わってみられてはいかがでしょうか。

[2025年5月18日訪問]

老上海 三条店
●住所…京都市中京区壬生朱雀町1-4 足立ハイツ1F(Google マップ
●TEL…075-811-8081
●定休日…月曜日
●交通…JR「二条駅」東口から徒歩5分程度
●専用駐車場…なし
●タバコ…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「老上海 三条店」をご確認ください。

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