童夢 【再開】
※お知らせ※
「童夢」は2019年2月末日にいったん休業後、2020年3月17日に現在地で再開されましたので3月30日にREPORTいたしました。
管理人が子どもの頃、当時は珍しかった料理バラエティー番組「料理天国」がTBS系列局で放送されていました。週ごとにフランス料理、日本料理、中華料理、西洋菓子を紹介する番組で、料理ジャンルに応じて大阪あべの辻調理師専門学校(現在の辻調グループ)の先生方が料理を作られていたと記憶しています。その中で西洋菓子を担当されていたのが、辻調グループ校 製菓主任教授の川北末一氏。そして、その川北先生の助手を務められていた方が独立し、1980年に京都で開業されたのが、現在は河原町今出川を西へ50メートルほどの所にある「童夢(どうむ)」です。
その噂を聞きつけた当時“料理天国のケーキが食べられる!”と異常に興奮したのを覚えています。まだ本格的な洋菓子が一般に普及していなかった時代。テレビで見る洋菓子はまさに憧れでした。それ以来、ハレの日には「童夢」に行き、ショーケースに並べられた色とりどりのケーキを真剣に見つめながら、一番食べたいケーキを選んで買ってもらうことが何よりのご褒美だったことを思い出します。
46歳になった現在、ハレの日なんてまったくありません。誕生日はすでに嬉しい日ではなくなり、記念日関係とは一切縁がない毎日。そもそも常に“痩せたい”と願っていますので、ケーキなんてコンビニで衝動買いする以外、あまり食べません。「司津屋」で食事を終えた後、19:30に「童夢」の前を通るとまだ営業しています。これは食後のデザートとしてケーキを食べるべきでしょう、ということで久しぶりにショーケースのケーキを真剣に選び、店内へ。
一番人気の「カマンベールチーズケーキ」は既に売り切れていました。そこで「スペシャリテ カフェショコラ」¥450をオーダーします。
生チョコレート、コーヒーのムース、洋梨入りのカスタードムース、生クリームムース、生チョコムースが層になり、土台は風味豊かなタルト生地という贅沢な構成です。甘味控えめながら濃厚な味わいは、フレンチではなくフランス料理のお菓子。このクラシカルな味わいこそ、40年近く前に憧れた「料理天国」の西洋菓子です。京都は洋菓子王国でもあり、洋菓子も日々進化を続けています。最新の洗練された味わいの洋菓子も確かにおいしい。しかし、この重厚さ、この贅沢感、この満足感を満たす洋菓子には、なかなかお目にかかれないのも事実です。少なくとも「童夢」のケーキには、ハレの日にこそ食べたい“品格と品質”が備わっていると思います。
「ケーキセット」¥780にし、「アイスコーヒー」も注文。
ドリンクはあくまで喉を潤すためのもので、やはり主役のケーキを引き立たせるアメリカンなアイスコーヒーです。お店の意思、思想が感じられる1杯。普段、コーヒーにはうるさい管理人ですが、これはこれでアリかな?と思いました。濃厚なコーヒーとは合わないケーキのような気がします。
地元の方をはじめ、同志社大学の学生、近隣の高校生にも人気の40年近い歴史を持つお店です。京都に来られた際には、ヌーベル・キュイジーヌ以前の本格フランス料理の伝統と技法が息づく西洋菓子を、手軽なお値段で味わってみてはいかがでしょうか。ちなみにランチも本格派ですので、ランチからのケーキを楽しむこともできますよ。
[2018年9月8日訪問]
= 童夢 =
●住所…京都市上京区一真町92
●TEL…075-256-3557
●定休日…日曜日および月曜日
●備考…店内禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「童夢」で検索してください。
コメント