西院で古くから愛される大衆中華の名店

中華編
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春日京珉 【閉業】

※お知らせ※
「春日京珉」は2020年(令和2年)10月で営業を終了されました。この界隈では古くから地元の人々に親しまれてきた大衆中華店で、昭和がどんどん遠くなると実感しています。長きに渡りお疲れ様でした。

以前、四条大宮の「大宮京珉」という大衆中華店をREPORTしましたが、“京珉”と名の付くお店がもう1軒あります。西大路四条西院)を西へ100mほど行った佐井通春日通)を200mほど南下したところにある大衆中華店「春日京珉(かすがきょうみん)」。「大宮京珉」との関係は不明ながら、似たようなメニューラインナップなので同門なのかも知れません。こちらのお店もかなり古くから営業されていて、地元の人々に愛される名店と言えるでしょう。

複数の飲食店が入居するビルの1階にあるお店です。京都の個人経営の大衆中華店としては珍しく深夜0:30まで営業されていて、〆チャーハンや〆ラーメンなどを目当てに訪れるお客さんで賑わっています。もちろんランチやディナーとしてもよく利用されていて、飲食店激戦区の西院エリアにあって長年営業されている人気店です。早速店内へ入ってみましょう。

カウンター10席のみの大衆中華店らしい店内です。味のある大将お一人で切り盛りされています。壁際には所狭しとメニューがかけられいて、卓上メニューにはないセットメニューなども注文可能です。管理人にとっては久しぶりの訪問ですので、とりあえず卓上メニューを確認します。

もう少し寒ければ絶対に「什景湯麺(五目そば)」¥500を注文していました。季節限定の「アンカケラーメン(塩味または醤油味)」¥620や「木須肉(きくらげ入肉玉子いため)」¥500、「蟹肉豆腐(豆腐とかに肉の煮)」¥400など、どれも安くて魅力的なメニューが満載です。今回は入口に掲示されていた「手羽唐揚定食」¥620を注文してみました。管理人は鶏の部位では手羽先や手羽中が大好きなのです。

手羽唐揚が3つにサラダ、中華スープ、キュウリの浅漬、ご飯のしっかりとした定食が¥620!実は「手羽唐揚定食」を大将に注文した後、心の中で“手羽の唐揚げだから手が汚れるな…”と少しだけ後悔していたのですが、食べやすいチューリップになっていて驚きました。チューリップとは手羽の身を骨の先端に集めた整形法。食べづらい手羽先や手羽中の肉が食べやすくなる世紀の大発明です。昔はどこのお肉屋さんでもチューリップは売っていましたし、手羽先や手羽中をチューリップにして、と言えば簡単にやってくれました。今でも鶏肉専門店や大きなお肉屋さんなら有料で対応してくれますが、手羽先や手羽中の元値が安いだけに結構割高に感じます。では、さめないうちにかぶりつきましょう。

手羽特有の肉の脂と旨味にウットリするおいしさです。鶏の唐揚げの部位としては手羽がナンバーワンではないでしょうか。皿に盛られた塩こしょうミックス(通称:魔法の粉)につけて食べると、ご飯にもビールにもよく合います。そしてやはりチューリップの食べやすさは重要です。名古屋の手羽先もおいしいですし、地元の方は器用に食べてらっしゃいますが、チューリップにすればいいのに!と不器用な管理人は常々思っていました。身だけがコロンとはずれて食べやすいチューリップは余計なことを考えずにただ食べることのみに集中できますので、なぜもっと普及しないのか不思議でなりません。あっという間に3つの手羽唐揚を食べてしまいました。少し物足りなく感じましたので、追加で野菜料理を頼みます。

「ジンギスカン」¥630です!たっぷりの野菜(ネギとタマネギ)が炒められた、誰が何と言っても野菜料理で間違いありません。もちろん「ジンギスカン」ですから、野菜と一緒にマトンも炒められています。濃厚な味付けのタレがよくからまったマトンと野菜はまさしく絶品。塩加減もちょうどよくご飯の友に最適で、大衆中華店の真髄と言える味わいです。簡単に作れるように見えて、この味はなかなか出せません。熟練の大将だからこそ作り出せるスペシャリテと断言できます。

昭和の頃は当たり前のようにあった大衆中華店ですが、その数は減少傾向です。後を継ぐ若い人材に乏しいことや、中華チェーン店が幅広く展開していることもあり、個人経営の大衆中華店は少しずつ姿を消していくのかも知れません。京都に観光や商用で来られた方だけでなく、京都在住の方にも、この大衆中華の名店の味わいを舌に記憶していただきたいと心から願っています。

[2019年3月11日訪問]

春日京珉
●住所…京都市右京区西院北矢掛町46-2
●TEL…075-312-3302
●定休日…不定休
●備考…店内喫煙可
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「春日京珉」で検索してください。

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