AUX BACCHANALES
(オーバカナル京都)
日本で西洋料理と言えば、最近はイタリアンが主流です。1990年ぐらいに起こった“イタメシブーム”で若い料理人がイタリア料理をめざしたことも一因でしょう。また、パスタやピザの手軽さに代表されるコストパフォーマンスにも優れていて、一過性のブームではなく日本に定着・発展しています。一方、西洋料理の代表格であったフランス料理は劣勢です。食事で使う金額としては高い、バターや生クリームをふんだんに使っていて健康に悪そう、ドレスコードやマナーが厳しく堅苦しい、などネガティブなイメージが現在でも継続しています。そんなクラシカルなフランス料理は“ヌーベル・キュイジーヌ”というイノベーションを経て、すっかり様変わりしました。カジュアルフレンチのカテゴリーであるビストロやブラッスリー、カフェといった、フランスでは大衆料理店の意味をもつお店が次々とオープンしています。そんな中、今回は京都のカジュアルフレンチとして数年前から高い評価を得ている「AUX BACCHANALES(オーバカナル京都)」を訪問しました。

1995年に東京に「原宿店」を開店され東京に4店舗、大阪、京都、博多に各1店舗を展開。計7店舗あるチェーン店ながら、各店それぞれに異なる特徴をもつそうです。京都店は四条烏丸にある商業施設「COCON KARASUMA(古今烏丸)」の1階にあり、地下1階には中華の超人気店「老香港酒家京都」があります。“大人の日常使い”をコンセプトとしたカジュアルフレンチ店で、ランチやディナーではビストロ、ティータイムにはカフェとして利用可能。もちろんお一人様でも入りやすく、価格も高くありません。では店内に入ってみましょう。


4月6日(土)の14時前とランチとしては遅めだったものの、8割方はお客さんで埋まっています。こちらのお店は15時までランチタイムで15時以降はカフェ、夜はディナーを楽しめる通し営業。特徴は“ブーランジェリー”と呼ばれる自家製造のパンを提供している店舗形態で、おいしいパンを目当てに来店される方も少なくないそうです。映画などで見るパリのオープンカフェを思わせる雰囲気のせいか、特に女性のお客さんが多いと感じました。それではメニューを確認してみましょう。



軽食やケーキなどのスイーツ類も充実していますが、今回はランチセットにします。限定10食ランチの「牛リブロースステーキ、フレンチフライ、自家製パン」¥1,500は残念ながら売り切れていましたので、同じく10食限定「Bランチ(自家製デミグラスソースのハンバーグ、自家製パン)」¥1,500を注文。以前伺った際にいただいた「Aランチ」¥1,000の魚料理も本格的なフレンチでしたので期待がもてます。

「Bランチ(自家製デミグラスソースのハンバーグ、自家製パン)」が到着しました。「自家製パン」は店員さんがバスケットを手に各席を回ってこられるので、好きなだけオーダーできるスタイルです。本日の自家製パンはバケットとフォカッチャで、フォカッチャが好きな管理人はとりあえず2個いただきます。フォカッチャは軽くオリーブオイルがかけられていて、ふんわりと小麦が香るフカフカの食感。パンの味わいも濃く、お店のこだわりが感じられるおいしさです。ではハンバーグをいただきましょう。

上質な牛肉の旨さを実感できる本格的なハンバーグです。もちろん肉汁もたっぷりで、口の中で肉汁の味わいが弾けます。かなりの厚みのハンバーグですが、火の通り具合も完璧。提供されるまでに10分以上かかっていましたので、オーブンでじっくりと焼かれていたのでしょう。また、デミグラスソースの味わいも絶品です。洋食店の超濃厚なデミグラスソースではなく、軽めの味わいながら旨味と苦味のバランスが絶妙で、フレンチの技法が存分に発揮されています。付け合せのポテトサラダやニンジングラッセも手抜きがなく、全体的に高いクオリティだと感心しました。
ランチなら¥1,000からいただけ、コーヒーなどのドリンクを追加しても¥1,200からと、街の喫茶店ランチと変わらない価格も人気の理由なのでしょう。まさに“大人の日常使い”にふさわしいお店で、学生などの若者にとっても利用しやすいと思います。「SUINA室町」の開業などでますます活気づく四条烏丸で、手軽にランチや軽食、カフェを楽しめますので、ぜひ一度お試しください。

[2019年4月6日訪問]
AUX BACCHANALES(オーバカナル京都)
●住所…京都市下京区水銀屋町620 COCON KARASUMA 1F
●TEL…075-371-0033
●定休日…月曜定休(祝日の場合は営業、翌日休業)
●備考…店内分煙(テラス席のみ喫煙可)
●ホームページ…http://www.auxbacchanales.com/
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