炭焼 きむら
“串焼きが食べたいな〜”と2週間ぐらい前から考えていました。大阪市の職場近くには串焼き店がたくさんあり、何度も誘惑に負けそうになりながらも京都で夕食を取っていました。京都にも串焼きを提供する居酒屋などは多数あるのでサッサと行けばいいと思うでしょ?でもどうせ行くならREPORTも兼ねて、人気店に行きたいじゃないですか。しかも炭火焼きのお店へ。炭火焼きというだけで、おいしさ5割増し以上は確実です。以前REPORTした「鳥せい本店」も炭火焼き。そして今回REPORTするのも炭火焼きの串焼き店として超人気の「炭焼 きむら(すみやき きむら)」です。

管理人が住む下鴨エリアにあるお店で、創業は1951年(昭和26年)と70年近い歴史があります。夜営業のみで常に満席状態のため、1週間前に19時2名で予約を入れました。23時営業終了で22時過ぎに行けば飛び込みでも座れるとは思うのですが、肝心のネタが品切れ続出で、管理人のように食べる主体の人は予約が確実です。しかも予約時に、19時なら牛串(国産黒毛和牛使用)4種と名物の「国産テール蒸し」¥900がなくなっているかも…とのことでしたので、それらを取り置きしてもらうという念の入れよう。17:30開店で19時になくなるって、どんな仕入れやねん!と心の中でツッコミつつ、知り合い1名を召喚してお店へ向かいます。


最近改装されたそうで炭火焼き店とは思えない清潔感のある店内です。すでに予約の席も含めて満席で、大江健三郎似の大将が黙々と炭火で串焼きをされています。次々と飛び込みの方が来られてはショボーンと帰られていました。近隣には京都府立大学や京都ノートルダム女子大学、大谷大学などがあり、学生のお客さんもチラホラ見受けられます。訪問した6月22日は土曜日だったこともあって、家族連れや社会人グループなどで賑わっていました。メニューはカウンターの奥に掲出されていて撮影ができませんでしたので、ホームページのコチラをご覧ください。ドリンク類は下記をどうぞ。


ノンアルコールビールを注文すると、串焼き店の定番「生キャベツ」が運ばれてきます。特製のニンニクだれをつけていただくと、これだけで(ノンアルコール)ビールがグイグイ進む一品。このタレは店頭でも販売されていますので、興味がある方はおみやげにいかがでしょうか。ではまずは取り置きしていただいている牛串(国産黒毛和牛使用)からいただきましょう。

「タン」¥300。ブ厚くカットされた牛タンの塩焼きです。噛むと柔らかで、牛タンの旨味が口の中いっぱいに広がります。炭火焼きのため、軽くスモークされた風味も絶妙です。

「ミノサンド」¥300。一般的な焼肉店などでは“上ミノ”とも呼ばれ、ミノ(牛の第1胃袋)とミノの間の脂を含んだ希少部位です。ミノはゴムのように弾力が特徴ですが、ミノサンドは口の中でとろけるホルモンの脂の旨味を存分に味わうことができます。

「レバー」¥300。さすが上質な牛のレバーだけのことはあり、濃厚で芳醇なレバーの強い味わいがたまりません。タレ焼きなこともあり、鶏レバーや豚レバーにはない牛レバーの純粋な味をよりはっきりと楽しめます。

「ハツ」¥300。コリコリ、サクサクとした歯応えが特徴で、牛肉の風味も香る抜群のおいしさです。鶏ハツに比べてあまり馴染みはないものの、もし置いている焼肉店や串焼き店があれば、ぜひお試しください。


取り置きの牛串(国産黒毛和牛使用)4種を堪能し、野菜串で箸休め。「アスパラ」¥240や「ネギ」¥240、「椎茸」¥240など、野菜でも炭火焼きの魔力で数ランク上のおいしさとなっています。

鳥串は「鳥ハツ」¥240と「セセリ」¥240を注文。「鳥ハツ」は牛のハツとは異なり、軽やかでクセのない一品。こちらも食感が身上ながら、鶏の旨味も感じられます。「セセリ」は鶏肉の首の後ろ側の部位で、ネックとも呼ばれる希少部位。鶏肉の甘い味わいと旨味を存分に堪能できます。“鶏モモ肉よりセセリ”と断言する焼鳥マニアも多数存在するほど。焼鳥好きならぜひ食べてみてください。最後に名物の「国産テール蒸し」で〆ましょう。

テールとは牛の尾を指し、フランス料理のフォン(ダシ)や洋食店のデミグラスソースづくりには欠かせない、牛肉の旨味が最も濃い部位です。韓国料理のテールスープでもお馴染み。テールを数時間、じっくりと蒸し上げた時間と労力がかかる料理です。ではいただいてみます。

旨過ぎか!
ホロホロと柔らかな肉に、コラーゲンたっぷりのトロトロのスジが秀逸です。味付けはシンプルに塩と酒、すりゴマと小口ねぎのみの薬味ですが、牛テールの旨味をすべて味わい尽くせるおいしさです。余計な味付けは不要にすら感じます。カラシ?七味唐辛子??いりません。ただ、卓上には粉山椒も七味唐辛子も一味唐辛子も置かれていますので、お好みで味変は可能ですが、まずは何もかけずに食べてみてください。贅沢きわまりない味わいを体感できるハズです。
「炭焼 きむら」は北大路通と下鴨本通(葵橋以内から河原町通)の交差点を西へ100mほど行ったところにあります。地下鉄「北大路駅」から徒歩15分、市バスなら「洛北高校前」のバス停から徒歩1分程度。これからビールの季節になるとお客さんはさらに増えますので、できれば予約、しかも前日以前がベストでしょう。数少ない下鴨の名店ですので、気になった方はぜひご訪問ください。ちなみに東隣も行列必至の「あんびしゃす花」がありますので、〆につけ麺もアリですよ。
[2019年6月22日訪問]
炭焼 きむら
●住所…京都市左京区下鴨西本町45
●TEL…075-555-3267
●定休日…日曜日および祝日
●備考…店内喫煙可
●ホームページ
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