麺屋 聖〜kiyo〜
京都を代表するオフィス街・烏丸御池から徒歩2分、NHK京都放送局の姉小路通を挟んだ南側にある「麺屋 優光(めんや ゆうこう)」。2年前の2017年10月にオープンされ、直後から行列ができる人気ラーメン店となりました。ラーメンに詳しくない管理人ですが烏丸御池は用事でちょくちょくと出かけていて、「麺屋 優光」のオープン当初に偶然前を通りかかりラーメンを実食。かなり好みの味だったこともあり、冷たい麺はないかな?と訪問してみました。

平日の閉店間際でもやはり混雑しています。実は2019年も何度かお店の前は通っていたものの、常に行列ができていて入店していませんでした。この日はたまたま多くのお客さんが一度に退店されたこともあり、並ばずに入店。着席し、冷たい麺はあるかな〜とメニューを確認します。

ハイ、ありませんでした。しかしよくよく調べてみると、一乗寺ラーメン街道に新しくできた2号店「麺屋 聖〜kiyo〜(めんや きよ)」では冷たい麺を提供していることが判明。「麺屋 聖〜kiyo〜」へは後日訪問することにして、この日は以前にも食べたことがある「淡竹 HACHIKU」¥800を注文しました。

「麺屋 優光」については秋か冬にきっちりとREPORTする予定ですので、チラ見せだけ。「淡竹 HACHIKU」はその名の通りタケノコの1種である細くて柔らかなハチクをメンマとして使用されているのが特徴の貝ダシラーメンです。貝の旨味としっかりめの醤油味がアッサリとしながらも奥深い味わいの逸品。チャーシューも絶品で常に行列ができるのもうなずける出来栄えです。

そしていよいよ一乗寺ラーメン街道にある2号店の「麺屋 聖〜kiyo〜」に訪問しました。こちらは以前、現在は滋賀県大津市で「手作り弁当 うまいもんや」をされている「まんが定食 げんざえもん」があった場所。管理人も開店当初から“オシャレなラーメン店ができたな〜”と思っていたのですが、まさか「麺屋 優光」の2号店だったとは最近まで知りませんでした。店頭の看板には「夏季限定 冷やしラーメン『彩り』」¥900の文字が!“10食限定”がちょっぴり気になったものの、真のラーメン好きが集う一乗寺ラーメン街道では、みんなアホほど熱っつい麺を食べているハズ、と入店してみました。

開店して1年にも満たないのに混雑しています。昼間はかなり広い店内にも関わらず行列ができていることもあり、すでに人気店となっているようです。下げられていないカラの丼鉢がついさっきまで混雑していた様子を物語っています。とりあえずメニューを確認してみましょう。


メニュー名と説明文がポエム調なところ以外は、おおむね「麺屋 優光」と変わらないようです。この説明文は文学青年か何かが書いたものなのでしょうか。管理人は20年以上コピーライターをしていますが、とても勉強になります。“狂おしく鮮明に僕の記憶を埋めつくす一杯” なんて、もはや純文学の世界です。ラーメン界から芥川賞作家が生まれるかも知れない、と考えながら「冷やしラーメン 彩り」¥900を注文すると“本日は売り切れです”と無情な宣告が。
ないんかい!
仕方がないので説明文の最後に“いつまでも君の胸の奥でひかり続けたい一杯”と書かれている一番人気の「ギフト Gift」¥800とトッピングの「煮玉子」¥100を注文します。いつまでも管理人の胸の奥でひかり続けられると、後々の人生に影響するので困るのですが。

てっきり「麺屋 優光」の「淡竹 HACHIKU」だと思い込んでいたのですが、少し様相は異なります。まずメンマはハチクではなく、おそらく麻竹(マチク)。そしてチャーシューが厚切りです。スープをひと口すすると確かに貝ダシなのですが、醤油味が濃いめ。もしかしたら学生やラーメンマニアが多い一乗寺ラーメン街道の客層に合わせた、より強めの味付けになっているのかも知れません。「麺屋 優光」はオフィス街にあるお店ですので、ビジネスマンやOLさんなどデスクワーク主体の人たちがお客さん。客層によって味を変えているように感じました。しかし肝心の冷たい麺が食べられないのは困ります。そこで土曜日の昼に再度訪問。管理人は相当しつこし性格なのですよ。

座席はチャーシューを切る台の目の前という特等席に当たりました。“10食限定”ですがさすがに開店直後なら大丈夫でしょう。もし“売り切れです”と言われれば、「冷やしラーメン 彩り」の説明文を純文学風に書いて店内に貼る予定でしたが無事注文することができました。

目にも鮮やかな冷やしラーメンです。具は鶏チャーシュー、プチトマト、チシャ菜、レッドオニオン、レタス、カイワレ、ミョウガなどの薬味、そしてカキ氷状のスープがトッピングされています。香りづけのスダチの爽やかな風が君の頬をなでるように通り抜け、その心をやさしく揺さぶるだろう。スミマセン、つい影響されてしまってちょっと何を言っているのかよくわからなくなってきました。とにかくスープをいただいてみます。

琥珀色のスープは貝ダシベースです。しかし冷たさもあってか、「ギフト Gift」よりも醤油味は柔らかめ。狂おしいほどの醤油の濃さではありません。ただ一般的な冷やしラーメンとしては醤油の風味とコクが立っている味わいと言えるでしょう。貝の旨味とよく合う味付けであり、味覚が鈍る冷たいスープであれば、このぐらいのしっかりとした味の方が食べやすいかも知れません。では麺もいただきます。

細麺ながらモチモチとしたコシがある、食べごたえのある麺です。この麺やたっぷりの野菜のためにあるスープだと理解できました。低温でじっくりと火を入れられた鶏チャーシューとの相性も抜群。全体的に素材としてはヘルシーなのですが、この1杯で十分に満足できる冷やしラーメンだと感じました。しかし目の前のチャーシューがどうしても気になります。

やはりランチメニューならではの「炙り焼豚丼セット」プラス¥200を注文しておいて正解でしたよ。

目の前のチャーシューが刻まれ、白髪ネギとマヨネーズがかけられた食べる前から間違いのない一品。奥深い味わいのチャーシューが炙られることで香ばしさも増し、ご飯や白髪ネギともよく合います。個人的にはマヨネーズは不要と感じましたので、今度伺う際はマヨネーズ抜きで注文するでしょう。一乗寺ラーメン街道にできた新たな人気店です。お近くまで来られた際にはぜひお立ち寄りいただき、文学的なメニューの数々をぜひご堪能ください。
[2019年8月24日訪問]
麺屋 聖〜kiyo〜
●住所…京都市左京区一乗寺払殿町48 コーポ吉沢1階
●TEL…075-606-5459
●定休日…水曜日および不定休
●備考①…「冷やしラーメン 彩り」は夏季限定
●備考②…禁煙
●ホームページ
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