TAITO
全国にある「難読地名」。京都はさすがイケズミヤビな街だけあって、難読地名だらけです。そしてたいてい、京都人でも自分にゆかりがない限り読めないという残念な状態となっています。管理人も全然読めないのですが、京都の難読地名は4タイプに分かれていることをついさっき気がつきました。
①見たことがない漢字の地名
“こんな漢字、見たことない”という、手も足も出ないヤツです。例えば「皀莢町」。「サイカケチョウ」と読み、京都市上京区にあります。漢検を頑張っていたり林先生クラスの漢字マスターなら、ひょっとしたら読めるかも知れません。
②読めそうで読めない地名
何となく読めるけど実は全然違う読み方をするタイプです。代表的なのは「先斗町」。普通に読めば「セントチョウ」や「サキトチョウ」ですが、「ポントチョウ」と読みます。京都を代表する花街であり繁華街ですので京都人なら当たり前のように読めますが、冷静に考えれば「先」を「ポン」とは絶対に読みません。美味しんぼの海原雄山なら山岡さんに“では、教えてくれ。先斗町のポンとはなんのことだ。”と言い放ってその場の全員がポカーンとするレベルでしょう。
③そのまんまかい!な地名
変化球です。そのまま読めばいいものを、疑心暗鬼になって読めないのがこのタイプ。イチオシは「天使突抜」。中二病のような地名ですが「テンシツキヌケ」と読みます。安土桃山時代、豊臣秀吉の京の都改造計画によって生まれた地名で、それなりの由来があるようです。当時の人がイタいラノベ好きだった訳ではありません。
④もはや詐欺な地名
イケズミヤビな京都人気質炸裂の、知っていないと絶対に読めないヤツです。管理人がだまされたのは「新熊野神社」。これは誰がどう読んでも「シンクマノジンジャ」か、用心深い人でも「アラ(アラタ、アタラシ)クマノジンジャ」でしょ?実は「イマクマノジンジャ」と読みます。読めるか!しかも「新熊野神社」沿いにある商店街は「今熊野商店街」で“イマクマノ”の漢字表記すら統一されていません。これは観光客などから“シンクマノジンジャってどこにありますか?”と尋ねられた地元民が“シンクマノ…あぁ、イマクマノジンジャね”と勝ち誇ったように答えるための神社です。もちろん嘘ですが。そんな由緒正しき「新熊野神社」もある「今熊野商店街」には飲食店も多く、夜遅くに食事ができるお店もいくつか営業されています。その中から今回はしっかりとした洋食をいただける「TAITO(たいと)」へ伺いました。
東大路通(東山通)と七条通の交差点(東山七条)を南へ400mほど行ったところにあるカフェレストランです。管理人の記憶では10年前ぐらいにはすでに営業されていたように思います。本格的なコーヒーやスイーツなどもあってカフェ使いとしても便利なお店。洋食メニューも充実していて、夜は飲むお店としても重宝できそうです。もちろん管理人のように飲まない人も大丈夫。しかも22:30ラストオーダーと、夜遅くに洋食をリーズナブルにいただける貴重な1軒ではないでしょうか。時刻は21:30、早速店内へ入ってみましょう。
店内は典型的な鰻の寝床で、意外に多くのお客さんを収容できます。カウンター席もあるものの夜はさほど混雑しませんので、お一人様でもテーブル席を利用できるでしょう。新熊野神社だけでなく三十三間堂、智積院などの古刹や京都第一赤十字病院もあることから、昼は観光客や病院利用者で混雑するかも知れません。22:30ラストオーダーなこともあり、夜遅くにお一人様でも安心して洋食がいただけます。ではメニューを確認してみましょう。
一般的なカフェメニューに洋食メニュー、お酒のツマミ、アルコール類と充実のラインナップです。ご飯ものや夜の定食メニューも選ぶのを迷うほど用意されていて、きちんとした夕食を取ることもできます。今回は「ハンバーグとエビフライset」¥1,050と「アイスコーヒー」¥400を注文してみました。
エビフライ2尾とハンバーグが付いて¥1,050という、お財布にもやさしいセットメニューではないでしょうか。たまに詐欺みたいな小エビフライを見かけますが、こちらのエビフライは立派なサイズ。しかもタルタルソースもたっぷりと添えられていて、タルタルソース不足でむせび泣く人はきっといません。付け合わせはサラダだけでなくキンピラゴボウもあり、漬物代わりとして有能だと感じました。とりあえずエビフライをいただいてみましょう。
揚げたてサクサクでエビの甘みも味わえる、食べごたえのあるエビフライです。タルタルソースをベットリと付けていますが余裕で残っています。油の質がいいためか、軽やかな揚げ具合で胃もたれなどにも無縁でしょう。食後の「アイスコーヒー」を注文してしまったのですがノンアルコールビールにすればよかった、と少し後悔。洋食店レベルのエビフライを堪能することができました。
続いてハンバーグをいただきます。肉厚で肉々しいタイプの本格的なハンバーグです。デミグラスソースは少し甘めでテリヤキソース風の味わいとなっていて、ご飯にもよく合います。キッズから外国人まで、さまざまな客層が好む味つけです。このあたりはカフェ飯的な感じで、ロコモコ(ハンバーグ丼)などにしてもおいしそう。ハンバーグがお好きな方なら当然、必食です。
アイスコーヒーも濃厚で申し分ありません。すべてにおいて丁寧に調理されていることがわかる味わいです。JR「東福寺駅」または京阪「東福寺駅」から徒歩10分程度のところにありますので、観光ついでに立ち寄られてみてはいかがでしょうか。そして食後にでも「新熊野神社」へ向かいながら地元民に“イマクマノジンジャってドコにアリマスカ?”とカタコトで尋ねてみてください。ちょっと驚かれるかも知れませんよ。
[2019年10月25日訪問]
TAITO
●住所…京都市東山区今熊野池田町4-14(Google マップ)
●TEL…075-551-8222
●定休日…日曜日
●備考…喫煙可
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「TAITO」で検索してください。
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