ニューデリー
管理人は通勤で往復2時間以上は電車に揺られています。そこで気になっているのが乗客の車内マナーの悪さ。関西ではまだまだリュックサックを抱えずに背負ったまま乗り込んでくる人を多数見かけますが、個人的に勘弁して欲しいと思うのが“咳”という名のバイオテロです。特にミドル世代以上の、しかも男性に多い“咳”。咳自体は生理現象で抑えるのが難しいのは、管理人も喘息持ちなのでよ〜く理解しています。しかし口を手に当てている人はまだマシな方(本当は意味ないですが)で、ナチュラルにまるで自宅リビングにいるかのように咳をする人の多いこと多いこと。3年前には近くのオッサンが妙な咳をしてるな…と思っていたらキッチリ百日咳をうつされ文字通り3ヵ月以上、地獄の苦しみを経験しました。それ以来、咳き込んでいる人が近くにいるとマスクを着用しているものの、よく考えれば理不尽そのものです。だって咳をする人がマスクを着用すべきでしょう?マスクだってタダではありません。なぜ知らないオッサンの咳のために自腹でマスクを購入し、着用しないといけないのでしょうか。あっ、“今日はスッピンだからマスクしとこ”という女性は自腹でマスクを購入してください。今日の帰宅途中もスマホをいじくり倒しながら豪快に咳込むオッサンが座席近くに来たため、慌ててマスクを装着しながら、オッサン発のバイオテロに対抗するにはカレーしかない!と千本丸太町へ向かいました。

丸太町通と千本通の交差点(千本丸太町)を東へ100mほど行ったところにあるインドレストラン「ニューデリー」。2017年(平成30年)と比較的新しいオープンながら20年以上のキャリアを誇るインド料理店です。こちらはインドの方が調理されるインド料理が食べられる、実は意外と珍しいお店。そもそも日本のインド料理店のほとんどはインド人が調理しているのではなく、ネパールやスリランカなどインド周辺の国出身者が多数を占めています。なぜそんなことが起きるのかと言えば諸説あるようですが、有力なのはインドにいまだ色濃く残っているカースト制度が関係しているらしいということ。カースト制度とは簡単に説明すると生まれながらに決定されている身分制度のことで、上位身分の人でないとパスポートが発行されないそうです。そして上位身分の人は裕福で十分な教育を受けられるため、日本でわざわざカレー店を経営しなくても実業家や起業家として稼げるというのが真相なんだとか。一方、インド周辺の国の人はインド料理のノウハウを比較的簡単に習得しやすく、日本でインド料理店を経営して一攫千金をめざされるそうです。まぁどちらにせよ料理人の出身国とは関係なく、インド料理には漢方薬の原料と共通するハーブなどのスパイスがふんだんに使われていてカゼ対策にはうってつけ。店内へ入る前に、店頭のメニューを確認してみましょう。

こちらの名物はナンと言っても「チーズナン」。管理人はインド料理店に詳しい訳ではなく、そんなに食べ歩いている訳でもありませんが、初めてこちらのチーズナンを食べた時はあまりのおいしさに驚きました。今回ももちろんチーズナンをいただくつもりで、「チーズナンセット(カレー1種・チーズナン・サラダ・ソフトドリンク)」¥1,390ならリーズナブルでうってつけ。さらにプラス¥100の「ハニーチーズナン」とし、後は大量にあるであろうカレーメニューから1種類を選ぶだけです。では店内へ入ってみましょう。

さすがにインドインドした店内です。中央奥には象の神様であるガネーシャが飾られています。こちらは22:30ラストオーダーで夜遅めの食事もOK。店員さんは皆さん愛想がよく、お一人様でも笑顔で接客していただけます。京都は特にですが、高級店を除いて小売店などサービス業全般において接客レベルが低いと言わざるを得ない店が多過ぎです。日本人は全般的にシャイな方が多いので仕方ない側面もあるものの、高級店やチェーン店のような訓練を受けた接客をする必要はなく、普通に笑顔と挨拶、応対ができれば十分なのに。まぁお客さん側もエラそうな物言いをしている人が多過ぎですけどね。もう“お客様は神様”の時代ではないと思うのですがいかがでしょうか。さて、それではお待ちかねのメニューを確認してみましょう。






「チーズナンセット」ですのでカレー1種類を選ばなくてはいけません。今回は他店ではあまり見かけない「ポークカレー」の中から「ポークバターマサラ」をチョイス。バターチキンカレーのポーク版と言ったところでしょうか。また、ソフトドリンクはインド料理店ですので「チャイ(HOT)」。紅茶の原産国だけあって、英国風ではない紅茶とスパイスのコラボレーションを楽しみましょう。そして…カレー1種類では物足りない気もしましたので、ツマミに本場の「タンドリーチキン」¥890を注文してみました。

やってもうた〜
絶対に一人で食べる分量ではない「タンドリーチキン」がテーブルの上に置かれてしまいました。デカい鉄皿の焼ける音がジュージューと店内に響き渡ります。その音とスパイシーな香りに誘われ、隣席のカップルも“同じものください”と注文していました。言ってくれれば2ピースぐらい差しあげたのに。騒いでいても仕方ないのでレッグ部分からガブリ!「タンドリーチキン」を食べるといつも感じるのですが、鶏の焼き料理部門ではおそらく最高峰の調理法ではないでしょうか。とにかく鶏肉の旨味がジューシーで、スパイスによって生み出される重層的な味わいは他にたとえようがありません。しっかりとインド料理の真髄を味わうことができました。

「タンドリーチキン」を食べてウッカリ帰ろうかと思っていた矢先に、本命の「チーズナンセット」が到着してしまいました。アホほど巨大な「ハニーチーズナン」ではなさそうで少しホッとします。焼き立てパンはおいしいものの滅多に味わえませんが、ナンはだいたい焼き立て。本当のことを言うと本場インドでナンを主食としている人は少ないそうで、日本人に巨大なナンが受けるため、日本ではどこのインド料理店でもナンを提供していると聞いたことがあります。確かに焼きたてナンのおいしさは日本人受けするでしょうね。アツアツのうちに「ハニーチーズナン」をいただきましょう。

うまーい!!!
焼き立てナンの香ばしさ、チーズのコクと塩味、そして蜂蜜の甘みと風味が絶妙な味わいです。チーズトーストに蜂蜜をかけたような味の最上位版と言えるでしょう。この味には鬼や般若であっても笑顔になるのは間違いありません。プレーンナンはカレーがあってこそのナンですが、これはもう単独でもご馳走です。こちらにお越しの際には絶対に「ハニーチーズナン」を試してください。食べないと人生を損していると思えるおいしさですよ。

そして「ポークバターマサラ」。ナルホド、トマトの酸味と甘味、そしてバターとポークのコクと旨味が調和の取れた贅沢なおいしさのポークカレーです。豚はバラ肉でしょうか、よく煮込まれていて柔らかで脂の甘みにウットリとします。インドではほとんどの人がヒンズー教を信仰していて、牛肉は宗教上食べられませんが豚肉はOK。隣接する中東地域のイスラム教文化圏では牛肉OK・豚肉NGとなります。日本のインド料理店では羊肉(ラムやマトン)がよく使われますが、日本の豚肉は最高レベルの品質ですので、インド料理店でポークカレーを見つけられたらぜひ味わってみてください。


「チャイ(HOT)」、そしてデザートのアイスクリームまで付く豪華セットです。チャイはシナモンなどのスパイスと濃厚なミルクティーとの取り合わせがクセになる味わい。アイスクリームも少し粘り気がある本格派で一切の手抜きナシ。すべて完食して幸せな気分になりながら、スタミナも強化されたように感じます。これからの季節はカゼとの戦いになるでしょうから、カゼをひく前にこちらでバッチリと栄養補給をされてはいかがでしょうか。電車内では咳エチケットを心がけながら、食事ではカゼに負けない体力づくりを心がけてください。
[2019年12月13日訪問]
ニューデリー
●住所…京都市上京区中務町491(Google マップ)
●TEL…075-366-8787
●定休日…不定休
●備考…分煙(?)
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「インドレストランニューデリー」で検索してください。
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