小皿中国料理 よかっと 【移転】
※お知らせ※
「小皿中国料理 よかっと」は二条城の北へ移転されましたので、Facebookにてご確認願います。
「一乗寺ラーメン街道」はその名のとおり、有名ラーメン店がひしめき合うラーメンの激戦区。以前、京都のグルメ情報を掲載されている誰かのブログで“一乗寺はラーメンが多いことで有名だけど、実際には河原町三条・四条といった繁華街の方が多い”といった意味のことを書かれていましたが、単にラーメン店が多いから注目されている訳ではありません。繁華街は飲食店が多くて当たり前であり、ラーメン店も多いでしょうが他ジャンルの飲食店も多いため驚くに値しません。しかし一乗寺は繁華街でも歓楽街でもない住宅地の割にラーメン店だけが異様に多く、しかも「天天有 一乗寺本店」や「珍遊 京都一乗寺本店」、「中華そば 高安」といった京都を代表するラーメン店の本店が軒を連ねているから話題になるのです。とは言え実はラーメン店だけではなく、喫茶店やカフェも結構あります。洋食店は「ますむら」や「ハンバーグ一乗寺」など少数ながら存在するものの、意外に少ないのが中華料理店。「一乗寺ラーメン街道」の南の入口である東大路通と北大路通の交差点(高野)以北はラーメン店だらけですが、400m以南からの叡電「元田中駅」周辺エリアでは中華料理店だらけとなります。この微妙な差でしっかりと棲み分けされているのは興味深く、管理人が大学生なら卒業論文のテーマとして研究したいほど。そんな不思議な「一乗寺ラーメン街道」で数少ない中華料理店として、今や隠れ家的な人気を誇る「小皿中国料理 よかっと」を訪問してみました。

2013年(平成25年)にオープンされた比較的新しいお店です。“よかっと”の店名はご主人が九州のご出身だからだそうで、地元だけでなく多くの方々が頻繁に通われるお店となっています。ラーメン激戦区の「一乗寺ラーメン街道」で中華料理店を開業するのはかなり勇気が必要だったのではないでしょうか。そこは九州人らしく確固たる信念を貫かれ、繁盛店を築かれたように感じます。時刻はランチタイムを避けた13:30、早速店内へ入ってみましょう。

ヌーベルシノワを思わせるカジュアルで清潔感のある店内です。4名テーブル1組と2名テーブル5組となっていて、カウンター席はないもののお一人様でも入りやすいと思います。昼のラストオーダーは14時と入店したタイミングがギリギリだったこともあり、お客さんはいらっしゃいませんでした。黒板には夜のおすすめメニューが書かれていて、高級食材のアワビ料理でもリーズナブルな価格で提供されています。ではメニューを確認してみましょう。



ランチセット5種類はすべて¥1,050均一で、アラカルト各種も注文できます。こちらではどの料理を食べても間違いなく、「よかっとチャーハン(ミニスープ付)」¥850も人気ですが主力メニューは四川料理。そこで今回は久しぶりに痺れる辛さの業界(?)用語“シビカラ”を体験するべく「四川麻婆豆腐セット(揚げ餅、ライス、スープ、香の物付)」¥1,050と、春巻好きの欲望に負けて「よかっと特製春巻き(1本)」¥250、「エビとクリームのチーズ春巻き(1本)」¥250を注文してみました。ランチセットが到着するまで、夜のメニューをご確認ください。





本格的なメニューが並びますがどれもリーズナブルな価格で利用しやすいと思います。リーズナブルだからといって手抜きは一切ありません。夜には京都のグルメでリッチなミドルやシニアが足繁く通われていて、そのクオリティを証明されています。もちろん管理人のようなフトメでエッチなミドルでも大丈夫です。さて、「四川麻婆豆腐セット(揚げ餅、ライス、スープ、香の物付)」が到着しました。

麻婆豆腐のビジュアルが四川山椒マシマシで辛そうですね。辛いのが苦手な管理人はちょっとビビってしまいました。気持ちを落ち着かせるためにスープをひとすすり。一般的な中華の玉子スープと見せかけて、独特の旨味が感じられるおいしさです。この味は一体…?と考えてみても結局わかりませんでしたが、クセのある味わいが後をひきます。スープ1つ取ってもタダモノではありません。いよいよ麻婆豆腐をいただきましょう。

旨!辛!な麻婆豆腐です。口の中で最初に挽肉や醤の濃厚なコクが現れ、続いてピリ辛が到来するも辛味はスーッと消えて旨味が残る奥深い味わい。食べ進めるごとに額から汗が浮いてきますが、適度な辛さが心地よく快感にさえなります。麻婆豆腐の旨味を感じられるギリギリの辛さではないでしょうか。これはライスが進みます。実はライスの大盛りは無料だったのですが、カッコつけて普通盛りにし、後悔してしまいました。こちらで麻婆豆腐を注文される際はライス大盛りをオススメします。決して皆さんを太らせたい訳ではありませんよ。

揚げ餅は中に挽肉の餡が入っていて絶品です。少し甘めの餅とコクはありながら薄味な餡の旨味のバランスが絶妙で、これだけでお腹いっぱいにしたいと強く感じました。単品メニューの「揚げ餅」¥160は用意されていますので、次回訪問した際は“「揚げ餅」10個ください”と注文してお店の方やお客さんをドン引きさせてやろうと思います。

「よかっと特製春巻き(1本)」と「エビとクリームのチーズ春巻き(1本)」が到着しました。テーブルに醤油とカラシが備えられていますが、味付けはされているそうで何もつけずにいただきます。写真手前の「よかっと特製春巻き(1本)」はオイスターソースが効いた安定感のあるおいしさ。THE・HARUMAKIといった王道の味わいです。パリパリの皮と旨味たっぷりの餡がおいしい。今回は内容的に満腹になりそうだったためノンアルコールビールは注文しませんでしたが、ビールのツマミとしてもかなりのレベルではないでしょうか。そして「エビとクリームのチーズ春巻き(1本)」はミルキーなチーズソースとエビの甘みがやさしく濃厚なおいしさです。クリームコロッケ感覚でいただける逸品で、いくらでも食べられそうなツマミだと感心しました。
どの料理を食べても人気店なのがうなずけるクオリティです。麻婆豆腐や春巻などは中華料理としてはポピュラーな料理で、だからこそ他店との差をつけるのは相当に難しいハズなのでしょうが、こちらのお店ならではの確かな味わいがあります。「一乗寺ラーメン街道」に来られるとどうしてもラーメン、となるのは理解できるものの、ぜひこちらの料理もお試しいただきたい。滅多にお目にかかれない価格と味の中華料理を堪能できると保証いたします。
[2020年1月26日訪問]
小皿中国料理 よかっと
●住所…京都市左京区高野泉町6-55(Google マップ)
●TEL…075-724-6501
●定休日…木曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…twitter/facebook
※さらに詳細については食べログ「よかっと」で検索してください。
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