太子道うおつね
先日訪問した「京 笑びす家」のREPORTを書きながら、ず〜っと思っていたことがあります。ホンマグロのトロが食べたい。わかっています。管理人のようなリストラ待ったなし!のアラフィフオッサンが食べていいものではないことを。本来であればその辺の雑草を引っこ抜いて食べるべき立場なのは重々承知しています。が、しかし。近所のスーパーに行って鮮魚コーナーでマグロ中トロパックをガン見しては豚コマを買って帰る日々を繰り返していると、本当に切ない。そもそも、明日死ぬかも知れないのに、食べたいものを食べずにあの世へ旅立つのは不本意以外のナニモノでもありません。ホンマグロのトロを食べずに死ぬこととなれば、世の中に未練を残しているワケですから間違いなく怨霊となって化けて出てくるでしょう。最後の食事が近所の公園に生えている雑草となれば世間体も悪過ぎますし、怨霊仲間(?)にもバカにされそうです。そこで今回は、円町近辺にたまたま用事があったため、用事を終えてホンマグロのトロを食べに向かいました。
西大路通と丸太町通の交差点(円町)を南へ350mほど行き、新二条通の交差点(西大路太子道)を西へ70mほど行ったところにある「太子道うおつね(たいしみち うおつね)」。以前REPORTした「slowflow」と同じビルの西隣の寿司・和食店です。こちらは京都御所の近くにある老舗の仕出し店・和食店「京料理 竹屋町 魚常」の支店なのですが、詳しい情報は定かではないものの、どうも本店は閉業?休業?されているようです。正直、本店の方は管理人のような貧乏人には縁がなく、ひょっとしたら別の割烹になっているのかも知れません。とにかく、「太子道うおつね」は営業されています。昼の開店11:30直後の11:40、店頭に到着。まずはランチメニューを確認しましょう。
魚に自信があるお店で、魚料理のリーズナブルな定食が並んでいます。「本日の焼き魚定食 ブリの塩焼き」¥1,000にも心動かされそうなりますが、今回の目的はホンマグロのトロを食べること。そこで数量限定の「本鮪鉄火丼定食」¥1,500です。“鉄火丼ならマグロの赤身では?”と疑問をお持ちの方も多いことでしょう。確かに一般的に鉄火丼と言えば、マグロの生の赤身や漬けの赤身を指すことが多いのですが、こちらの数量限定の「本鮪鉄火丼定食」は違うのです。店頭でワーワー言っていても始まりませんので、取りあえず店内へ入ってみましょう。
さすがに開店直後だけあって、まだすいています。こちらの近くには病院や医院が多く、健康診断の受診者が病院で発行されるランチチケットを持ってこちらに食事へ来られることも多いようです。実際、管理人が食事をしている最中にもランチチケットを持ったお客さんが数名、利用されていました。管理人が入店した際にも店員さんから“一般のお客様ですか?”と確認されましたので、間違いないでしょう。和食店らしい清潔感のある店内で、店員さんに「本鮪鉄火丼定食」を注文。待っている間、夜のメニューを眺めます。
寿司や鍋など、夜もリーズナブルな価格で食事ができそうです。管理人は夜に伺ったことはないので知らなかったのですが、本店の「京料理 竹屋町 魚常」よりはかなり敷居は低そう。「板さんお任せコース」でも「室町」¥3,800、「竹屋町」¥5,000と、和食としては比較的お安く楽しめます。うにやいくらが入った「上にぎり(9個)」¥3,000ですから、夜の会食などでも手軽に和食をいただけるお店ではないでしょうか。
「本鮪鉄火丼定食」が到着しました。副菜には菜の花とエノキのお浸し、茶碗蒸し、そしてみそ汁と漬物が付く定食です。メインの本鮪鉄火丼はマグロの赤身と中トロが混在している豪華バージョンの鉄火丼となっています。淡いピンク色の中トロが3切れも付いた鉄火丼の定食で¥1,500は相当にお値打ち。しかも高級魚であるホンマグロを使用されていて、このビジュアルだけで白飯が進みそうですね。まずは春の到来を予感させる菜の花とエノキのお浸しからいただきます。
ダシが効いたアッサリとした味わいの京都らしいお浸しです。菜の花の少しホロ苦い風味が食欲をそそります。最近は暖かい日や時間帯もありますが、まだまだ寒く感じることも多いものの、春が旬の菜の花や山菜をいただくと春を実感できますね。そろそろ暖かな日が続いて、新型コロナも収束へ向かえばいいのですが。
そして鉄火丼の赤身です。このネットリとして濃厚な赤身の味わいとワサビの辛味やノリ、大葉の風味が温かなご飯ともよく合います。他の魚とは異なる、マグロの赤身の実力をしっかりと感じられるのが握り寿司や鉄火巻、そして鉄火丼ではないでしょうか。丼にするとガツガツといただけるので上品な方には不向きかも知れませんが、握り寿司や鉄火巻にはない丼の旨さを知らないのは不幸としか言いようがありません。誰の目を気にすることなく丼をガッツける庶民でヨカッタ、と心の底から思いました。
いよいよ鉄火丼の中トロを食べてみます。こ、これは…舌の上で中トロの脂が溶けてなくなるおいしさです。他の魚の腹身(脂)もおいしいのですが、魚の王様であるホンマグロの中トロは別格。この甘さは官能的ですらあり、贅沢が感じられる味とも言えるでしょう。ちなみに食通に限って“大トロより中トロや赤身”とのたまう意識高い系の発言をされる方が多いのですが、そんなワケはありません。“大トロは脂が濃過ぎて数が食べられない”とか言っちゃう人もいますが、そもそも大トロは経済的な観点からもバクバクと数を食べるものではありません。このREPORTを書きながら、ホンマグロの大トロが食べたくなってきました。…いやいや、大トロは管理人のお財布事情を考えるととてもムリ。例えば寿司店に入って“大トロ!”と注文し、1貫だけ食べて“お会計!”と言えば、職人さんも周囲のお客さんもビックリされるでしょう。管理人はユーチューバーのように“大トロを1貫だけ注文してみた デデン!”とか恥ずかしくて絶対できません。大トロを食べずに死んだとしても怨霊にはならず普通に成仏すると思いますので、いつの日かお安く大トロをいただけるお店を発見できればREPORTさせていただきます。こちらは円町近辺でおいしい魚料理や和食ランチをリーズナブルにいただけるお店ですので、近くまで来られた際にはぜひお立ち寄りください。
[2021年3月6日訪問]
太子道うおつね
●住所…京都市中京区西ノ京北壺井町88-1(Google マップ)
●TEL…075-823-5771
●定休日…水曜日
●備考…喫煙可(?)
●ホームページ…facebook
コメント
素敵な海鮮丼です!!
看板で鍋の情報を見ました。
今度鍋の写真を拝見させていただきたいと思います。