ポパイ
2月です。皆さんは“豆まき”をされたでしょうか。管理人はしていません。まず、散らばった豆を掃除するのが面倒ですし、年齢の数だけ豆を食べるのも管理人の歳になると苦行でしかありません。そもそも自宅へは福であろうが鬼であろうが、誰もやってきません。もし鬼や悪しきモノが自宅へ入ろうとしても“このコロナ禍で非常識ですよ!”と追い返してやります。ただ、力ずくで追い返そうとしても、腕力ではとてもかないそうにありません。もっとパワーがほしい。筋トレなどは絶対にしたくありませんが、ムキムキになりたい。ムキムキになって何もかも暴力で解決したい。アメリカのコミック「ポパイ」のようになってモテたい。でも筋トレなどは絶対にしたくない。そこで今回はホウレンソウ料理、ではなく、「ポパイ」の店名をもつ洋食店で食事をしてポパイになろうと、府庁前まで出かけてみました。

丸太町通と烏丸通の交差点(烏丸丸太町)を西へ370mほど行き、釜座通を北へ130mほど行ったところにある洋食店「ポパイ」。ちなみに烏丸丸太町は“カラスマ マルタマチ”と読みます。超大物上方漫才師として今なを現役であり、漫才の鬼とも称されるオール阪神・巨人のネタ“トリがマルマル フトル マチ”ではありませんのでご注意ください。こちらは京都府庁(以下、府庁)や京都第二赤十字病院(以下、第二日赤)のほど近くにあり、お昼どきなどは府庁の職員や来庁者、第二日赤の関係者や見舞客など、多くのお客さんで賑わいます。古くからの洋食店で、営業時間は10:30〜15時の昼のみの営業。一般の人が普段使いできる洋食店であると同時に、京都御所と二条城のほぼ中間地点にあることから、一部の観光客も利用されているそうです。府庁前エリアは飲食店が少なくはないものの、平日のランチタイムはあいているお店を探すのが難しい場合も。そんなときこそ、こちらの出番となります。その理由はおいおい説明するとして、久しぶりに伺う管理人は念のため、ランチタイムより少し前の11:30に到着。まずは店頭のショーケースをご覧ください。

普段使いにうれしいリーズナブルな洋食がラインナップされています。¥1,000以内の洋定食が多く、高いメニューでも¥1,000ちょっとのカジュアル洋食店と言えるでしょう。こちらは2階にあるものの、階段が苦手な方でもエレベーターがあるので大丈夫。管理人はまだギリギリ階段を利用できるので、階段で2階のお店へと向かいます。

こちらが入口です。ちょっと狭い感じがしないでもなく、知らない人にとっては入りづらいかも知れません。ドアの矢印の方向が完全に間違っていますがまったく気にせず、左へ引いて店内に入りましょう。



店内は外観からは想像できないぐらい、メチャクチャ広いんです。お客さんが少ない12時前を狙って訪問したのも、この広々とした店内を撮影したかったため。普通の喫茶店や洋食店の3〜4倍はある広さで、混み合うランチどきでも座れないことはあまりない、ありがたいお店です。もっとも、こちらは現在も喫煙可ですので、タバコが苦手な方はオススメできません。昭和らしい手頃な洋食店であり、ひょっとしたら禁煙を強いられている府庁や第二日赤の喫煙者にとってはオアシスのようなお店として、今でも喫煙が許されているのではないでしょうか。まぁ、近頃は喫煙者自体の数が減り、広い店内に加えて窓もしっかり開放されていますので、タバコのニオイについて管理人はあまり気にはならなかったのですが。では改めてメニューを確認してみましょう。


こちらの名物メニューは「大とんかつ(赤だし・ライス付)」¥1,150でしょう。“わらじトンカツ”と形容されるボリューム満点のトンカツ定食で、「ライス大」プラス¥50をセットとしたデカ盛り定食を、いつ伺っても誰かしら食べているのを見かけます。客層は若いビジネスパーソンとミドル・シニア層が中心。管理人も昔は「大とんかつ」を貪り食べていましたが、この年齢でさすがにちょっとどうなのか?と考え、当初は食べ慣れている「洋食弁当(赤だし・ライス付)」¥950にしようと考えていました。しかし、メニューを見直してみて「ランチ(赤だし・ライス・コーヒー付)」¥1,050は注文したことがないと気づきます。“ランチって何?”と興味がわき、店員さんに尋ねようかとも思ったのですが、他の洋定食よりも少しお高めの価格だったこともあり、おそらく失敗はないだろうと「ランチ」を注文してみました。

「ランチ」が到着。昭和の洋食店らしい小判型の銀皿に乗っているのは、ロースハム、だし巻き玉子、エビフライ、ヒレカツ、牛焼肉、エビクリームコロッケ、ハンバーグに付け合わせのスパゲティ、ポテトサラダ、グリーンサラダ、スライストマトと豪華過ぎる陣容です。「洋食弁当(赤だし・ライス付)」の上位互換メニューであり、これにライス、赤だし、白菜の漬物、コーヒー(ホットとアイスを選べます)まで付いて¥1,050は本当にお得。管理人にとっては大好きなものがすべて詰め込まれたオトナのお子様ランチです。洋食店へ行くたび、お子様ランチを眺めながら注文したい葛藤にさいなまれつつ、結局は小心者ゆえに注文できず悔し涙を流していたのですが、この「ランチ」なら50歳のオッサンでも堂々と注文できます。洋食店のメインディシュたちがコンパクトサイズに盛り込まれたワクワク感は、まさに子どもの頃に憧れ、たまのご馳走として食べられたお子様ランチを彷彿とさせる仕上がりです。いや、この年齢では国旗の爪楊枝やチキンライス、プリンなどがない、こちらの「ランチ」の方がうれしい。しかも食後のコーヒーまで付いて、しつこいようですが¥1,050。赤だしをひとすすりしながら心を落ち着かせ、“何から食べようかな〜”とワクワクしながらいただきます。

牛焼肉をはじめ、どれも安定感のあるホッとした懐かしい味わいです。小サイズながら小エビがまるごと入っているエビクリームコロッケやカラリと揚げられたエビフライやヒレカツ、軽めのデミグラスソースがライスにもよく合うハンバーグなど、どれも申し分ありません。本格派の洋食といった味ではないものの、毎日でも食べ飽きない魅力が詰まっています。何よりこれだけいろいろなものを食べられる幸福感は何物にも代えがたく、しかも「大とんかつ」ほどではないにせよ、ボリューム感も十分に満足できました。古くから営業されていて老若男女に人気なのもうなずけるお店です。

食後のコーヒーで一息つきながら、コスパに優れたランチをいただけ、心もお腹も満たすことができました。古き良き昭和の手頃な洋食店として京都市内でも貴重な1軒です。府庁や第二日赤に来られた方はもちろん、京都御所や二条城からも徒歩圏内ですので、お近くに立ち寄られた際には、こちらでリーズナブルに満足できる洋定食各種などを楽しまれてみてはいかがでしょうか。ただ、ポパイのようなムキムキにはなれないかも知れませんので、ムキムキになりたい人は筋トレをオススメしておきます。
[2022年2月4日訪問]
ポパイ
●住所…京都市上京区夷川町375(Google マップ)
●TEL…075-461-0555
●定休日…日曜日
●備考…喫煙可
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「ポパイ」でご確認ください。
コメント