“漢(オトコ)飯”再び!な山科にある大衆中華店

中華編
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中華料理 佳園

管理人は初めて社会人となった30年近く前、大阪市内にアパートを借り生活をしていました。それまで京都市内に住んでいたため、大阪市で暮らし始めてまず驚いたのは中華料理店、しかも大衆中華店の多さです。京都市より大阪市の方が人口も多く、経済規模も大きいのを差し引いても、いたるところに大衆中華店があってビックリしました。現在は京都市でも大阪市でも大衆中華店は減少傾向にありますが、それでも大阪市にはさまざまな個人経営の大衆中華店が営業されています。あくまで個人的な意見となりますが、もともと京都市は人口の割りに大衆中華店が少ない印象です。理由としてまず、一般的な大衆中華店や町中華店とは異なる、京都独自の中華料理文化“京都中華”のお店が普及したから、が考えられます。“京都中華”とは京都市内で初めて中華料理店を任された高華吉氏が生み出した京都ならではの中華料理。普通は当たり前に使われるニンニク、ニラ、たっぷりの油などをできるだけ控え、アッサリとして老若男女が食べやすい中華料理を指します。当ブログでも数軒はREPORTしており、もはや“京都中華”という独立した料理ジャンルと考えても良いかも知れません。そして、「餃子の王将」や「天下一品」など、京都およびその近郊が発祥の中華・ラーメンチェーンがとにかく強いのも影響しているのではないか、と推察しています。「餃子の王将」は大衆中華チェーンですし、ラーメンチェーンの多くは炒飯や唐揚げ、餃子などを提供されていて、大衆中華店とモロに競合する存在。個人のお店では巨大資本のチェーン店に対抗するのは厳しいため、結果として京都市内の大衆中華店はチェーン店を除いて少ない、との仮説に至りました。とは言え京都市内、特に山科区伏見区などではまだまだ多くの個人経営の大衆中華店も数多く営業されています。そこで今回は、知り合いから教えていただいた山科区の大衆中華店へ向かいました。

渋谷街道京都府道116号渋谷山科停車場線)と京都外環状線の交差点(外環渋谷)を西へ530mほど行ったところにある「中華料理 佳園(ちゅうかりょうり かえん)」。こちらは昔ながらの大衆中華を味わえるお店で、当ブログでもREPORTした「中国料理 御旅飯店」や「明記大陸食堂」といったガッツリ系中華、管理人が提唱?する“漢(オトコ)飯”をいただけます。“漢(オトコ)飯”について詳しくは「明記大陸食堂」のREPORTをお読みください。もっとも“漢(オトコ)飯”を知れ得たところで人生において何の役にも立たちませんので、スルーしていただいて結構です。こちらは現在、昼の営業時間は11:30〜15時、夜は17:30〜21時となっていて、遅めのランチにも対応されています。少し別の場所には車を2台停められる専用駐車場があり、JR「山科駅」、地下鉄「山科駅」または「東野駅」、京阪「京阪山科駅」から徒歩10〜12分程度とアクセスも便利。若者からシニアまで多くの男性で賑わう大衆中華店です。時刻は14時、早速店内へ入ってみましょう。

管理人が訪問した際には大学生らしい若い男性グループ6名とミドルとシニアの男性2名組が飲食をされていました。女性客は皆無。管理人のようなオッサンにはパラダイスのようなお店です。カウンター12席程度と奥には4名程度が座れる小上がりの座敷があり、お一人様でも入りやすいでしょう。もちろん女性のお一人様であってもカウンター席ですので安心です。接客担当のオカアサンと調理担当のちょっとコワモテの大将がカウンター内の厨房から目を光らせておられるのでセキュリティ面も万全。アルコール類のメニューも豊富で、昼夜を問わず“ちょっと1杯”にも使える便利なお店です。それではメニューを確認してみましょう。

大衆中華の王道メニューがズラリ、しかもどのメニューもリーズナブルなのがうれしい。飲む人なら「生ビール」(大:¥800・中:¥550)とツマミに「レバニラ炒め」¥650、〆に「五目そば」¥550(大:¥710)でも頼めば、¥2,000前後でお腹いっぱい満足できるでしょう。また、飲む人も飲まない人も、さらにお値打ちなのが「定食/セットメニュー」です。中でも管理人が知り合いからオススメされたのが、唐揚げ・焼豚・カニ玉・スープ・ライスのセット「特別定食」¥700。さすが特別だけあって、3種のオカズが付いて¥700は特別感満載ではないでしょうか。さらに大衆中華店ではずせないのが「焼ぎょうざ」¥280。餃子専門店の焼き餃子もおいしいのですが、管理人が幼児の頃から慣れ親しんできた大衆中華店の焼き餃子は、素材のこだわりとか皮の厚い・薄いなどは関係なく白メシとともにかっこむ、とにかく下品に食べたい料理なのです。そこで今回は「特別定食」と「焼ぎょうざ」を注文してみました。

まずは「特別定食」が到着。¥700とは思えないボリューム感です。毎日でも通いたい。通い詰めたい。何なら賄い付きの住み込みで働きたい。これぞ世の男性が歓喜する“漢(オトコ)飯”の真髄です。添えられているキャベツの千切りなどのサラダが申し訳程度なのもグッジョブ!お母様や奥様、恋人などの女性陣から“野菜もちゃんと食べなさい!!”と注意されても、この定食ならギリギリ言い訳できるでしょう。スープの青ネギやライスのタクアンも、決して野菜不足ではないと証明するアリバイ工作にぜひご活用ください。ではトロントロンの餡がおいしそうなカニ玉からいただきましょう。

もう間違いのない味です。濃いめの醤油ベースの餡とフワトロの玉子、どこにいるかわからず戸惑っているとやや遠慮がちに顔を出すカニと、これぞ大衆中華のカニ玉。ビールのツマミだけでなく、ライスにも良く合います。カニの身ギッシリの高級店のカニ玉はおいしいかも知れませんが邪道でしょう。そもそも気軽に食べられるモノではありません。このUFOやUMAレベルに未確認なカニだからこそ何も気にせずガツガツ食べられ、カニの痕跡を発見したときの喜びと感動はひとしおなのです。また、たま〜に“カニカマ?”と思うほど存在感をはなつカニみたいなヤツがたっぷり入っているカニ玉も感心しません。往生際が悪過ぎです。漢(オトコ)のカニ玉にカニはそこはかとなく、でOK。¥700の定食のクセにカニがたっぷり入っていると思うなよ!と一喝するのが真の漢(オトコ)です。知らんけど。

焼豚も昔懐かしい大衆中華スタイル。意外に薄味仕立てで豚ロース肉の旨味を堪能できます。これはビールのツマミには最高でしょう。より濃い味を求める人は卓上の醤油をちょっと垂らせば問題ありません。ライスのオカズとしても有能ではないでしょうか。そしてやはりトドメは唐揚げ。ニンニクの風味が香る揚げたての鶏唐揚げは、男女を問わずハラペコさんにとってのキラーコンテンツです。四の五の言わせない納得の味わい。丼メシもワシワシと進みます。この定食だけでコンモリと盛られたライスがなくなりそうですが、「焼ぎょうざ」の存在を忘れてはいけません。

卓上の醤油と酢、ラー油を使って自分で酢醤油ラー油を調合していただきます。食べる前にナンなのですが、7個で¥280ですから1個あたり¥40と破格のお得さです。市販のチルド餃子や冷凍餃子ならもっとお安い餃子もありますが、熟練の大将が熟練の腕で焼く熟練の味込みの価格と考えると相当お値打ちでしょう。しかもメンドーな洗い物も不要。これぞ外食の醍醐味です。世間では洗い物をどちらがするかでモメにモメまくっている夫妻も少なくないそうですが、外食すればそんなモメごともなく家庭円満。外食がお宅の離婚危機を救ってくれるかも知れないのです。と、単身者らしくテキトーなアドバイスをお贈りしたところで「焼ぎょうざ」をパクリ。コレ!コレェ!!このもはやニンニクしか入ってないんじゃね?というぐらいインパクトのあるニンニクの効いた焼き餃子こそ、大衆中華の味でしょう。酢醤油ラー油にトポンと浸していただくと、ビールであろうとライスであろうとグイグイ進みます。生物の本能を刺激する、食べることは生きること、を体現する焼き餃子。と言えば少々大げさですが、お腹だけでなく気持ちも元気になるスタミナ満点の逸品です。近頃何かとコジャレた料理が増えてきて、食事を趣味や快楽と勘違いしてしまいがち。しかし食事は生命を紡ぐ活動に他なりません。こちらの料理には人間が本能的に求める味があります。男性だけでなく女性もこちらのような大衆中華店の“漢(オトコ)飯”で、明日への活力となる食事を楽しまれてみてはいかがでしょうか。

[2023年2月23日訪問]

中華料理 佳園
●住所…京都市山科区西野今屋敷町24-7(Google マップ
●TEL…075-595-8601
●定休日…日曜日および第3月曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「佳園」でご確認ください。

コメント

  1. 船長 より:

    漢飯に誘われ食べに行ってきました。
    天津飯とラーメンのセットを食べました。
    天津飯がメチャ好きな味で、また食べに行くお店が見つかりました❗
    いつもレポート有難う御座います~。 お体にお気を付けて、これからも宜しくお願いします❗

    • むちむち より:

      メッセージをいただき、ありがとうございます。
      コッテリ濃厚な昔ながらの大衆中華、おいしいですね。
      近頃はどんどん昭和の町中華店が減って寂しい限りですが、
      こちらにもまだまだ頑張っていただきたいと思っています。

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