めん処 譽紫
“コオロギ粉末給食”が話題になっています。コオロギを含む昆虫を貴重なタンパク源として活用する“昆虫食”は、家畜よりも環境への負荷が小さいため、世界レベルの危機である食糧問題を解決する取り組みとして注目されているようです。日本では古来からイナゴの佃煮をはじめ、地域によってはハチの幼虫(はちのこ)や、ヤマメ・アマゴ・イワナといった渓流魚の釣りでは定番エサである水棲昆虫の幼虫(ざざむし)などが食されています。海外でもさまざまな地域で昆虫は食べられていて、昆虫食は意外に歴史と実績があるのだとか。とは言え、あくまで個人的な願望ですが、昆虫を食べずに人生を終えたい。逃げ切りたい。もちろん食糧問題が重大な危機であること、その対策の一つとして昆虫食が有用であることもアタマでは理解はしているものの、どうにもココロが拒否しています。貴重な動物性のタンパク源は肉や魚、鶏卵、牛乳など、これまで慣れ親しんできた食材で摂取したい。そもそも一部の例外を除き、昆虫が本当においしいのであれば、食に異様なまでのこだわりを持つ日本人が黙っているハズもなく、さまざまな昆虫が立派な料理としてすでに利用されているでしょう。もっとも、昆虫を食べなくては生きていけない状況になれば、アッサリと昆虫食を受け入れると思います。数年先の当ブログでも“やはり丼の王様はバッタ丼ですな”とかREPORTしているかも知れません。…自分で書いていてちょっと気持ち悪くなってきましたので、現在の丼の王様を求めて、百万遍へと向かいました。
今出川通と東大路通の交差点(百万遍)を西へ200mほど行ったところにある「めん処 譽紫(めんどころ よし)」。こちらはかつて思文閣美術館が開館されていた思文閣会館の地下1階にあるうどん・蕎麦店です。うどん・蕎麦店ながら定食類なども豊富で、しかもどのメニューもリーズナブルな価格設定であることから、地元の人だけでなく近隣の京都大学などの学生にも人気のお店として知られています。学生街の重宝する食堂、といった感じでしょうか。こちらの昼の営業時間は11:30〜ラストオーダー14:40、夜は17:30〜ラストオーダー20:30となっていて、遅めのランチにも対応。京阪「出町柳駅」から徒歩6分程度と交通アクセスも便利なお店です。時刻は14:25、階段で地下1階へと降ります。
店頭に到着。ラストオーダーギリギリの時刻ながら数名のお客さんが利用されているようです。簡易なイスが3脚置かれていることから、お昼どきなどは並ぶほど混み合う日もあるのでしょう。では店内へ入ってみます。
思った以上に広い店内で、8名が座れるテーブル席1卓に6名テーブル席1卓、4名テーブル席3卓、2名テーブル席2卓が設置されています。黒板にはほぼラストシーズンの「広島県産カキフライ定食」¥980など、さまざまなオススメメニューが掲出。訪問した日はおそらく京大生のアルバイト2名が接客をされていて、学生街の飲食店らしさが感じられます。などとラストオーダー間際にも関わらすダラダラしていてお店の人にイヤがられるのもナンですから、早速メニューを確認しましょう。
うどん・蕎麦・丼はもちろん、定食やカレー、オムライスといった洋食まで、どのメニューもほとんどが¥1,000未満の価格でラインナップされています。しかもメニューパンフレットの後半は英語版というグローバルさ。英語圏の外国人観光客も利用しやすいメニューでしょう。「すき焼きうどん」¥1,000などの定食類や「オムシチュー」¥1,200などの洋食各種も魅力的。しかし今回のお目当ては丼の王様、バッタ丼ではなく「カツ丼」¥850です。“カツ丼が丼の王様?”と疑問に思われる人もいらっしゃるでしょうが、世の中には牛丼・天丼・親子丼・ロコモコ丼…とさまざまな丼がある中、唯一絶対の勝利を義務付けられているのが「カツ丼」なのですよ。カツ(勝つ)だけに。“チキンカツ丼でもハムカツ丼でもいいじゃねえか”とメンドーなことをおっしゃる人には、“では逆に尋ねますが、チキンカツ丼やハムカツ丼が丼の王様なのですか?それってあなたの感想ですよね??”と半笑いで切り返したい。ひろゆきさんバリに華麗かつ見事論破したところで「カツ丼セット」¥930を発見。セットは温・冷から選べるミニうどんまたは蕎麦が付きます。少し暖かい日であったため、久しぶりに冷たい蕎麦が食べたくなり「カツ丼セット(冷たいミニ蕎麦)」を注文しました。
「カツ丼セット(冷たいミニ蕎麦)」が到着。「カツ丼」の卵の半熟具合は管理人の中ではベストな状態となっています。「冷たいミニ蕎麦」はかけスタイルで、ワカメと青ネギ、揚げ玉(天かす)、白ゴマにたっぷりのおろしショウガがおいしそう。まずはウエルカムドリンク代わりに「冷たいミニ蕎麦」からいただきます。
蕎麦のコシもあり、スッキリとした味わいです。何と言ってもダシがおいしい。こちらのうどん・蕎麦ダシは無添加の自然食材を使われているそうで、薄味ながらダシの風味が効いていてホンノリと甘め。そこにおろしショウガが加わって、全体をキリリと引き締めています。冷たい蕎麦なのにぬくもりすら感じる味わい。丼のサイドメニューとしても効果的で、食欲も高まります。ではいよいよ「カツ丼」をいただきましょう。
肉厚な豚ロースカツが幸せです。卓上には小袋タイプの七味唐辛子と粉山椒が常備されていて、イタズラ?対策も万全。京都人としてカツ丼には粉山椒を選びます。丼ツユも無添加のうどんダシを使われているのでしょう、カツ丼とは思えない薄味仕立ての上品な味わいですが、ボリューム感はあり満足度も十分。ブ厚めのカツにトロトロ卵、タマネギの甘み、青ネギやノリの風味が渾然一体となって、まさに丼の王様と呼ぶにふさわしいおいしさです。これはバッタ丼でもカマキリ丼でも絶対にムリ、豚肉あってこその旨さでしょう。¥930という¥1,000未満のお手頃さでコスパ最強の「カツ丼セット」を堪能できました。昆虫食はともかく、将来の食糧危機は豊かな食があふれる日本でも重要な課題です。そんな困難なテーマに打ちカツために、こちらの「カツ丼」やうどん・蕎麦、定食、洋食各種をしっかりと食べて立ち向かう取り組みが求められているのではないでしょうか。いつものREPORTとは異なり、妙に社会派となってしまって何かスミマセン。
[2023年3月1日訪問]
めん処 譽紫
●住所…京都市左京区田中関田町2-7 思文閣会館B1F(Google マップ)
●TEL…075-752-8117
●定休日…日曜日および祝日
●備考…禁煙
●ホームページ
コメント
むかし「探偵ナイトスクープ」で見たんですが、おじさんがスズメバチを軒先で飼って(?)
ひょいと捕まえては焼いて食べてて、
探偵も「おいしい!クリーミー!」とか言ってたので、丼の王様の座はスズメバチ丼が獲得するかもしれません。
(私もぜったい逃げ切りたいです)
メッセージをいただき、ありがとうございます。
スズメバチ丼ですかw…幼虫は日本でも丼ではありませんが食べられていたようですが、
成虫はさすがにあまり聞きません。
しかもスズメバチに限らず野生の個体は寄生虫や感染症などのリスクがありますからオススメできません。
今回問題となっているコオロギの養殖について事業としては現段階においておそらく採算は取れないでしょう。
実際には鶏の飼育の方が飼料や水資源も少なく済み効率的、という説もあるぐらいですから。
もっとも、SNSなどで発信されているコオロギ食(昆虫食)の否定派の根拠は、
私が目にしたものに限ればほとんどデマやソース自体が不明瞭なものがほとんどなのも事実です。
“適切な養殖”をされたコオロギなら、
カニやエビなどの甲殻類アレルギーと同様のアレルギーリスクがあることを発信・普及したうえで、
後は食べたい人は食べれば良いし、私のように食べたくない人は食べないで良い、ぐらいの、
好き嫌いの範疇だとは思います。
給食はその場の雰囲気から甲殻類アレルギーの児童・生徒も口にしやすい懸念があるため、
個人的には給食での提供には反対派です。
ただ、SNSなどで騒がれている国からの助成金?や病気を発症する可能性?などは、
誰かの意見を鵜呑みにして簡単に騒ぐのではなく、自らが発信する前に
真実か否かを一人ひとりが確認すべきでは?とは思いますね。
まぁ、私は昆虫食は単純に“生理的に”食べたくないのですが、
ただ…もし料理の鉄人や著名な料理人に昆虫料理を振る舞ってもらったら、
食べてみたい欲求は抑えられないかも知れませんwww