お食事処 白川 大銀
9月に入り、小学生や中学・高校生にとっては、早くも夏休みが恋しくなってきたのではないでしょうか。…ということを書きながら、昭和のオッサンである管理人は、夏休みはおおむね全国的に7月20日前後から8月31日まで、の認識でした。現在は都道府県によって異なるものの、京都市内の市立小学校では今年は8月24日、市立中学校では8月23日までだったようです。今の小中学生はお父さん・お母さん世代、イヤ、おじいさん・おばあさん世代と比べて損をしている、と憤慨していることでしょう。そう、50歳オーバーの管理人は小中学生からしたら、もうおじいさんと呼ばれても仕方がない年齢になってしまいました…許すまじ。小中学生とは言え、自分の孫でもないのにおじいさん呼ばわりされるのは我慢なりません。そもそも敬老の日に誰かからプレゼントをもらったことすらありません。年寄り扱いは厳に慎んでいただきたいと強く意見表明しつつ、夏休みの思い出として印象に残っているのは宿題です。管理人はこう見えて子どもの頃は有能でしたので、ドリルや読書感想文などのプリント系は7月中に終わらせていました。8月は何の心配もなく思う存分遊び呆けたかったからですが、難敵だったのが絵日記や水彩画、自由研究などの図画工作系。この系統は面倒だったので、つい後回しにしがちでした。絵日記をギリギリになって半泣きになりながらまとめて書くスタイルは、現在でも必要書類を提出日ギリギリになって半泣きになりながらまとめて書くスタイルで踏襲されていて、人間的に何ひとつ成長していません。ただ、オトナになると夏休みの宿題自体は強制ではなくなります。個人個人で夏休みの宿題、というか課題、目標などを設定してクリアされておられる人は、かなり意識が高い有能な人なのでしょう。管理人も有能ですので当然、夏季の課題をもっています。それは夏にしか食べないものを必ず食べる、という課題です。例えば京都人の管理人なら鮎の塩焼きやハモ落としなどと言いたくなるものの、そんな京都の観光大使が言いそうな食べ物ではありません。では、9月に入ってしまいましたが、昭和世代の管理人が夏の忘れ物をクリアするため、昭和の定食店・食堂へ向かいます。
白川通と今出川通の交差点(白川通今出川/銀閣寺道)を北へ470mほど行き、細い路地を東へ50mほど行ったところにある定食店・食堂「お食事処 白川 大銀(しらかわ だいぎん)」。このエリアには以前REPORTした現在も営業中の「大銀食堂」や、すでに閉業された1軒など、かつては“大銀”の店名の定食店・食堂が3軒営業されていました。この“大銀”の関係性について管理人はよくわからないのですが、京都市内全域に展開されている店名ではなく、白川通沿いのみに集中していることから、おそらくは親族や暖簾わけされた師弟・兄弟弟子関係など、かなり近しい人数名が開業されたお店ではないかと、何ひとつ根拠がない、まったくの憶測・想像で書いています。今、地域マスゴミメディアをコテンパンに論破して話題の広島県安芸高田市長なら理路整然とガン詰めされるところですが、管理人は京都市民でマスメディアではない一般人なのでセーフ。安芸高田市の飲食ブログでなくて本当にヨカッタです。こちらは観光客などはまず利用されないお店で、近隣の京都大学や京都芸術大学などの学生をはじめ、地元民御用達の定食店・食堂として昔から利用されています。現在の昼の営業時間は11時〜ラストオーダー14:45、夜は17時〜ラストオーダー19:45となっていて、遅めのランチにも対応。叡電「元田中駅」または「茶山・京都芸術大学駅」から徒歩16分程度と、歩けない距離ではないアクセス具合なのが、地元密着型のお店となっている理由だと考えられます。時刻は14時、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。
昔からのお店ですが、うどん・蕎麦・丼だけでなく、定食類も充実しています。「日替定食」¥800をはじめ、ほとんどが¥1,000以内とリーズナブルな価格設定です。「トンカツ定食」¥1,000や「カツ丼定食」¥1,000などのガッツリ系から、「にら玉炒め定食」¥850や「もやし炒め定食」¥750などのヘルシー系まで、学生などの若い人はもちろん、老若男女が親しみやすいラインナップではないでしょうか。「天丼」¥650など、他店にはない安さも魅力でしょう。時刻は14時、では店内に入ってみましょう。
思った以上に広々とした店内です。昔ながらのおもむきながら清潔感もあり、女性も利用しやすそうな雰囲気。気軽に利用できるお店ですので、お一人様のお客さんが多いのも特徴だと思いました。では改めてメニューを確認してみましょう。
サテ、「すき焼き定食」¥1,050などにもそそられるますが、今回は夏の忘れ物を取り戻す食事ですので「豚しゃぶ定食」¥850に決めていました。「豚しゃぶ」とは冷たい豚肉のしゃぶしゃぶで、管理人も大好きな料理ではあるものの、今年は1回も食べていませんでした。個人的にはほぼ夏限定で、外食というよりは自宅で食べる料理ではあるのですが、なぜか今年は自宅で作った記憶がなかったため、「豚しゃぶ定食」を提供されているこちらで食べてしまおう、と考えたワケです。また、夏が旬のアジを使った「あじフライ」も管理人としては夏のご馳走ですので、単品の「あじフライ」¥400も併せて注文してみました。
まずは「豚しゃぶ定食」が到着。ライスは何も言わずとも中ライスですが、一般的な飲食店であればほぼ大ライスと呼べるボリュームとなっています。主役の「豚しゃぶ」だけでなく、副菜2種と漬け物も丁寧に作られているのが印象的。漬け物はナスとミョウガであえられたおそらく自家製で、夏らしいサッパリ感がクセになります。そしてとにかくおいしい!と感じたのが煮物。厚揚げ2個に鶏ミンチ、カボチャ、サツマイモ、ニンジンなど根菜の煮物で、醤油ベースの餡かけとなっています。ショウガも効いていて、ご飯のオカズとしても有能な、ホッとする味わい。これぞ母の味、といったどこか懐かしい、昭和の味なのが泣かせます。では、メインの「豚しゃぶ」をいただきましょう。
冷たいのに柔らかな豚肉にキャベツの千切りなどの野菜、薬味の青ネギにポン酢醤油のタレが絶妙な味わいです。豚肉なのにサッパリと食べられ、食欲が落ちる暑い日などには最高ではないでしょうか。生野菜をたっぷりといただけるのも高ポイントです。また、豚肉にカラシを付けていただくと、ツーンと鼻に抜ける辛味が心地よく、ご飯にはもちろん、飲む人ならビールのお供としてもピッタリだと思います。やはり暑い日の冷たい豚しゃぶはおいしい。9月になっても京都市内は猛暑日がしばらくは続きそうですので、暑気払いにぜひ食べていただきたい逸品だと感じました。
そして「あじフライ」は¥400ながら3枚も付くお値打ち品です。カラリと揚げられたアジフライは、オトナならみんな大好物でしょう。このアジフライ、実は外食で食べられる機会は意外と多くありません。フライと言えば一般的には洋食店の独壇場ですが、アジフライを提供されている洋食店は多くありませんし、仮に提供されていても、つい白身魚フライやエビフライ、ホタテフライなどの他の海鮮系フライに目を奪われがちで、あまり注文しないのではないでしょうか。アジフライは和食系の飲食店、特に居酒屋メニューで光り輝きます。ただ、管理人のように飲めない人にとって居酒屋へ行く機会は少ないため、夏場の定食店・食堂でアジフライを見つけると、作り置きしてあるヤツでもつい注文してしまいます。こちらの「あじフライ」は当然揚げたてですので、より楽しみです。
卓上のウスターソースをかけて、いただきます。動画であればこの“サクッ”とした音をお届けできるのですが、とにかく揚げたては絶品です。肉厚なアジの旨さも申し分ありません。1年中水揚げされるアジですが、旬は夏。夏の暑さが落ち着いて長袖を着るようになると、途端にアジへの関心が薄らいでしまいます。管理人にとってアジフライは夏のご馳走なのです。卓上には醤油も置かれていて、醤油派の人も楽しめるでしょう。3枚あるため、1枚を醤油もしくはウスターソースに味変してもOK。アジフライは子どもの頃は特に好物ではなかったものの、オトナになるに連れその真価がわかるようになってきました。白身魚フライやホタテフライにはない、青魚独特の強い旨味が、オトナの舌を魅了するのかも知れません。今夏を締めくくる料理として「豚しゃぶ」と「あじフライ」を堪能できました。こちらでは季節を問わずおいしい定食やうどん・蕎麦・丼が用意されていますので、いつでも気軽にお出掛けされて、昭和から今に続く老舗の味を楽しまれてみてはいかがでしょうか。
[2023年9月2日訪問]
お食事処 白川 大銀
●住所…京都市左京区北白川上別当町4(Google マップ)
●TEL…075-711-2625
●定休日…日曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「お食事処 白川大銀」をご確認ください。
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