雲の上はいつも晴れ
用事があって円町訪問へ向かいました。当ブログでも円町エリアの飲食店は数多くREPORTしており飲食店激戦区の1つですが、中でもカレー店激アツ地域です。日本でカレーと言えばかつては自宅でカレールーを使って作れる欧風カレーが一般的でしたが、最近ではカレーの多様化も進んでおり、インド・ネパール系や東南アジア系の本場カレーをはじめ、関西では大阪を中心に進化しているスパイスカレーなど、さまざまなカレーを楽しむことができるようになりました。円町エリアのカレー店はスパイスカレーが主流派で本場カレーのお店も少なくなく、当ブログでもREPORTした「かれー屋ひろし」のスープカレーといった変わり種?も味わえます。そんな京都市内でのカレーの聖地である円町エリアで今回は主流派のスパイスカレー、しかもかなりの人気店をREPORTしてみました。
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西大路通と丸太町通の交差点(円町)を南へ220mほど行ったところにあるスパイスカレー専門店「雲の上はいつも晴れ」。店名の上に“京野菜と優味カレー”と書かれています。京野菜とは京都府で生産されている京都の伝統野菜やブランド野菜を指しているようです。“優味”は「やさしみ?」「ゆうみ?」「すぐれみ?」などさまざまな読み方が考えられ断定はできないものの、おそらくは“やさしい味”を意味しているのではないかと思っています。JR「円町駅」から徒歩5分、地下鉄「西大路御池駅」から徒歩7分程度とアクセスも便利。営業時間は11時〜22時の通し営業でランチは11時〜15時、カフェは15時〜17時、ディナーは17時〜ラストオーダー21:30となっていて、遅めのランチにも対応できるありがたいお店です。人気店ですので人混みを避けるため開店直後の11:15に到着。まずは店頭のメニューを見てみましょう。
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カレーは日替わりで4種類用意されており、その4種類をから1種類選べる「カレー1種 ランチセット」¥1,150から、4種類選べる「カレー4種 ランチセット」¥1,480まで、4種類のランチセットがお得です。さらに平日限定とはなりますが「カレー2種 ランチ」¥920と¥1,000未満でいただけるメニューも用意されていてリーズナブルなのも人気の秘密なのかも知れません。なによりこちらのカレー各種をはじめ、さまざまな点でとにかくこだわりがモノスゴい。昭和のオッサンが大好きな一般的なビーフカレーなどのスタンダードなカレーは一切ありません。スパイスカレーを極めている感があふれ出ているメニューだと感じました。では店内に入ってみましょう。
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えぇ…開店15分後のランチとしては早過ぎる11:15にも関わらず、7割ほどの客席がお客さんですでに埋まっていました。さすがは人気店、並ばずに済んで本当にヨカッタ。カウンター7席と2名テーブル席2卓のコンパクトな店内で、ぬくもりと清潔感がある雰囲気です。女性のお客さんも多く、女性のお一人様も多く利用されていました。カウンター席に着席し、テーブル上のPOPを確認します。
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水へのこだわりだけでなく、辛さがないカレーで卓上の調味料で自分好みの味へ調節する、なかなかのこだわりっぷりです。塩味をプラスする岩塩、辛さをプラスするカイエンペッパーと青唐辛子パウダーの他に、どう考えても辛そうな赤い液体はナニ?とオーナーさん?に尋ねてみると、カレー風味の自家製ラー油とのこと。“カレー風味のラー油??”と一瞬、脳が思考停止状態になりました。ラー油は中華の辛味調味油で、そこにカレー風味を付けておられる、インドと中華の融合のような油のようです。こだわりだけでなく、発想もスゴい。イヤ、悪口ではなく褒めているのですが、もはや変態です。カレーに魅入られた人が作るこだわりカレーを味わいたいと、日々多くのお客さんが来店されているのでしょう。では改めてメニューを確認してみます。
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【STEP.1】でセットを選びます。今回は「カレー3種盛り(カレー90g×3+名物メレンゲ卵+選べる副菜2品)」¥1,350に決定しました。ご飯もデフォルトは「黒米入り雑穀米(180g)」とこだわりが感じられます。【STEP.2】はカレー選び。4種類あるカレーから「鯛あらのカレー」「バターナッツカボチャとバジルのカレー」「ささげ豆の豚キーマカレー」をチョイスしました。“ささげ豆”は平安時代から栽培されている昔ながらの豆で、熟成・乾燥させたものはアズキに良く似ているものの、煮ると皮が割れやすいアズキは武家社会では切腹を連想されることから、煮ても皮が破れにくいささげ豆が珍重されていました。現在は、ささげ豆の若いサヤの部分が料理に使われることが多く、インゲンよりも柔らかい食感が特徴です。スーパーなどで一般的に販売されているインゲンよりも入手しにくいことも、かなりのこだわりではないでしょうか。【STEP.3】は副菜2品選び。どれも酒のツマミとしてはヨダレものでかなり迷いますが、「自家製 ごま豆腐」と「特製 ポテトサラダ」に決めました。【STEP.1】〜【STEP.3】でカレーのセット選びは完了です。後はお好みで【STEP.4】トッピング&単品、【STEP.5】食後のスイーツ、【STEP.6】ドリンクを注文できます。このフレキシブルさも人気の秘密だと感じました。
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「カレー3種盛り(カレー90g×3+名物メレンゲ卵+選べる副菜2品)」が到着。もうご馳走の予感しかしません。「黒米入り雑穀米(180g)」の器に盛られた「旬のこだわり添え野菜」はオクラと赤ピーマン、カボチャ、サツマイモと、秋らしいおいしいが確定している野菜です。名物メレンゲ卵は白身部分がメレンゲで黄身はほぼ生、といった、どれもこれもお店のこだわりにあふれています。副菜の「自家製 ごま豆腐」は、一般的な市販品にはない濃厚なゴマの風味が素晴らしい。ごま豆腐は精進料理の定番ですが、古くはお寺でお坊さんたちが作られていた料理です。お寺の料理も修行の一環ですから手間暇かけた調理方法が多く、ごま豆腐も自分で作ろうとすれば修行だけあってかなり面倒。管理人のような修行とは最も縁遠い人間にとって、ごま豆腐は作るものではなく購入するものなのです。子どもの頃にいただいた高野山のどこかのお寺のごま豆腐が管理人にとっては最上なものの、さすがにごま豆腐を食べに高野山まで行くことはありません。どうしてもごま豆腐を食べたくなると、近所のスーパーでも販売されている久在屋の「京仕込 胡麻豆腐」が本格的な味わいでお気に入りなのですが、こちらの「自家製 ごま豆腐」も負けず劣らずのおいしさだと思います。そして「特製 ポテトサラダ」はアツアツでビックリ。このホクホクしたジャガイモの旨さとゆで卵などのコクが加わっていて、新感覚の贅沢なポテトサラダだと感じました。もう副菜2品のREPORTだけでイッパイイッパイなのですが、さすがにカレーをREPORTせずに皆さんまたね〜と終了するのは気が引けますので、カレー3種も駆け足でREPORTします。
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まずは「バターナッツカボチャとバジルのカレー」をそのままパクリ。ナルホド、本当に辛くない。子どもや辛いのが得意でない人でも安心です。ただ、辛さがないとは言え、味は本格派。スパイスの風味が鼻に抜け、ダシと素材の旨味が上質なシチューをいただいているような感覚になります。個人的に塩味はこのままでも十分でしたので、カイエンペッパーと青唐辛子パウダーをテキトーに調合すると、これはもうスパイスカレーです。バターナッツカボチャの甘みとバジルの香りもあいまって、万人に愛される味わいではないでしょうか。
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「鯛あらのカレー」は濃厚な鯛の旨味がスゴい。どのカレーにも言えることですが、特に初訪問であれば、まずは辛味を足さずにそのまま味わうことをオススメします。魚介臭さなどは一切なく、純粋に旨味のかたまりのような豊かな味わいです。自宅で鯛のアラを購入してカレーを作っても、おそらくこうはなりません。シーフード系カレーの欠点として、個人的には魚介臭さがどうしても気になるのですが、こちらはスパイスのプロだけあって、スパイスで巧妙に魚介臭さをマスキングされているのでしょう。鯛のおいしさの新たな一面を発見できたカレーでした。
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「ささげ豆の豚キーマカレー」は本場のインドやネパールのカレーにも通じる安定のおいしさです。豚ひき肉の旨味が存分に発揮されていて、ささげ豆のほのかな甘みが絶妙に調和しています。そしてこのカレーに関しては、辛いのが得意な人は辛さ強めに調整してもおいしい。豚ひき肉の旨味はある程度の辛さにも対抗できると感じるからです。管理人はカイエンペッパーをパラパラと振るつもりが不意にドサッと入れてしまいゲッ!となったのですが、何だか中毒性のあるおいしさになっていました。辛いのは辛いですよ、間違ってドッサリとカイエンペッパーを入れたのですから。ただ、不思議と後をひくおいしさで、辛いのが得意でない管理人でもまた食べたくなる辛さでした。力強い旨味だからこそ、ある程度までの辛さであれば十分おいしくなるのだと思います。
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自分で辛さを調節しながらカレーを食べるのもなかなか楽しいものです。たとえ1種類のカレーであったとしても、旬の野菜やメレンゲ卵、黒米入り雑穀米と、ひと口食べるごとに異なるおいしさが口に中にあふれて、飽きることがありません。さすがは人気店だけのことはあるクオリティです。秋から冬にかけて野菜や魚介類などが旬を迎える絶好のシーズンに、こだわりの詰まったこちらで優しい味わいのカレーをじっくりと楽しまれてみてはいかがでしょうか。
[2023年9月17日訪問]
雲の上はいつも晴れ
●住所…京都市中京区西ノ京中御門東町140-2(Google マップ)
●TEL…070-8576-1452
●定休日…第1・3・5木曜日(ランチのみ第2・4木曜日)
●備考…禁煙
●ホームページ/X(旧Twitter)/Instagram
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