餃子専門店 福吉 京都本店
明日12月31日は大晦日、2024年(令和6年)ももうすぐ終わります。当ブログでは例年、大晦日前のREPORTは蕎麦店に決めていました。京都市は関西エリアではあるものの、うどん1強ではなく蕎麦店も意外に?多く、老舗店や新進気鋭のお店など、多くの蕎麦店が営業されています。管理人は味オンチですので蕎麦マニアのように蕎麦の味に詳しくはないのですが、蕎麦は大好き。京都人も他都道府県向けには“京都はうどんどすな〜”とか言っておきながら実は蕎麦好き、なんて人も少なからずいらっしゃるのです。そこで今回も蕎麦店をREPORTしようと出かけて入店直前に、気づいていまいました。“サ、サイフがない!?”。そう、50歳を超えて初めてサザエさんのウッカリエピソードを体験してしまったのです。もちろんサザエさんのように陽気になれるハズもなく、もう凹みまくり。閉店近い時刻だったこともあり、いったん帰宅して出直すこともできず、今年最後のREPORTがまさかのお休み…も頭によぎったのですが、それはさすがにダメでしょう、というワケで、幸い前日に訪問し、新年第1弾予定だったお店をREPORTいたします。それは「餃子」。先ほど京都人は実は蕎麦が好き、と書きましたが、他都道府県の人にとってあまり京都らしくない料理であっても、京都人が熱愛するグルメはかなり多く存在するのです。例えば、代表的なものだとまずラーメンでしょうか。焼肉やパン、ケーキも京都人なら納得でしょう。そして「餃子」。そもそも日本でシェア1位の中華チェーンでもある「餃子の王将」は京都発祥であり、多くの京都人は餃子を日常食として当たり前のように食べています。餃子で有名な「宇都宮餃子」や「浜松餃子」、福岡の「一口餃子」や「鉄鍋餃子」などのような知名度こそないものの、それは京都の餃子には決まったスタイルが特になく、さまざまな餃子が食されていて「京都餃子」と定義付けできないのが知名度の低い理由なのかも知れません。そこで今回は、京都市内の餃子専門店の中から、京都らしい味わいながら本格的な餃子をREPORTしようと、京阪「藤森駅」エリアへ向かいました。
師団街道と京都府道201号中山稲荷線の交差点(師団街道龍大前)を南へ390mほど行ったところにある「餃子専門店 福吉(ふくよし) 京都本店」。こちらについて管理人は4〜5年前に仕事途中のランチで伺ったことがあるぐらいですが、元祖「福吉」の屋号のお店はこの場所から祇園に移転され数年前まで営業されていたこと、管理人は記憶にありませんが真偽不明ながら一乗寺エリアでも営業されていたこと、現在は清水道の交差点近くにてその餃子なども提供されている「親子食堂」の屋号で営業されていること、などは何となく知っていました。ではこちらはおそらく「福吉」の屋号を受け継がれた?元祖とは異なる別のお店です。とは言え、決しておいしくないワケではなく、イヤ、むしろ京都市内の餃子専門店の中でもレベルが高いお店だと思います。こちらは11時〜ラストオーダー21:30の通し営業で年中無休とかなり使いやすいお店です。ちなみに2024年(令和6年)〜2025年(令和7年)の年末年始は特別価格として、全メニュー5%アップとなっていましたのでご注意ください。時刻は11:30、早速店内へ入ってみましょう。
カウンター5席程度と6名テーブル席2卓、4名テーブル席2卓、2名テーブル席1卓の広々とした店内。ランチ前の時刻にも関わらず、既に数名のお客さんが食事をされていました。いかにも?餃子が好きそうなミドル男性だけでなく若い女性客も利用されていて、龍谷大学や京都教育大学が近い立地なこともあり、学生も気軽に使えるお店ではないでしょうか。カウンター席もあってお一人様でも入りやすい雰囲気です。また、年末年始などを除いた平日にはお得なランチメニューも用意されているようですので、平日に近くで観光や商用をされる人にとってはさらに利用しやすいと思います。ではメニューを確認してみましょう。
管理人もメニューを撮影したのですが、同じメニューが無人販売所の伏見桃山店(現在は閉店)ホームページにもアップされていて見やすかったため、今回はこちらを転載させていただきます。メインの餃子は薄皮焼餃子・厚皮焼き餃子・蒸餃子・水餃子の4タイプ。京都、というか日本で餃子と言えば焼き一択ですが、本場中国では地域によって多少異なるものの、おおむね水餃子・蒸餃子・揚げ餃子・焼餃子の順でメジャーなのだとか。日本だと不動のTOPが焼餃子で次に香港料理や点心などを提供する本格系中華店の蒸餃子、お弁当のオカズで人気の揚げ餃子、最後に餃子鍋やスープ餃子などのアレンジ餃子として食べる水餃子、のような気がします。そして本場では焼餃子をオカズにホワイトライスを食べる習慣はありません。つまり日本の焼餃子は発祥こそ中国ではあるものの、もはや別の料理と言えなくもないような気がしないでもありません。今回は餃子回ですのでこちらで最もスタンダードだと思われる焼餃子から「薄皮 肉餃子」¥418と、本場では主流派の水餃子から「厚皮 海老餃子」¥539、そしてサイドメニューから「鶏天 小皿」¥363に「白ご飯 並」¥242をチョイス。炒飯や麺各種もおいしそうでしたが、あくまで餃子メインの注文ラインナップで攻めてみました。
手前左から反時計回りに「薄皮 肉餃子」・「厚皮 海老餃子」・「鶏天 小皿」・「白ご飯 並」が到着。餃子好きにはたまらないビジュアルですね。卓上には「ごま香るみそダレ」と、醤油・酢・ラー油・コショウなどがセットされていますので、思い思いのタレを自分好みに調合できます。このアツアツを頬張りたいので、まずは水餃子の「厚皮 海老餃子」からいただきましょう。
モチモチプルンでなめらかな皮と海老の旨味が口いっぱいに広がる、水餃子の真髄が感じられるおいしさです。みそダレとの相性も抜群で、特に寒い時期にはご馳走。本場の人気ナンバーワンなのもうなずけます。そしてホワイトライスのオカズではないのにも納得。これは豚まん・肉まんや小籠包などと同様、単体で主食になり得る料理です。関西圏以外の人から“お好み焼きや焼きそばはご飯のオカズではない”と聞きますが、ご飯のオカズではない度で言えばお好み焼きや焼きそば以上、もはやうどんや蕎麦レベルではないでしょうか。もっとも関西にはうどんや蕎麦をオカズ?吸い物代わり?にホワイトライスをかっこむツワモノも存在しますので、水餃子をオカズにご飯の人もいらっしゃるかも知れませんが、管理人的にはこれは主食です。やはり皮で変わるのでしょうか、管理人としては焼餃子も焼売も春巻もご飯のオカズで、これらに共通するのは皮が薄い点。水餃子のようなモッチモチな皮はそれ自体がご飯代わりだと認識してしまうのかも知れません。
「薄皮 肉餃子」は王道の焼餃子ながら京都らしい逸品。何が京都らしいかと言えばニンニク不使用で、上品な旨さを堪能できるからです。俗に「京都中華」と呼ばれるお店の焼餃子は基本、ニンニクを使わず舞妓・芸妓にも人気で、京都らしい感じがします。こちらの焼餃子はニンニク不使用の代わりにさまざまなスパイスが配合されているようで、素材の旨さを存分に感じられるおいしさ。個人的には酢醤油ラー油を付けていただくとご飯のオカズとしても有能な味わいだと思いました。
「鶏天 小皿」は鶏肉がジューシーで素直においしい。鶏天のコロモは和食の天ぷらゴロモではなく、中華料理店のエビの天ぷらや豚の天ぷらに近いでしょうか。塩コショウベースのマジックスパイスを付けていただくと、サクサクとしたクリスピーな食感に鶏肉の旨味がダイレクトに感じられます。鶏の唐揚げのような下味はほとんど付いていないため、鶏の旨さがより際立っている味でした。町中華店や大衆中華店のようなハッキリとした味の中華料理ではなく、高級中華店のような素材の味を重視した京都中華の発想に近い味を堪能できるお店です。年末年始、京都市内の個人営業の飲食店はお休みされるところも少なくありませんので、この時期に京都観光などで来られた際には重宝する飲食店の1軒でしょう。京都らしい、しかも本格派の餃子を求めて、こちらをお試しいただいてはいかがでしょうか。そして、お出かけの際にはサイフなどの貴重品はくれぐれも忘れずに、を当ブログの本年最後のご挨拶とさせていただきます。
[2024年12月27日訪問]
餃子専門店 福吉 京都本店
●住所…京都市伏見区深草西浦町5丁目10(Google マップ)
●TEL…075-646-5666
●定休日…年中無休
●交通…京阪「藤森駅」から徒歩6分程度
●専用駐車場…なし
●タバコ…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「餃子専門店 福吉」をご確認ください。
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