京都初のサイフォン式コーヒーを継承する北の喫茶店

喫茶店・カフェ編
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はなふさ NORTH店

“学生の街”とも形容され、多くの大学や教育機関が集まっている京都。喫茶店文化が発達し、街のいたる所にさまざま喫茶店が営業しています。いや、正確には“営業していました”です。近年ではデフレの影響や喫煙率の低下などに加え、喫茶店チェーンやカフェチェーンの台頭により、個人経営の喫茶店は徐々に姿を消しつつあります。昔は当たり前のようにあった「24時間営業の喫茶店」も、最近では探すのも困難な状況。さらに経営者の高齢化も深刻な問題で、飲食店の中でも特に“儲けを生みにくい業態”であるために、後継者も育たず、廃業する喫茶店を数多く見てきました。

管理人が学生の頃は喫茶店を“サテン”と呼び、授業中や学校帰りなどに寄って、恋愛の悩みを友人に相談したり、テスト前の一夜漬け勉強会や、単なるバカ話を延々と語る場として活用していたように思います。また、アルバイト先としても重宝し、現在40〜50歳の人は初めての就労体験が喫茶店だった、という方も多かったのではないでしょうか。そんな数少なくなった喫茶店の中から、今回は老舗として有名な「はなふさ NORTH店」を訪問しました。

かつては四条河原町の「京ごふく ゑり善」の裏手にあった「はなふさ」が代替わりされ、現在では京都市内に2店舗を展開。その1店「はなふさ NORTH店」の近隣には、金閣寺建勲神社わら天神宮(敷地神社)平野神社北野天満宮大徳寺などの社寺がある他、立命館大学佛教大学などの学校も多い地域です。7時から深夜2時まで営業されていて、朝はモーニング、昼はサンドイッチやトーストなどの軽食、夜は一日の〆をコーヒーとチーズケーキで楽しむことができます。

入店し、カウンターを見るとサイフォンがお出迎え。

“The First Coffee Shop With Syphon In Kyoto”

「京都初のサイフォン式コーヒーショップ」とあるように、今では多くの喫茶店で使われているサイフォンを、1955年(63年前)の開業当時に京都で初めて導入したお店です。サイフォンで淹れられたコーヒーは、まろやかな酸味とすっきりとした雑味の少ない味わいが特徴。京都の老舗喫茶店は紙または布フィルターを使ったドリップ式が多く、強い苦味と芳醇なコクのあるコーヒーを提供する店が多いのですが、「はなふさ」が追求するのは“コーヒーの香りと豆本来のやさしい味、ほのかな酸味の調和”です。コーヒー好きはもちろん、コーヒーが苦手な方にも楽しめるのではないでしょうか。

今回は「35:誠養軒」で冷やし中華をいただいた帰りの訪問です。注文したのは「アイスカフェオーレ」¥490と「ベークドチーズケーキ」¥370。

「アイスカフェオーレ」はミルクとアイスコーヒーの調和がしっかり楽しめる、これぞプロの味という1杯です。他店のインチキアイスラテとは比べようもない豊かな味わいが、はなふさのアイスオーレにはあります。本来はホットの方が味の特徴を伝えやすいのですが、アイスでもはっきりとわかるのが凄いところ。ぼんやり飲んでいるとすぐになくなるので要注意ですよ。

「ベークドチーズケーキ」は甘さ控え目でチーズが濃厚。しっかりとした密度のチーズケーキはニューヨークスタイルで食べごたえも十分。それでいて重さはまったく感じず、3口ぐらいで完食できそうな、これまたぼんやり食べているとすぐになくなる要注意なケーキです。ちなみに「レアチーズケーキ」¥370もあり、こちらはフレッシュなチーズのねっとりとした旨味を楽しめます。

金閣寺などの社寺めぐりの合間に、せっかくなら京都を代表する喫茶店でコーヒーブレイクを楽しまれてはいかがでしょうか。あわただしく観光地巡りをするのも旅の楽しみですが、京都という街には似合いません。ゆったりと散策気分で途中に休憩を挟みながら、じっくりと観光地を巡るのも京都観光の醍醐味です。「はなふさ NORTH店」でのコーヒーブレイクなら、京都の歴史を五感で感じることができますよ。

[2018年8月31日訪問]

はなふさ NORTH店
●住所…京都市北区衣笠東御所ノ内町50-51 ハウス50 1F
●TEL…075-462-5292
●定休日…年中無休
●備考…店内喫煙可
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「はなふさ NORTH店」で検索してください。

*追記*

2018年9月25日に「はなふさ EAST店」を訪問し、トーストサンドウィッチの「ミックス」を食べました。詳細につきましては「はなふさ EAST店」REPORTをご覧ください。

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