食堂 木洞商店
味噌汁やすまし汁などの汁物におかず三品とご飯が、和食の基本と呼ばれる「一汁三菜」です。栄養のバランスも良く、健康的な食生活の指針として近年、世界中で注目されています。外食が多い管理人も食堂などへ行くときは「一汁三菜」を意識しているつもりなのですが、気づけば「零汁四肉」になっていたり、何だったら「一麺一丼」になっていたりして、ちっとも健康的ではありません。
毎日夜が遅めの夕食だからこそ、今回は「一汁三菜」を意識した食事をしようと、金閣寺近くにある「食堂 木洞商店(こどうしょうてん)」へ伺いました。「はなふさ NORTH店」からすぐの場所なのですが、閑静は住宅街の中にひっそりと佇んでいて、少し見つけにくい隠れ家的なお店です。管理人は以前からお店の前は何度か通っていたものの、食事をするのは初めて。手作りアートな外観にわくわくしながら入店してみました。
木の香りがすると錯覚してしまう山小屋風の内観です。しかし単なる山小屋ではありません。やはりそこかしこにアートな雰囲気がします。
何名かの作家さんが作ったハンドメイドの雑貨などが売り物として置かれています。手作り感あふれる木の棚などに見入っていると、女性の店員さんがメニューを持って来られました。さっきまで雨が降っていたせいか、お客さんはいません。いつもはわかりませんが、今夜は女性店員さんお一人で切り盛りされているようです。メニューを見ると、夜ご飯定食(ご飯、味噌汁、サラダ、メイン1品、おかず3品)¥800があり、メインは「鶏の唐揚げ」や「京都ポークのとんかつ」、「野菜きのこ炒め」など10種類以上から選べます。お店のイチオシっぽい「鶏の唐揚げ」をメインに選び、注文してみました。
これです、これが求めていた「一汁三菜(正確には五菜)」です。しかもご飯は雑穀米で健康に配慮されているのが、独身にはうれしい限り。まず「味噌汁」からいただきます。
鰹ダシと豆味噌の風味がふんわりと香る味噌汁です。薄味ですまし汁のような味わいに女性らしさが感じられます。歯ごたえのあるニンジンは甘酸っぱいピクルスのような味で、ポン酢ドレッシングの野菜サラダとともに健康的なおいしさ。マカロニサラダはツナマヨの味つけで、付け合わせにぴったりです。甘めに煮付けられたカボチャ、梅ジソ風味の切り干し大根は、ご飯のおかずとしてよく合っています。
鶏の唐揚げはニンニク醤油で下味がつけられた、意外にガツンとした味わい。鶏の旨味が口の中いっぱいに広がるおいしさです。この味のメリハリが定食のリズムを生み出しているように感じました。この定食の味を何かに例えるとすれば…
メシウマ嫁のご飯です!
…スミマセン、メシウマ嫁どころか、嫁のご飯の味すら知らずに例えてしまいました。しかし一品一品がとても丁寧に作られた、女性らしい繊細なやさしい味わいだということはわかります。「漢(おとこ)飯」とは対極、真逆の料理です。管理人は「夜ご飯定食」を食べながら“もうこんなブログはやめて、毎日ここの料理を食べに通おうかな、毎日メシウマ嫁のご飯を食べたいな” と本気で思ってしまいました。ただ冷静に考えれば、たまには「漢(おとこ)飯」が食べたくなるでしょうし、そもそも本当の嫁でないことにも気づいたので、これからもしばらくはブログを続けようと思います。
こちらのお店は22時まで「夜ご飯定食」を注文でき、アルコール類や一品料理は24時まで楽しめるようです。妻帯者の男性にオススメすると面倒な予感もしますが、独身の男性にとっては家庭の味を味わえる貴重なお店ではないでしょうか。もちろん女性も大好きな料理でしょう。食後に「アイスコーヒー」¥500を注文したのですが、何だかゴリゴリと音がするなぁ〜と思っていたら…
一口飲んで“淹れたてを冷した?!” とびっくりしてしまいました。丁寧すぎです。アイスコーヒーはリキッドコーヒーで十分では?と思いつつ、この丁寧さがお店最大の特長なのでしょう。おいしいもの、まっとうなものを提供したい、というお店の強い意思 が感じられます。開業して2年ほどなので知名度はまだ低いですが、そのうち絶対に京都有数の人気店となるのは間違いありません。京都に来られた方や京都在住の方は、ぜひ一度「木洞商店」の料理やコーヒー、そしてお店全体の雰囲気をご堪能ください。
[2018年10月11日訪問]
= 食堂 木洞商店 =
●住所…京都市北区衣笠東御所ノ内町62-6
●TEL…050-1359-7637
●定休日…月曜日
●備考…店内喫煙可
●ホームページ
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