洋食工房
京都にはかつてたくさんの洋食店がありました。管理人が子どもの頃ですから今から30〜40年ぐらい前でしょうか、洋食はハレの日のご馳走だったように思います。平成世代にとっては“洋食=ファミレス”のイメージかも知れません。老舗洋食店が徐々に姿を消しつつある現在、限られた有名店のみがメディアなどで脚光を浴びているなか、当ブログでもたびたびREPORTしているように地元に根ざした穴場的な洋食店はまだまだあります。今回はそんな洋食店から超穴場と言うべき「洋食工房(ようしょくこうぼう)」へ伺いました。

京都在住の方にもあまり知られていない洋食店です。もう30年近く営業されているハズですが、京都のガイドブックやネットでもほとんど取り上げられていません。もちろん料理がマズい訳でも、マスターの人柄がよろしくない訳でもありません。大宮商店街というちょっと寂れ気味な場所にあるのがネックなのでしょうか。夜は22時まで営業されていて、夜遅めでも洋食をいただけるありがたいお店です。時刻は21:10、早速店内へ入ってみましょう。

カウンター6〜7席と4名テーブル席3組のこじんまりとした店内。マスターとママが笑顔でお出迎えしてくれ、お一人様でも安心して利用できるお店です。出前にも力を入れておられ、近隣の方がとてもうらやましく思います。閉店時刻まであまり時間もありませんので、急いでメニューを確認してみましょう。

ご覧のとおり、どのメニューもリーズナブルな価格で洋食をいただけます。大阪北新地の老舗洋食店「ネスパ」の名物料理「コロペット」がメニューにあるなど、洋食をかなり追求されているのは間違いないでしょう。そしてランチ3種類は、夜でも注文できます。今回はランチの中から「Bランチ(スープ・エビフライ・ビーフカツ・サラダ・ライス)」¥2,000を注文してみました。まずはスープがやってきます。

シンプルながら深みのある味わいのコーンポタージュです。ほぼコーンのおいしさだけを味わえる、家庭的ながらプロの技術が光る一品。タマネギや甘味料などで必要以上に甘いコーンポタージュが多いなか、コーンの甘味だけで勝負している味に好感がもてます。滋味深い味わいで食事のオープニングとしては最適と言えるのではないでしょうか。

メインプレートの到着です。エビフライ2尾とビーフカツ、たっぷりのサラダが見た目にも食欲を刺激します。エビフライはカラリと揚がり、自家製のタルタルソースとの相性も抜群!サラダにはケチャップスパやポテトサラダ、茹でたワカメが付いていて、野菜をしっかりおいしく取ることができます。Bセットは¥2,000と少しお高めに感じるかも知れませんが、実際に食べていただくと十分納得できる価格だと断言しておきましょう。

いよいよメインのビーフカツをいただきます。ロゼピンクな揚げ加減も絶妙です。そしてこちらのデミグラスソースはただのデミグラスソースではありません。赤味噌が香るどこか郷愁を誘うデミグラスソースです。牛肉の旨味に赤味噌の風味が合わさって、マズい訳がありません。王道のデミグラスソースではありませんが、赤味噌のコクと香りがプラスされた、ご飯によく合う味わいです。昔の洋食店では数店で赤味噌仕立てのデミグラスソースを提供されていたこともあり、管理人にとっては懐かしい味に出会えた本日の訪問でした。

食後にはコーヒー(ホット or アイス)も付く大満足の「Bランチ」。近くには「19:大珉 馬仙山」や「中国料理 御旅飯店」などもある、地元の方が足繁く通うグルメスポットです。北大路大宮から南へ300mほどのところにあります。地下鉄「鞍馬口駅」から徒歩で12分程度と徒歩圏内ですので、周辺の散策がてらにぜひお立ち寄りください。丁寧に仕事された昭和の面影が残る洋食を、リーズナブルな価格で堪能できる管理人オススメのお店ですよ。
[2019年3月12日訪問]
洋食工房
●住所…京都市上京区筋違橋町570
●TEL…075-414-2920
●定休日…月曜日
●備考…店内禁煙(?)
●ホームページ…https://yousyokukoubou.com/
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